山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

4K放送って本当に必要?

2013-01-28 | 政治・経済・社会

 総務省が2014年7月に4K放送を開始する方針を決めたそうです。世界で初めてとのことで先ずは喜ばしいことのように思われそうですが、果たしてどのような意義があるのか少々疑問に感じるところもあります。純粋に技術的に高画質化を追求することは必要なことであろうと考えます。しかしながら、地上デジタル放送に完全移行したのは、つい先ごろのことです。地デジ⇒4K⇒8Kと順次高画質化を図るとのことですが、であれば4Kをすっ飛ばして8Kの技術開発を急ぐといった考え方もあります。

 アナログ放送からデジタル放送への移行は、占有周波数帯を解放し電波の有効活用を図るといった大義名分がありました。しかし、高画質放送になればなるほど占有帯域幅が大きくなります。総務省は、当初はCSで開始して、順次地上波へ移行していくとのことです。一旦放送を開始したならば、その周波数は固定的に占有されます。地デジ、4K、8Kを並存させなければなりません。これでは、電波の有効活用に反することとはなりませんか。

 一方、これ以上の高画質化をして何をするのかといった指摘もあります。現在の地デジ放送でも十分すぎるくらい高画質です。これ以上出演者の皴を鮮明に見せても意味がないと思わないでもありません。つまらない下劣な番組が多い現状では、全くもって必要がないように思われます。4K、8Kを必要とするコンテンツとは一体どのようなものでしょうか。

 先ずは、映像コンテンツの充実にこそ金をかけるべきであって、その放送に是が非でも必要だから高画質放送が必要となるといった順序の方が好ましいように考えます。


プジョー・シトロエンのハイブリッド エアについて

2013-01-27 | 省エネ

 プジョー・シトロエンが圧縮空気とガソリンエンジンを組み合わせた新たなハイブリッド車を発表したそうです。ハイブリッド車といえば、内燃機関と電気モーターを組み合わせたものと思い込んでおりましたが、圧縮空気を利用するとは思ってもみませんでした。

 よくよく考えてみれば圧縮空気の活用の方がより機械的ですから、こちらの方が何故先行しなかったのか不思議に思います。電気モーターのハイブリッドは、力学的エネルギーを電気エネルギーに変換し、更に化学的エネルギーに変換蓄電し、再生するためには逆のプロセスをたどって力学的エネルギーに変換する必要がありますので、エネルギー変換ロスが大きくなってしまいます。また、蓄電池の重量が増加したりとか、高価になったりするといったデメリットがあります。圧縮空気の方が変換効率が高いでしょうし、安価に実現できると思われます。

 確かに、電気モーターの方が制御する上では楽に出来るからといった理由があったのかも知れません。空気圧力モーターというものの制御の難しさは知りませんので何とも言えませんが、何故今なのかといった疑問を持ってしまいます。

 いち早くハイブリッド車を世に送り出したトヨタの技術をもってすれば、容易に開発することが出来たのではないかと想像します。過去に開発を進めていたが、何らかの理由があって、結局は製品化が見送られたとかいうようなことがあったのかも知れません。この辺りの事情にお詳しい方がいらっしゃいましたら、是非ともご教授いただきたいものです。


駆け込み退職について思うこと

2013-01-26 | 政治・経済・社会

 公務員の退職金減額を免れようと駆け込み退職が増加していると報道されております。駆け込み退職した公務員に対して批判を浴びせている論調も多く見受けられます。

 しかし、私は勇気ある決断をされたものだと称えたいと考えます。金銭的損得のみでという方もいらっしゃるでしょうが、そのような方は早くお辞めになった方が世の中のためです。しかし、公務員がバッシングされている昨今、批判されることを承知の上で早期退職の決意をされた方々は、並々ならぬ覚悟があったものと考えます。

 なかには警察署長も含まれるとか。このお歳で警察署長であるということは、現場からのたたき上げの警察官でしょう。それこそ命を的に職務に精励されてきたのかも知れません。そして今回の決断は、組織に反旗を翻すようなことに他なりません。そくよくの理由が無い限り、このような決断に至ることは無いものと思います。高々数十万の利益より、ずっとずっと損失の方が多いことが容易に想像できます。そのことを承知の上で退職された理由があるはずです。他の現場の警察官も同様の思いがあったのではないかと思います。先生方にしても同様だと思います。学期の途中で辞めるなどといったことは、教育者であれば当然のこととして異常なことであるとお考えでしょう。これまでの信頼を一挙に失うような決断をせざるを得なかった思いを当事者が主張しても世間は聞く耳をもたないでしょう。その苦衷を察するに余りあります。

 退職金が支給されるということは、おそらくこの道ひと筋に仕事をしてこられたものと思います。私のように仕事を転々としてきたものからすると、それだけで尊敬してしまいます。(参考:「「この道ひと筋」に生きること」) しかし、退職間際になって「この仕打ちかよ!」といった思いは、仕事に打ち込んでこられた方ほど大きいのではないでしょうか。自分の立位置で、一所懸命に努力してこられた方ほど、ショックが大きかったのではないかと思います。

 今回の制度改訂は、ある意味血も涙もないようなやり方です。どこぞの知事閣下は、そうしなければ公務員優遇だと逆に避難されるとかいった趣旨のことを述べられておりました。確かに、御説ごもっともです。しかし、このようなドライな仕打ちをしたのですから、された方はドライな対応をしたというだけのことです。これをどうして避難できましょうか。

 今の時代が何故にこんなに世知辛い世の中になってしまったのでしょうか。どうも住み難い世の中になってしまったようです。自己の利益追求が優先されるようでは、社会全体の活力が無くなってしまうのではないかと考えます。

 泉谷しげるの春夏秋冬の一節が思い浮かびます。「人のために良かれと思い~」

 


賽は投げられた-アベノミクス本格始動

2013-01-23 | 政治・経済・社会

 昨日の日銀の金融政策決定会合ににおいて、政府にねじ伏せられるような恰好で2%のインフレターゲットを掲げることになったことは、既に報道されているところです。

 以前に「デフレよりもっと恐いぞスタグフレ」で触れておりますが、果たしてどのような効果があるのか、そして副作用はあるのか無いのか。

 既にルビコン川を渡ったのですから、安倍政権が掲げる「三本の矢作戦」が成功することを祈るだけです。そして、今後の推移をジット見守っていくほかないと考えます。私にできることは、出来るだけ自分の食べるものを自給することくらいしかないようです。


発送電分離について

2013-01-22 | 政治・経済・社会

 報道によりますと電力システム改革専門委員会が送電部門を別会社として分離する、いわゆる法的分離とすることで大筋合意したとのことです。

 以前に「発送電分離ですべてがうまく行くのだろうか?」で述べておりますが、分離しさえすれば諸問題が解決するといった単純なものなのでしょうか。日本は諸外国に比べ遅れているといったことがよく語られます。発送電分離を実施した電力先進各国(?)において何らの問題も発生していないのでしょうか。「発送電分離に関する最近の研究のレビュー - 電力中央研究所」なる資料があります。電力中央研究所の資料であるから何らかのバイアスが掛っているのではないかと指摘する向きもあろうかと思いますし、日本の特殊性といったこともあろうかと思います。しかしながら、発送電分離推進論者は、先の資料で紹介されている全ての論点につき何故に分離した方が良いかを明らかにする必要があるものと考えます。

 発送電分離とは別問題ですが、政治家の中には東西の電力周波数を統一した方が良いと主張されている方がいらっしゃるようです。これに関しても「電力の周波数統一は可能か?」、「電力の周波数を統一するメリットは?」で既に指摘しております。

 一旦定まった制度を変更するには大きなエネルギー(人的、物的、政治的、・・・)が必要となります。また、大きな混乱を引き起こす可能性もあります。そのようなリスクを冒してまでやるべきことなのか、その前にやれることがあるのではないか等々、大いに議論が必要なのではないかと考えます。


農家の農地所有のあり方について

2013-01-20 | 農業

 先日、ほぼ同年輩の会社経営者数名と会議の途中で雑談していたおり、農業に関する話題になりました。いわゆる農業従業者の高齢化の問題で、その原因は農地を手放さないことが最大の問題だとの指摘がありました。耕作しなくても農地を所有していること自体に旨味があるからだろうとの主張でした。だから新規就農者や企業が農地を取得できず、農業が近代化しないのだ。企業が農業に参入すれば、もっと効率的に経営ができるようになるとの意見もありました。更には、国が農家から強制的に農地を取り上げてしまい、新規就農者や企業が取得し易くするようにするしかないのではないかとの極端な主張をする方もおられました。

 私が農業(兼業)をしているということをご存じないとみえ、忌憚のないご意見を伺えたことは貴重な体験でありました。思うに農業の現実をご存じない方々の大方のご意見は、先の方々のようにお考えなのではないかと想像したのでした。

 私は、百姓の小倅(長男)として生を受け、サラリーマン生活を経て、現在自営業(省エネコンサルタント、行政書士)と農業を兼業しております。ただ、農業といってもわずかばかりの田んぼと畑です。昔みかん畑であった山と杉、檜の山林は、そこそこありますが、ほとんど管理に手が廻っておりません。このような立場上、私は先の主張にも賛同できるところもありますし、できかねる部分もあります。

 さて、農家が農地を手放さない理由とは一体なんなのでしょうか。余程旨味があるとお考えででしょうか。都市近郊の農地の場合には、そのような時代もあったのかも知れません。残念なことに、そのような農地を所有したことがないので判りません。しかし、田舎の農地の現実はどうかというと、確かにバブルの時に多少値が上がったことは事実です。跡継ぎのいない農家の多くは、この時に手放したかったはずです。田舎にも宅地化の波が押し寄せてきておりました。しかし、農地法がある故に農地を住宅地に転用して売ることが出来なかったのです。この時、農地が売却できれば、借金苦から逃れられた農家が大勢いたでしょう。

 しかしながら、農地法があったからこそ農地が守られてきたという側面もあります。バブルの時に無制限に農地の転用を認めていたならば、日本の農地はどうなっていたことでしょう。売りたくても売れない現実があったればこその現在があるのではないかと思っております。

 こうして、農家は農地を耕作するしないにかかわらず所有し続けてきました。本来の農地法の趣旨は、不在地主から小作農を解放し、自作農を創設するにあったのです。その結果、一時期は自作農が増加しました。日本が高度成長するに従い工業化が進展し、その労働力供給を農家の子弟に求めることとなりました。農業で食っていくより、都会に出て農業以外の産業に従事した方が収入が高くなるといったことになれば、当然のことながら農業の就労人口は減少し、ついには産業としての重要性を失うに至ったのです。

 もはや産業として成立しない農業の問題は、戦後日本の成長戦略の結末として見据える必要があるものと考えます。その結果として、農業就労者の高齢化、依託耕作や耕作放棄地の増加等々の現在の農業問題があるのです。

 農家の農地所有のあり方について、冒頭の主張のように種々の考えがあって然るべきです。農地の高度利用といったことを真剣に検討しなければならない時期にさしかかっているのかも知れません。農業のあり方は、日本のあり方そのものが問われる重要な問題です。長期的展望に立って十分な議論がなされるよう希望します。

<参考> 「兼業農家は是か非か?」 「農業用水路はいつまで維持できるか?」 「灌漑施設の管理作業」 「TPPについて(2)」 「TPPについて(3)-経営規模拡大で対抗できるか?」 「TPPについて(8)-農地法


ボーイング787型機のトラブル多発について

2013-01-17 | 大空への憧れ

 このところ787型機のトラブルが多発しております。工業製品の故障発生率は時間の経過と共にバスタブ曲線を描くと言われております。故障発生率が高くなるのは、初期不良と経年劣化が主要因であることを表しております。これはあくまで、学問的、一般的なお話であります。

 ところが、ANAが「新型機には初期不良はつきもので、運航しながら改善し、B787を成長させていく。」とコメントしているようです。車中のラジオで初めてこの発言を聴いたとき、俄かに信じられませんでした。後でネットで調べてみると、同様の報道記事が掲載されていましたので、どうやら事実のようです。運行会社であるANAとしては、口が裂けても言ってはならぬことであると考えます。初期不良がつきものあることは、それは確かに事実でしょう。しかし、この発言の裏を返せば、当社としては初期不良が発生することは認識、あるいは承知の上で運行させていましたと言うことになります。即ち、乗客乗員を危険にさらしてでも、運行を継続し、トラブルを発生させることによってトラブルシューティングしていくということになります。極端な言い方をすれば、乗客乗員はモルモットのような扱いを受けていたということにもなります。

 さて、専門家の間から色々な問題点が指摘されております。中には行き過ぎた電気・電子制御への移行が最大要因であり、設計ミス等の重大な原因が内在するのではないかとの主張もあります。これは、従来は油圧を主体とした制御システムが主流であり、これを一気に電気・電子制御に置き換えたことによる構造的問題だといったことかと思われます。要は、油圧制御は枯れた技術であるから何ら問題なかったのに、何故に新しい技術を持ってきたのかといったことでしょう。しかし、電気・電子制御にもこれはこれで歴史がありますし、色々なところで採用されております。身近な例では自動車の電子制御などがありますし、宇宙船の技術にも利用されております。また、飛行機のコントロールなどに関する重要なシステムは、二重三重のシステムで構成されるなど、フェールセーフに対する考慮もなされているものと考えます。従いまして、油圧であろうが電気・電子制御であれ、こと安全性に関しては大きく異なることはないものと考えます。

 では何故問題が発生するかということになりますが、飛行機でも原発でも同様ですが、システムの強靭性は、最も脆弱な部分に依存するということなのではないかと考えます。システムの重要な部分は、当然のことながら多くの検討が加えられ強化が図られます。しかしながら、余り重要ではないと考えられる要素については、前者ほどの考慮や対策が取られることはありません。ですから、この部分がシステムのウイークポイントともいえます。このトラブルが局所的なものに留まれば良いのですが、システム全体に影響を及ぼせば壊滅的な結果となってしまいます。

 昨日の事故は、直接的にはバッテリーが焼損したもののようですが、その原因はバッテリーそのものにあるのか、あるいは周辺機器にあるのか原因究明が待たれるところです。私の直感としては、バッテリー本体と言うよりも、その周辺機器に問題があるのではないかと考えます。と言うのは、バッテリー本体については、性能評価試験や生産管理等々が厳格に行われているものと考えます。ただ、充電器等々の周辺機器に関しては、単体ではかなり厳格に試験されているとは思いますが、実運用で起こりうるあらゆる要因を想定することは不可能であると考えます。特に充電器を制御するソフトウエアなどが要因として最も疑わしいのではないかと思っております。(あくまでも私の勘ですから、開発者の方々は気分を害しないでください。それくらい難しい仕事であるということを言いたかったのです。私も制御機器や制御プログラムの開発に従事しておりましたので、その辺りの事情は理解しているつもりです。)

 ともあれ、早期の原因究明と安全運行を願うばかりです。


消費税の軽減税率について (2)

2013-01-16 | 政治・経済・社会

 軽減税率適用品目の線引きの難しさは「消費税の軽減税率について 」で指摘しております。自民・公明で協議されている内容が報道されております。軽減税率の導入に関しては、両党とも一致したものの、時期と方式を巡って主張の食い違いがあるとのことです。

 公明党は、穀類、麺類、生鮮食料品、水に限定して、税率8%に引き上げる時点で現在の帳簿方式で実現したいとしております。これに対して、自民党は10%に引き上げる時点で、インボイス方式の導入を含めて実現したいと主張しているようです。また、自民党の石破幹事長は、税はシンプルな方が良いといったことを述べておられるようです。

 さて、公明党の主張では、8%段階で特定品目を5%に軽減し、10%に引き上げられた時に品目を追加するとのことですが、この時追加品目の軽減税率は5%なのか8%なのかはっきりしません。5%ならば、一旦上がった税率が元に戻ることになり、8%ならば品目によって5%、8%、10%の税率とより複雑な体系となってしまいます。

 また、線引きの問題についても品目を限定するとの主張ですが、例示されている穀類ひとつ取ってみても問題山積でしょう。例えば、精米自体については異論を挟む余地は無いでしょう。しかし、その加工品はとなると種々の解釈が成り立ちます。オニギリにしたらどうなる。オニギリは認めるが、ご飯パックや惣菜や定食のご飯はどうなるのでしょうか。また、米粉を加工したお菓子はどうなるのでしょうか。白米は認めるがもち米は認めないといった議論もありえます。更には、加工したお餅や煎餅はと際限ありません。日本中大騒動することが目に見えています。裁判沙汰になることも大いにありえます。

 次に、インボイス方式の導入に関連してですが、これは最初に消費税が議論されていた時に事業者の負担が大きいということで見送られたはずです。軽減税率を実現するだけでも大きな負担となるのに、何故議論が再燃するのでしょうか。今頃ガタガタ言うくらいだったら、最初からやっておいてください。

 ここは、石破幹事長の言われている通り、税率の変更だけにしておいていただきたいものです。それより、社会保障の方が優先事項なのではないのですか。老後の不安が大きいからこそ資金を貯め込まざるを得ないのです。

 余談ですが、ルイ14世の時代以降、間接税の徴収を国家に代わって徴税請負人に行わせていたとのことです。国家は自分の手を煩わせることなく徴税でき、請負人は莫大な利益を得られるといったこととなります。我が国の消費税は、事業者が徴収し、納税する義務を負わされております。これで利益を挙げているのではなく、一方的に義務付けられているのです。また、サラリーマン等の源泉所得税も同様に事業者に義務付けられております。にも関わらず、インボイス方式の導入で更なる事業者への負担を増加させようとしております。その理由として、現在の帳簿方式では不正が多いということが挙げられています。国家はどこまで手抜きをすれば気が済むのでしょうか。不正を摘発するのは、国家の仕事でしょうに!

 圧倒的に多くの事業者は、業務を適正に行っております。更に言えば、消費税を転嫁できずにいる多くの中小零細業者の存在を忘れないでいただきたい。この度の消費税の増税だけでも廃業の危機に晒されているのに、軽減税率、インボイスといった混乱と負担をするくらいだったらこの期に廃業しようといった声を多く聞きます。それくらいに状況は逼迫しているのです。

 余談の余談ですが、フランスの偉大なる化学者であるラボアジェの本業は徴税請負人であったとのことです。当時の徴税請負人は市民から怨嗟の的になっていたようで、フランス革命によって元徴税請負人達は断頭台で処刑されました。無論、ラボアジェもその中の一人に含まれております。


マイナンバー制度に思うこと

2013-01-15 | 政治・経済・社会

 社会保障と税の一体改革に関連して、マイナンバー制度の導入が議論されております。以前、当ブログにおいても「背番号いったいいくつ付けられる」といった川柳ネタで取り上げております。

 そこでも指摘しておりますが、番号を振るのは簡単ですが、名寄せをどのように行うのでしょうかね。これは物凄く大変な作業になることは疑う余地がありませんし、年金の事務を見てみれば明らかなように完全に実行できるという保証はどこにもありません。また、銀行などの金融機関の口座の名寄せも同様です。本人または代理人が金融機関の窓口に出向いたり、郵送等で書類手続きが必須になります。手続きが完了するまで、口座を凍結するなどして強制しなければ実効性は乏しいでしょう。

 また、今まで個別に付与されている番号は、どうなってしまうのでしょうか。マイナンバーで統一するようにすれば、まったくもって不要なものになります。しかし、コンピュータシステムの大改造が必要になります。であれば個別のシステムとマイナンバーの変換で対応すれば良いといった対応になるでしょう。とすれば、また一つ番号が増えただけといったことにもなりかねません。

 住基ネット導入の際にも費用対効果が随分と議論されてきたようですが、その後の評価は如何なものでしょうか。マイナンバーは住民基本台帳番号をベースにするそうですが、であれば何故に番号を本人の請求であっても教えない制度になっているのでしょうか。マイナンバーは、官公署のみでなく民間でも情報が飛び交います。番号の秘匿性との整合性を如何にお考えなのでしょうか。

 マイナンバーは、国や地方公共団体が管理する全情報のキーワードとなります。これが不正利用に脅かされることとなります。絶対安全なシステムを構築することは不可能です。莫大な費用を掛けて、危険を増大させるシステムの導入をするメリットとは一体何なのでしょうか。

 マイナンバー制度導入の最大の目的は、脱税その他の社会不正の防止にあるものと思われます。国民の全ての金の流れを掴むことができるようにすることが最大の眼目なのではないでしょうか。国民にとっての利便性などといったことは、二の次三の次の取ってつけた言い訳に過ぎないと思います。ワンストップサービスを謳った復興庁が、ワンステップ増えただけと言われているではありませんか。国民へのサービスは、組織とそれに属する人に負うところが大きいのです。マイナンバー制度が導入されたからといって、サービスが向上するといったものではありません。

 例えマイナンバー制度が導入されても、必ず新たな手口が生まれます。もっとも政府にとっては、新たな制度の導入費用を税金の捕捉率向上によって徴税収入がうわまれば万々歳といったところでしょう。それはそれで意味のあることですが、他に取り得る手段があるのではないかと考えます。マイナンバー導入しかないといった議論ではなく、一つの選択肢としての議論としてならば歓迎します。


日本原電の発電していないのに過去最高益報道について思うこと

2013-01-14 | 政治・経済・社会

 発電していないのに過去最大の収益見通しとはこれ如何にということで、日本原電がマスコミ等で散々に叩かれております。これは、2012年度半期報告書での利益を通期にした場合の類推ということで報道されたものと思われます。

 電気を売っていないのになぜ利益が上がるのかといった疑問をお持ちの方も多いでしょう。要は契約がそのようになっているということです。皆さんの電気料金も基本料金+従量料金となっていることはご承知でしょう。今朝方テレビを視ていたら、あるキャスターが「このようなことは理解できませんねー。」とか言っておられました。また「これも各電力会社の電気料金に上乗せされて、結局は消費者に廻ってくるのです。」といったコメンテーターの発言もありました。

 それはその通りで、仰っていることは一々ごもっともです。しかし、逆に大赤字で、債務超過になったといったことを想定してください。この場合には、どのようなことが発生しますか。結局は、税金が投入されることになるのではないですか?

 ことの本質は、原発政策そのものにあるのであって、現時点で利益がどうのこうのといって目くじらを立ててみても何の解決にもなりません。

 原子力政策を根本からみつめなおす必要があります。原発維持/廃止のどの道を選ぼうと茨の道であることは間違いないと思われます。日本人には、その選択をする責任と覚悟が求められているのだろうと思います。

<参考> 「原発をどうすべきか」 「放射能除去装置の可能性」 「原子力発電は環境にやさしい?」 「活断層の可能性が否定できないならば原発は停止させるべきではないか?」 「新エネルギー政策の行方(2)


TPPについて(11)-参入影響の統一的試算

2013-01-14 | 農業

 報道によりますと、茂木経済産業相が、TPPに参加した場合の影響について政府が統一的に試算すると述べたとのことです。これまでには、関係省庁から独自に試算したものが公表されてきました。これらには、いわゆる省益が絡んでバイアスがかかった結果となっているのではないかという疑問の声があがっておりました。これらの疑念に応えるためにも政府が責任を持って、試算することは当然と言えば当然のことです。誠に遅きに失していると言わざるを得ませんが、遅ればせながら、まともな道に立ち戻ったことは率直に評価したいと思います。

 ただ、茂木経済産業相の発言は、立場上TPP参加へ向けての文脈の中で出てきたものと考えられます。ですから政府には、公正中立で客観的な試算を望むものです。有意義な議論をするためには必要不可欠な情報です。新たなるバイアスをかけるようなことにならないよう願います。

 私自身は、このカテゴリで色々と述べてきましたが、原発問題(参考:「原発をどうすべきか」)と同様、未だに判断できずにおります。原発に比べれば、被害の回復や後戻りができるという意味において、「とりあえずやってみたら」といった乱暴なことも可能かとは思います。しかしながら、重要な政策決定であることは間違いありません。このような重要な政策決定をするには、情報の徹底した公開と、それに基づく議論が重要であると考えます。決定に際しては、原発のように国民投票とまでは言いませんが、国民に信を問う位のことはあっても良いのではないかと考えます。


しょうがパウダーを作ってみました

2013-01-13 | ブログ

 製粉機活用の続編です。手回し製粉機⇒電動製粉機へ改造して、きな粉を作ってみたことは先日ご紹介致しました。(参考:「手廻し製粉機を電動に改造してみました」)

 現在、収穫した大豆をきな粉に加工して、直売所に置かせてもらっております。お餅を食べる時期ですから、出荷分はお陰さまで完売しております。先日も追加で出荷してきました。正月気分も一段落すれば、きな粉のニーズも落ちてくると思いますので、次なる商品をということで、生姜パウダーの試作にチャレンジしてみました。

 自家栽培の生姜2kgを薄切りにして天日乾燥させます。カリカリに乾燥した生姜を製粉機に2パスさせて、篩いにかけて出来上がりです。出来上がり重量は200gでした。製粉時に生姜の微粒子が空気中に舞い、目、鼻、喉にかなりの刺激がありました。次回はゴーグルとマスクの完全装備で臨む必要がありそうです。

 早速、生姜湯を作って試飲してみました。なかなかの出来栄えではないかと悦に入っております。きな粉を出荷したおり、直売所の担当者に生姜パウダーのことを話してみたら、是非出荷してくださいとのことでしたので、今年は生姜の作付けを多くしようと思っております。

 


消費税の軽減税率について

2013-01-11 | 政治・経済・社会

 軽減税率をどうするかについて種々議論がなされているそうです。確かに、生活必需品などに対する軽減税率の適用が必要であるという主張は頷けるものがあります。しかし、実際に実施するとなると一筋縄ではいかないと思われます。

 そこで、諸外国の軽減税率を見てみます。(参考:「各国の消費税軽減税率」「諸外国における食料品に対する軽減税率の適用例 ー 」)

 マスコミ等で引き合いに出されるのが、店内で飲食するのと持ち帰り、ドーナッツの数量で税率が違うといったこと等でしょうか。あるいは、普通のチョコと板チョコで税率が異なるなどといったこともあります。お国柄が反映していて、比較する分には面白いのですが、いざ日本はとなるとどうなるのでしょうか。

 生活必需品と一口にいっても、どこで線引きするのかは大変難しい問題です。線引き如何によっては、売上にひびくといったことも大いにあり得ることです。業界団体が政治家を巻き込んで大騒動することは目に見えています。よもや政治家の皆さんが、業界に恩を売るチャンスとお考えになっているとは思いませんが・・・。

 また、軽減税率を適用するためには、品目ごとに税率を決定する作業、POSレジや会計ソフトの変更など多くの労力と費用が発生します。これは誰が負担するのでしょうか。ただでさえ負担が増加するのにと思わざるを得ません。

 軽減税率を導入するに際しては、大きな混乱を伴うことは容易に想像できます。それでも軽減税率を導入するメリットは何でしょうか。他に替わる方策は無いのでしょうか。はなはだ疑問に思います。

<参考> 「消費税の軽減税率について (2)


放射能除去装置の可能性

2013-01-10 | 政治・経済・社会

 放射能除去装置といえば、宇宙戦艦大和に出てくる架空のものとばかり思っておりました。しかし、文藝春秋2月号に立花隆氏の「最先端技術と10年後の「日本」」の中で、核廃棄物処理の研究が東海村のジェイ・パーク(J-PARC)で行われていると紹介されておりました。核廃棄物に中性子線を当てて、核種変換を行うことによって低レベルの放射性物質に転換するものだそうです。

 不勉強で、このようなことを全く考えたこともありませんでした。マスコミでは、核廃棄物の問題は何度も見聞きしたことがありますが、このような研究が行われていることについては、ほとんど報道されてこなかったのではないでしょうか。

 核廃棄物は、半減期の長い元素と高レベルの放射線を出す元素が含まれております。このままですと数十万年間の長きに渡って管理する必要があります。これは事実上無理な話です。このように長期間の安全性を誰が保証できるでしょうか。原子力利用を考える際には、これが最大の問題点です。これに中性子線を当てて、半減期の短い元素(例えば、数十年~百年程度)や低レベルの放射性物質に転換できれば、放射性物質を管理する上では実用的な範囲と言えるでしょう。

 このために、核融合炉として研究されているトカマク型炉が活用できるといった研究もあるようです。核融合そのものも将来の重要なエネルギーとして期待できますが、既存の設備を活用して核廃棄物の処理ができるとすれば、これまでの研究開発への投資に新たな付加価値が発生したとも言えるでしょう。

 素人考えですが、除染等で発生する廃棄物に対しても半減期の長い元素と高レベルの放射線を出す元素を分離した上で同様の処理を行えば、現在問題となっている最終処分について見通しが立つ可能性があります。今後の研究に大きく期待します。

 話は変りますが、文藝春秋の同月号の巻頭エッセイで立花隆氏が次のように書いておられます。以下引用しますと「東京のゴミ処理場では、ゴミ焼却熱で発電(十億キロワット)して、年間五十六億円稼いでいる。」-以上引用-

 十億キロワット??? と瞬間的に反応してしまいました。読み進めば、五十六億円と金額が出てきましたので、十億キロワット時の間違いだと気付きます。まさか知の巨人とも言われている立花氏がこのようなことを間違えるはずがない。きっと誤植か単純ミスだろうと思いたい・・・。その後、先に紹介した論考の中で、太陽光発電の行で「一キロワット時当たり四十二円」と正確に記述されておりました。

 立花さん。一瞬でも疑ってしまったことをお許しください。

<参考> 「放射能除去装置について


波力発電について

2013-01-09 | 省エネ

 我が国の海岸線の長さは29,751kmで、何と世界第6位だそうです。この内で波力発電に適する割合が如何ほどあるかは知りませんが、これを活用しない手はありませんよね。

 波力発電は小規模なものから大規模なものまで色々なアイデアがあり、実用化されたものもあります。なかでも私のお気に入りのものは、山口大学の羽田野先生が研究されている「つるべ式」です。その特長は、波力発電といえば洋上発電といった常識を覆し、海岸にも設置可能なことでしょうか。これは大きなメリットであろうと考えます。また、いたってシンプルな構造でありながら、安定的な発電が可能であるというのも魅力です。実用化に向けて大いに期待します。

 水力発電と同様に、波力発電も色々と規制が多いと思われますが、自然エネルギー普及のためには、何とか知恵を出し合っていかなければならないと思います。