ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

奈良の山あれこれ (139) 冷水山

2016-07-05 08:44:15 | 四方山話

*このシリーズは山行報告ではなく、私のこれまで登った奈良の山をエリアごとに、民話や伝説も加えて随筆風にご紹介しています。季節を変えたものや、かなり古いもの写真も含んでいます。コース状況は刻々変化しますので、山行の際は最新の情報を入手されますようお願いします。*

(139)冷水山(ひやみずやま)<1262m>  「果無山脈最高峰」



奈良と和歌山の県境を東西に走る果無山脈の最高点である。山脈を代表する山として果無山とも、この山で山脈が南西に曲がるために最西とみなして果無西山とも呼ばれる。かっては和歌山側の竜神(田辺市)からも、奈良側の十津川からの登路も長く苦労する山だったが、現在は広域林道「龍神本宮線」によって短時間でアプローチできるようになった。


私たちも果無山脈縦走の折、丹生ノ川沿いの「ヤマセミの郷」で一泊。翌朝、この広域林道を利用した。ところどころに落石がある安堵山の山腹を絡み、黒尾山との鞍部、登山道に出会ったところで車を降りる。すでに標高1000m、ひんやりとした冷気が体を包む。真っ青な空の下に大塔山系の峰々がずらりと並んでいる。木の階段を少し上った小広い展望所から、背丈を超すスズタケを切り開いた道になる。少しの急登で笹原を抜けると1222mピークを越え、ブナやリョウブの自然林の中を行く。ふわふわの土を踏んで疎らに雪が残っている道を行き、黒尾山頂(1235m)に立つ。いったん下って登り返すと、一等三角点が埋まり「果無山脈最高峰」の山名板がある山頂である。

南北が開け、和州、紀州両側の重畳たる山並みを望むことができた。車を降りてから山頂まで1時間だった。