山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

放射能除去装置の可能性

2013-01-10 | 政治・経済・社会

 放射能除去装置といえば、宇宙戦艦大和に出てくる架空のものとばかり思っておりました。しかし、文藝春秋2月号に立花隆氏の「最先端技術と10年後の「日本」」の中で、核廃棄物処理の研究が東海村のジェイ・パーク(J-PARC)で行われていると紹介されておりました。核廃棄物に中性子線を当てて、核種変換を行うことによって低レベルの放射性物質に転換するものだそうです。

 不勉強で、このようなことを全く考えたこともありませんでした。マスコミでは、核廃棄物の問題は何度も見聞きしたことがありますが、このような研究が行われていることについては、ほとんど報道されてこなかったのではないでしょうか。

 核廃棄物は、半減期の長い元素と高レベルの放射線を出す元素が含まれております。このままですと数十万年間の長きに渡って管理する必要があります。これは事実上無理な話です。このように長期間の安全性を誰が保証できるでしょうか。原子力利用を考える際には、これが最大の問題点です。これに中性子線を当てて、半減期の短い元素(例えば、数十年~百年程度)や低レベルの放射性物質に転換できれば、放射性物質を管理する上では実用的な範囲と言えるでしょう。

 このために、核融合炉として研究されているトカマク型炉が活用できるといった研究もあるようです。核融合そのものも将来の重要なエネルギーとして期待できますが、既存の設備を活用して核廃棄物の処理ができるとすれば、これまでの研究開発への投資に新たな付加価値が発生したとも言えるでしょう。

 素人考えですが、除染等で発生する廃棄物に対しても半減期の長い元素と高レベルの放射線を出す元素を分離した上で同様の処理を行えば、現在問題となっている最終処分について見通しが立つ可能性があります。今後の研究に大きく期待します。

 話は変りますが、文藝春秋の同月号の巻頭エッセイで立花隆氏が次のように書いておられます。以下引用しますと「東京のゴミ処理場では、ゴミ焼却熱で発電(十億キロワット)して、年間五十六億円稼いでいる。」-以上引用-

 十億キロワット??? と瞬間的に反応してしまいました。読み進めば、五十六億円と金額が出てきましたので、十億キロワット時の間違いだと気付きます。まさか知の巨人とも言われている立花氏がこのようなことを間違えるはずがない。きっと誤植か単純ミスだろうと思いたい・・・。その後、先に紹介した論考の中で、太陽光発電の行で「一キロワット時当たり四十二円」と正確に記述されておりました。

 立花さん。一瞬でも疑ってしまったことをお許しください。

<参考> 「放射能除去装置について


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。