山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

マイナンバーの運用開始をしばし延期しては?

2015-06-03 | 政治・経済・社会
 この度の基礎年金番号流出にみられるように悪意を持った攻撃に対するシステムの脆弱性が露呈されました。完璧なコンピュータシステムは構築できるはずもありません。これに対抗するためにはシステムの運用のみでなく制度全般にわたる対策が必要です。
 マイナンバーについては、基礎年金番号とは比較にならないほど影響が広範囲に及びます。もれ聴こえてきている情報に拠れば、システムの開発が遅延しているとのことです。おまけにシステムの運用にあたる窓口などの担当職員に関するマニュアルや教育などといったことは無に等しいとやら・・・。このような状況で拙速に運用開始したとしても現場は大混乱をきたすことは必至でしょう。そしてハッカー達の格好の餌食となることでしょう。
 また、マイナンバーを管理するのは官公署だけでなく民間企業においても管理する必要性に迫られます。企業でもマイナンバーに対応するためにシステムのリプレースを余儀なくされますし、新たに取り扱い規定の整備なども必要とされます。そして、マイナンバーに関わる担当者全員に対して必要とされる教育も必要とされます。
 これらのことが運用開始までに準備が間に合うでしょうか? 私には限りなく絶望的に思えます。このようなリスクを抱えた状態で、見切り発車的に運用開始しても良いことは一つも無いと思います。
 この際、運用開始を延期して準備を整えた方が良いと考えます。期日通りに運用開始しないと面子が潰れるとお考えになられる方々もいらっしゃるかも知れません。しかしながら、無謀にも運用を強行して失敗した方のダメージが大きいのではありませんか?
 マイナンバーは、それこそ最近よく耳にする憲法13条の「国民の生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」に重大な影響を及ぼすようなものではないのですから。この際、粛々と準備を進めることが肝要かと考えます。

<参考> 「マイナンバー制度に思うこと」「背番号いったいいくつ付けられる