山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

再発防止策として滑走路誤進入に警報音

2024-06-22 | 大空への憧れ
 報道によりますと羽田空港で発生した衝突事故を受け、国土交通省が滑走路への誤進入の危険性を管制官に知らせるため警報音を発するようにするなどの再発防止策をまとめたそうです。
 「管制官が気付けなかった滑走路誤進入検出システムって!?」で指摘しおりますように、そもそも当該事象が発生した場合に警報音が鳴動し、管制官に注意を促すのが常識的な考え方です。
 監視システム設計の経験上、設計の初期段階から警報音を鳴らさないようにするなど考え難いのです。それは監視項目の異常をより多くの手段で表現した方が安全性が高まるからです。例えば、視覚(画面表示、警告灯など)、聴覚(ブザー、音声アナウンスなど)、触覚(リストバンドなどのバイブレーション)の3つの手段で表示していれば、異常の発生を感知し易くなります。今回の場合では視覚的に表示はしていたものの管制官が見逃したということです。警報音が鳴動していれば管制官も気付くことが出来たでしょう。警報音がうるさいのであれば、管制官にバイブレーションで知らせるといった手段なども考えられます。それにシステムの表示が何らかの原因で作動しないこともあります。この場合でも複数の手段で異常を知らせるようにしていれば、どれかが生き残って作動してくれる場合だってあります。このように設計者は出来るだけリスクを低減し、より確実に異常を監視者に伝えるように考えます。
 だから、警報音を鳴らさないというシステムになったのには何らかの積極的理由があると思われるのです。このシステム導入に際して、要求仕様段階からそうなっていたのか、それとも設計の途中から鳴らさないようにしたのか。私はその理由を是非とも知りたいのです。もしそれが合理的理由であれば納得します。しかし、再発防止策として結局は警報音を発するということになったということは、是が非でも鳴らさないとしたことに合理性があったとは考えられません。
 何度も言いますが、監視システムとして表示と警報音はセットとなるのが常識です。それはあなただけの常識じゃないのと言われてしまえば身も蓋もないのですが・・・。

アナログ管制???

2024-02-02 | 大空への憧れ
 2/2付け朝日新聞の時時刻刻に「アナログ管制 探る安全」という見出しで1/2に羽田空港で発生した航空機事故に関する記事が掲載されておりました。
 私は「アナログ管制」という用語を初めて知りましたので記事を読んでみますと、どうもJALの社長の記者会見で「航空機と管制のやりとりはいまだにアナログな世界が残っていて~」と述べたことからこのような用語を新造したのでしょう。記事の内容はいわゆる識者の方々の見解を並べて整理した程度のもので何ら新しいものは見当たりませんでした。

 航空管制のあり方については色々議論のあるところでしょうが、現在の無線交話による方法は歴史的背景があり、それなりに機能してきたものです。そのことを深く考えもせず「アナログ」という言葉で時代遅れと言って切って捨てる風潮に疑問を感じます。
 その対極としてもてはやされるのが「デジタル」です。デジタルと言えば先進的なことだと安易に使っていることを嘆かわしく思います。その最たるものが「デジタル庁」なる役所の名称です。
 私は文末の<参 考>のリンクのような投稿をしてきました。別にデジタルを否定しアナログを擁護するつもりはありません。ただただ用語本来の意味で使って欲しいだけです。
 朝日新聞の記者ともあろう方々が流行の尻馬に乗って「アナログ」を安易に用いていることにカチンときたのです。もっと適切な表現をして欲しいものです。それと記事の内容についてももっと掘り下げて問題の本質を抉り出すようなものであって欲しいと切に願います。

<参 考>
デジタルは万能か?」「アナログを見直そう」「アナログとデジタル

 「アナログ」「デジタル」とは関係ないのですが参考の参考として
管制官が気付けなかった滑走路誤進入検出システムって!?

管制官が気付けなかった滑走路誤進入検出システムって!?

2024-01-06 | 大空への憧れ
 1/2に羽田空港で航空機衝突炎上という誠に痛ましい事故が発生しました。航空機事故調査委員会による原因究明が待たれるところですが、どうやら海保機が管制の指示に従わず滑走路に進入したことが原因であろうと報道されております。
 また最近の報道では「滑走路誤進入検知システム」の警報に管制官が気付かなったのではないかとされております。同システムでは滑走路に航空機や車両等が滑走路への誤進入を検知した場合には滑走路が黄色の点滅表示、航空機等の対象物が赤色点滅するようになっているとのことです。この場合にブザーなどの警報音が鳴動していたのかは報道の範囲では不明です。

 しかしながら以前、監視制御システムの開発に従事しておりました経験上、重要な監視項目の状態にアラームが発生した場合には、表示色を変更するとともに点滅(フリッカー)させることにより監視者が即座に認識できるようにします。それと同時に警報音を鳴動させアラームが発生したことを知らせます。表示の点滅及び警報音の鳴動は監視者が確認ボタンが押下されるまで継続するようにするのが通例でしょう。
 「滑走路誤進入検知システム」にとって誤進入は一丁目一番地ですから警報音が鳴動しないようなシステムとなっていることは考えにくいと思います。ですから管制官が気付かなかったという報道に対しては俄かに信じがたいものがあります。
 それでも管制官が気付かなかったのであれば、当該監視システムに問題があったと言わざるを得ません。そもそも誤進入を検知できなかったのではないか? それならば監視履歴を調べればすぐにでも分かることです。
 監視履歴を調べて誤進入を検知した履歴がロギングされているのに監視者が気付かなかったという事象が発生したというのであれば、その監視システムはそもそも意味がない代物だったということです。
 管制官のような忙しい仕事をしている人に画面を注視していろなどといったことは無理でしょう。当然のことながら警報音を鳴動させるシステムとなっていなければならないでしょう。
 開発打ち合わせの席上、ユーザーからブザー鳴動を有り/無し設定できるようにできないかと要望されたことはありました。しかし、監視システムの役割から言ってそのような要望は撥ねつけてきました。設計上そうすることも可能ですが、この辺りは設計者の矜持だと思っておりました。
 ただシステムを導入したばかりで未だ安定的に稼働できないといった場合に警報音が頻発すると通常業務に支障がでると泣きつかれれば、現場担当者はハード的に鳴動しなくするといったことがないとは言えません。
 勿論、今回の場合がどうであったかは知る由もありませんが、システムが正常に機能していれば警報音が鳴動しないとは考えにくいのです。管制官が誤進入を認識できた時点でJAL機にゴーアラウンドをかければ事故を防ぐことが出来たのです。
 折角「滑走路誤進入検知システム」が導入されているにも関わらず、有効に機能しなかったのは返す返すも残念なことだと思います。

<2024/1/7 追記>
 「羽田管制塔に「誤進入」監視機能、事故当日も作動…国交省「画面を常時凝視するものではなかった」-読売新聞オンライン」によれば、このシステムは「「滑走路占有監視支援機能」と呼ばれる。着陸機が接近しているのに離陸予定機や横断機が滑走路に入った場合、管制官の前にあるモニター画面の一つで滑走路全体が黄色で点滅し、航空機も赤く表示される。音声などによる警告機能はないという。」ということで、警報音等の鳴動が無いとのことです。
 また「「管制官が自分の目で見て指示する際の補助的な表示であり、常時その画面を凝視することを求められる性質のものではなかった」と説明。ただ、羽田では6日から専属の担当者を置き、画面を常時確認することにしたという。」と国交省は説明しているそうです。
 この記事を読んで「えーっ!」と思わず叫んでしまいました。「管制官が画面を凝視していたら本来の仕事なんてできないでしょう!」、補助的なものであるからこそ警報音で知らせる必要があるです。警報音を耳にしたら画面で確認して適切な対応をするための情報を得るのです。それこそが支援システムの役割なのです。
 更に追い打ちを掛けたのが、専属の担当者を置き画面を常時監視するとの対応策です。開いた口が塞がりません。ただでさえ忙しいであろう管制官の業務に更なる負荷が掛かるだけです。
 私はかつてパイロットの夢を絶たれたとき、航空管制官になろうかと思い航空保安大学校を目指した時期もありました。しかし、調べれば調べるほど神経を擦り減らすような過酷で責任の重い仕事は私の性格上不向きであることを悟り断念したことがあります。であるからこそこの業務に携わっていらっしゃる管制官の皆様に敬意を持っております。それなのにこの国交省の弥縫策には怒りしか感じません。
 先にも述べておりますように、このような監視システムで警報音が鳴らないことなど考えられません。初期設計からこのような仕様になっていなかったことを信じます。ユーザー(この場合は航空局になると思いますが)との打ち合わせで最終的な仕様が決められたと思います。この時どのような経緯で警報音をならないようにしたのか是非とも知りたいと思います。
 

<参 考>
事故原因究明のためには当事者を免責にした方が良いと考えていましたが・・・
人間が咄嗟にとる行動について
ティータイム 第10話 大空への憧れ(1)

ドローンって面白そう!!

2023-05-29 | 大空への憧れ
 最後にフライトしたのが「久々のナビゲーション」ですから、かれこれ12年ほどの間は空と無縁の生活を送っておりました。
 ところが数年前からFB友達がドローンによる空撮画像を頻繁に投稿しているのを見かけるようになりました。最初はただ行ったこともないような観光地の映像を俯瞰的に見ることが出来て良いな程度にしか思っておりませんでした。
 そうこうしている内にやはり自分でやってみたいという衝動に駆られるようになってしまいました。やはり少年の憧れは捨てがたしということでしょうか。自分自身は飛べないものの飛行体の視点に立てば自分が飛んでいるような気分に浸ることがでそうな気がしてきたのです。

 本格的な空撮をするには、それ相応の性能を持ったドローンが必要になります。しかし、先ずは操縦技術を身に付けなくてはなりませんので、いわゆるToy-ドローンというものを入手しました。1万円を切る価格の割にはカメラも搭載しており、簡易なFPV飛行も楽しめるようです。





 さっそく飛ばしてみますと、意外に簡単に飛ばすことができました。最初はラジコンヘリコプターをイメージしていたので、操縦が難しいのではないかと思っていたのですが、ワンタッチキーで離陸してホバリングができ、更にワンタッチで着陸もできるようになっております。
 プロポのスティックで上下移動、前後左右移動、回転操作など思いのままにドローンを操ることができます。

 チャンとした空撮画像が撮れるようになるには相当の操縦技術が必要なようですので、先ずはこのドローンで基本的な操縦技術を身に付けたいと思っております。
 最初の課題は離れた4地点への離着陸を含む移動のトレーニングです。それから180°、360°ターン、S字、8の字など何となく昔やったエアワークトレーニングを思い出します。最初は室内の無風で練習し、最終的には屋外の風の中での操縦技量を磨いていこうなんて思っております。

 色々とやることが多過ぎて困ったものです。


人間が咄嗟にとる行動について

2013-07-10 | 大空への憧れ
 人間がとっさの時にとる行動は、時としてより悪い事態を招くことがあります。この度のサンフランシスコで発生したアシアナ航空の事故でパイロットの操縦操作がそうだったのではないかと思います。
 専門家でもないものが何を言うかといったご批判もあろうかとは思いますが、飛行機好きの戯言としてお聞きくださればと思います。

 着陸時に規定より低高度かつ低速度というのは、最低最悪の状況です。何故そのような事態に陥ってしまったかは、今後の調査を待つしかありませんが、そのような状況でパイロットが取りうる操作は、パワーを入れて、決して機首上げをせず、運を天に任せること位しかないと思います。

 何と非常識なことを言っているのかと訝しく思われるでしょう。高度が下がっているのだから操縦桿を引いて機首上げをすべきだと思われることでしょう。事実ネット上でもっと早く機首を上げるべきだったといった指摘が散見されます。

 しかし、エアスピードが下がっているのに機首上げ操作を行うことは、更なるエアスピードの低下を招き、最悪の場合には失速に陥ってしまいます。今回の事故でもパワーを入れて数秒後に失速警報が鳴動したと報道されております。(何故そのようになるのか興味がある方は、「操縦訓練記(9)-学んだことと今後の課題」 をご参照下さい。)

 しかし、地上が間近に迫ると頭では理解していても本能的に操縦桿を引いてしまいます。もし私がそういった状況に直面したら、果たして操縦桿を引かずにいられるでしょうか。全くもって自信がありません。エアラインのパイロットはそのような訓練を十二分に受けていても、やはり操縦桿を引いて(ないしは維持して)しまったのです。

 もし、パイロットがパワーを入れると同時に操縦桿をいくらかでも戻していたらグライドパスか改善した可能性があるのではないかと考えます。岸壁に尾部が激突していると言うことはメインギアがある主翼は地上にあった訳です。ほんの数メートル前に行くことが出来れば、そしてフレアのような機首上げ姿勢でなかったとしたら、滑走路外ではあるけれどもギリギリ着陸できた可能性があるのではないかとも考えられます。

 このように飛行機の操縦は、一般常識からかけ離れています。だからこそ、咄嗟の時に正しい行動ができないと言えるのでしょう。人間がとる本能的・反射的行動を抑制して正しい操作を行わせるのは理性と正しい知識と訓練の積み重ねしかないのではないかと思います。

 それにしてもNTSBの情報発表は迅速ですね。日本の場合には、警察が入り犯罪捜査といった側面がありますので、情報がなかなか公表されませんし、当事者の証言も自分に不利な事柄については口が堅くなってしまいます。「取調べの可視化について」でも書いておりますように、被害者感情を抜きにして言えば、医療過誤や航空・船舶・鉄道事故など公共性が高い場合については、当事者を免責にしたうえで、真相究明及び再発防止を図った方が犯罪者をあら捜しするより社会的意義が高いのではないかと考えます。


ボーイング787型機のトラブル多発について

2013-01-17 | 大空への憧れ

 このところ787型機のトラブルが多発しております。工業製品の故障発生率は時間の経過と共にバスタブ曲線を描くと言われております。故障発生率が高くなるのは、初期不良と経年劣化が主要因であることを表しております。これはあくまで、学問的、一般的なお話であります。

 ところが、ANAが「新型機には初期不良はつきもので、運航しながら改善し、B787を成長させていく。」とコメントしているようです。車中のラジオで初めてこの発言を聴いたとき、俄かに信じられませんでした。後でネットで調べてみると、同様の報道記事が掲載されていましたので、どうやら事実のようです。運行会社であるANAとしては、口が裂けても言ってはならぬことであると考えます。初期不良がつきものあることは、それは確かに事実でしょう。しかし、この発言の裏を返せば、当社としては初期不良が発生することは認識、あるいは承知の上で運行させていましたと言うことになります。即ち、乗客乗員を危険にさらしてでも、運行を継続し、トラブルを発生させることによってトラブルシューティングしていくということになります。極端な言い方をすれば、乗客乗員はモルモットのような扱いを受けていたということにもなります。

 さて、専門家の間から色々な問題点が指摘されております。中には行き過ぎた電気・電子制御への移行が最大要因であり、設計ミス等の重大な原因が内在するのではないかとの主張もあります。これは、従来は油圧を主体とした制御システムが主流であり、これを一気に電気・電子制御に置き換えたことによる構造的問題だといったことかと思われます。要は、油圧制御は枯れた技術であるから何ら問題なかったのに、何故に新しい技術を持ってきたのかといったことでしょう。しかし、電気・電子制御にもこれはこれで歴史がありますし、色々なところで採用されております。身近な例では自動車の電子制御などがありますし、宇宙船の技術にも利用されております。また、飛行機のコントロールなどに関する重要なシステムは、二重三重のシステムで構成されるなど、フェールセーフに対する考慮もなされているものと考えます。従いまして、油圧であろうが電気・電子制御であれ、こと安全性に関しては大きく異なることはないものと考えます。

 では何故問題が発生するかということになりますが、飛行機でも原発でも同様ですが、システムの強靭性は、最も脆弱な部分に依存するということなのではないかと考えます。システムの重要な部分は、当然のことながら多くの検討が加えられ強化が図られます。しかしながら、余り重要ではないと考えられる要素については、前者ほどの考慮や対策が取られることはありません。ですから、この部分がシステムのウイークポイントともいえます。このトラブルが局所的なものに留まれば良いのですが、システム全体に影響を及ぼせば壊滅的な結果となってしまいます。

 昨日の事故は、直接的にはバッテリーが焼損したもののようですが、その原因はバッテリーそのものにあるのか、あるいは周辺機器にあるのか原因究明が待たれるところです。私の直感としては、バッテリー本体と言うよりも、その周辺機器に問題があるのではないかと考えます。と言うのは、バッテリー本体については、性能評価試験や生産管理等々が厳格に行われているものと考えます。ただ、充電器等々の周辺機器に関しては、単体ではかなり厳格に試験されているとは思いますが、実運用で起こりうるあらゆる要因を想定することは不可能であると考えます。特に充電器を制御するソフトウエアなどが要因として最も疑わしいのではないかと思っております。(あくまでも私の勘ですから、開発者の方々は気分を害しないでください。それくらい難しい仕事であるということを言いたかったのです。私も制御機器や制御プログラムの開発に従事しておりましたので、その辺りの事情は理解しているつもりです。)

 ともあれ、早期の原因究明と安全運行を願うばかりです。


スティックアンドラダー

2012-07-14 | 大空への憧れ
 ボルフガング・ランゲビーシュ著、小路浩史訳「スティック アンド ラダー」プレアデス出版

 「大空への憧れ(1)」、「操縦訓練記(8)-タッチアンドゴー-その3」でもご紹介しておりますように、飛行機操縦のバイブルというだけあって本当に素晴らしい本です。絶版(?)になっているようで、なかなか入手が困難でしょうが、飛行機操縦に興味がある方には是非ともお勧めしたい一冊です。

 ご参考までに原書情報は次の通りとなっております。
"STICK and RUDDER, An Explanation of the Art of Flying" ,WOLFGANG LANGEWIESCHE,McGraw-Hill

 これらの書籍もお勧めです。⇒「飛行機の操縦






白内障その後

2011-11-14 | 大空への憧れ

 現在、白内障は左眼だけですが、眼科で治療を受けております。私の場合どちらかというと白濁が中心部付近にあるそうで、明るい場所で瞳孔が小さくなったときに影響が大きくなるとのことです。また、白濁の進行については個人差があるが、概ね5~10年程度とのことでした。これは失明に近い状態ということでしょうから、視力への影響はもっと早く発現するのではないかと思われます。一旦白濁が始まると元に戻すことは不可能ということですので、白内障の進行を遅らせるという点眼薬を処方してもらっております。

 最近こころなしか、パソコン作業中やふとした時に見え難く感じることがあります。疲れ眼なのかも知れませんが、特に左眼に現れますので若干気になっております。白内障との関連性があるかどうか不明ですが、起床直後は特に強く現れます。まるで霧がかかっているような感じです。

 老化現象ですので仕方ないといえば仕方ないことですが、大空への夢へ近づくと、それを拒絶するかの如く障害が現れてきます。空へ近づくなという警告なのか、そもそもこういう運命なのでしょうか。今回ばかりは、少々凹んでしまいました。

 人工水晶体に取り替えれば、視力は回復するとのことですので、あまり気に病むことは無いのでしょうが・・・。


佐賀インターナショナルバルーンフェスタ

2011-11-02 | 大空への憧れ

今年も始まりました。生憎の曇り空ですが、窓から数機のバルーンが見えております。カラフルなバルーンが浮かんでいる姿はいかにも優雅に思えます。

 私は残念ながらまだ搭乗したことはありませんので、想像でしかありませんが、バルーンの飛行は静寂そのものだと思います。時折噴射されるバーナーの音以外は、搭乗している人の会話、無線通信、鳥の鳴き声くらいでしょうか。

 今までの飛行経験からすると静寂は危険信号です。特にグライダーにおいて、相対風を感じないことは失速を意味します。軽飛行機でも静寂は、エンジンストップですからこれも緊急事態です。

 一度バルーンに乗って、この静寂な世界を体験したいものです。

 今年の画像はまだありませんので、過去のものですが・・・。今年のが撮れたら後日差替えたいと思います。

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久々のナビゲーション

2011-10-06 | 大空への憧れ

 仕事の都合で訓練期間が1ケ月以上空いてしまいました。しかもナビゲーションは半年振りです。本日のルートは、佐賀空港(RJFS)~鹿島~加唐島~壱岐空港(RJDB)、壱岐空港でタッチアンドゴー(TGL)を2回、壱岐空港(RJDB)~加唐島~鹿島~佐賀空港(RJFS)でナビゲーションログを作成しております。往復106NM、1時間9分の予定です。

 久々の割には、あまり緊張することもなくできたと思います。風も穏やかで、上空の気流も比較的安定していました。ただ、ガスがかかったように視程が今一で、山並みなどがクリアに見えませんので、より計器に頼ったフライトになりました。ヘディングと高度がふらつくのは、何時もの通りです。ETAの計算などで、チョット注意が散漫になると直ぐずれてしまいます。

 壱岐空港は今回で3回目です。洋上には目標物がないので、コース取りが難しいのですが、ヤット慣れてきたのかなといった感じです。

 帰りのルート途上で、教官からルートチェンジの指示がありました。八幡岳からダイレクト佐賀空港のルートを引く間は、教官に握ってもらいました。本来ならば、自分で握りながら実行しなければなりません。今後の課題が多く残されております。一つずつ潰していくしかないのでしょうが、こちらを潰せば、あちらがといったモグラ叩き状態です。もっと詰めて訓練できれば良いのですが・・・。

現在までフライト回数117回、着陸回数467回、総飛行時間102時間20分となりました。
(内、ソロの飛行時間6時間30分、着陸回数29回)


大空への憧れ

2011-09-02 | 大空への憧れ
 私が操縦訓練をしていることで誤解を与えている点が見受けられますので、この際私の思いの丈を述べさせていただきたいと思います。この記事で余計に誤解を与える結果となってしまっても致し方ないと思っております。

 「大空への憧れ(1) 」で書いておりますように、パイロットになるのが小さい時からの夢でした。小学2、3年の頃かと思いますが、夏休みに農作業の手伝いに駆り出されていたとき、真夏の空に一機の飛行機が飛んで行きました。それを田んぼから時間の経つのを忘れてジット見上げておりました。「なんば、しょっとか! はよせんか!」と祖父から叱られてもジット見上げておりました。

 余談ですが、私の祖父の父は筑後一の怒り爺といわれるくらい瞬間湯沸し器だったそうです。私は、その被害に遭ったことは無いのですが、祖父も勝るとも劣らない怒り爺さんでした。私を直接知っていらっしゃる方の中には、直情径行な性格をご存知あるいは、その被害に遭われた方がいらっしゃることでしょう。きっと私もその血を濃く受け継いでいるのではないかと思います。

 筑後地方の片田舎ですから、パイロットにどうすればなれるのかといった智恵があるはずもなく、祖父は「百姓の子に学問はいらん。」といった頑固者です。ハムの免許を取った時のエピソードは「アマチュア無線」でご紹介した通りです。

 親に隠れ「パイロットになるには」などといった本を読んだり、どこで手に入れたか忘れましたが自衛隊のパンフレットを読んだりして密かに憧れを抱き続けてきたのでした。

 しかし、忘れもしない高校2年の夏休みです。視力が両眼とも0.7に落ちてしまったのです。その春の健康診断の時には、両眼とも2.0だったのに・・・。この時の挫折は未だに癒えていないのかも知れません。学校での生活態度も結構すさんでいたようにも思います。その秋にはいきなり一度もやったことが無かった柔道部へ入部するなど今から思えば自分の行動が支離滅裂になっていたようです。柔道部に入ったのは単に同じクラスの旧友が柔道部のキャプテンをしていたといった理由しか今は思いつきません。

 その後は紆余曲折があり、現在に至っているとしか書きようがありません。この辺りの事情は「ティータイム」くだくだと書いておりますので、お暇な方はお読みいただければと存じます。

 では何故、操縦訓練を書くようになったかということです。自慢や見栄で書いていると誤解されても致し方ないと思います。しかし、本当の目的は小さい時から憧れていたことに諦めずに歳をとってもチャレンジしていることを伝えたかったからに他ありません。操縦訓練に関する書籍も色々と出ておりますので、ある程度の知識は得られると思います。しかし、Webで訓練記を書くことで、訓練のリアルな様子をお伝へし、一人でも多くの方に空の魅力を知っていただければと考えたからです。

 飛行機で遊んでいることが贅沢だといったご指摘をいただきました。そして省エネやっている奴が、ガソリンを浪費しているのは矛盾しているではないかというご指摘もいただきました。確かにご指摘の通りだと思いますし、反論しようとも思いません。

 ただ、ご理解いただきたいのは、私の長年の夢であったという、この一点です。

 さて、今まで書いてこなかったのですが、一体訓練費用はいくら位かかるかという点です。海外でライセンスを取る手もあります。この辺りの事情は「大空への憧れ(2)-訓練校の検討 」で書いております。

 国内訓練では、訓練校によって異なりますが、私が訓練している「エス・ジー・シー佐賀航空」では、時間単位で訓練が可能です。またチケット制度もあり、5時間単位で前払いすれば割引があります。時間単価も訓練校によって異なると思いますが、概ね4~5万円だと思います。訓練時間も個人差があります。佐賀航空での最短記録は70時間ほどということです。私の場合は、とろいので既に100時間を超えておりますが、未だにライセンス取得に至っておりません。平均的には100時間前後かと思いますが、そうすると4~5百万円位はかかるのではないかと思います。私の場合には、既に4年目に入っておりますので、年平均130万円程度ということになります。

 ライセンスを取得された方々をライセンサーと呼んでおりますが、それこそ多くの職業の方々がいらっしゃいます。いわゆる金持ちといわれる方々もいらっしゃいますが、会社員、公務員、個人営業者といった職業の方々も大勢いらっしゃいます。年齢層も20~70代(もしかしたら80代もいらっしゃるかも知れませんが・・・)、もちろん女性ライセンサーもいらっしゃいます。皆さん、自分のライフスタイルに応じて大空を楽しんでおられます。今や空は憧れの存在ではなく、すぐにも手が届く身近なものになっているのです。

「初フライトを終えて」




1ヵ月振りの操縦訓練でした

2011-09-01 | 大空への憧れ

 航空身体検査で色々とあったお陰で、操縦練習許可書の到着が遅れたことか、その他あれこれで、ほぼ1ヵ月振りの訓練になりました。

 台風の影響かも知れませんが朝から結構な強風が吹いておりました。視程も余り良くなく、訓練間隔も空いているので、タッチアンドゴー(TGL)を軽くということになりました。

 RWY-11で風は040~060/11~12kt。ウイングローの練習にもってこいです。風が段々強くなり、2回目のTGLの時には15kt位になってしまいました。右ラダーを一杯踏んでやっと機軸をセンターにアラインできるくらいでした。

 それにしても夏場のTGL訓練は辛いものがあります。管制塔からの気温情報では32℃でしたが、エプロン上は照り返しなどでもっと高温となっていることでしょう。機内は蒸し風呂状態です。離陸してもトラフィックを廻るだけですから800フィートです。地上とさして気温は変わりません。訓練が終わる頃は、汗が滴るほどです。

 ということで、帰宅後に一仕事片付けてブログを書いております。さて、これから夕方からの仕事の準備にかかります。訓練の日くらいはゆっくりしたいものです。


白内障と航空身体検査

2011-08-05 | 大空への憧れ

 4枚目の航空機操縦練習許可書のため航空身体検査を受けてきました。ところが視野検査に引っかかり専門医の診断を受けてくるように指示されました。眼圧も高くなってきていることから緑内障を疑われたものと思われます。

 翌日医師の紹介状を持って眼科で診察を受けてきました。緑内障は無く視野検査も基準値をみたしており問題ありませんでしたが、白内障と言い渡されてしまいました。

 航空身体検査マニュアルによれば「白内障について、視機能が基準を満たす場合は、適合とする。」とあります。更に「白内障術後の者であって眼内レンズ(人工水晶体)又はコンタクトレンズにより視機能が基準を満たし、手術後3ヶ月以上の観察期間を経て経過良好であると認められる者が、国土交通大臣の判定を受けようとする場合は、臨床経過の所見、手術記録やその他の治療内容を含む臨床経過、両眼視機能検査等の検査結果を付して申請すること。」となっております。

 白内障であっても視機能が基準を満たせばOKだし、将来視力が低下し、手術によって人工水晶体にした場合でも国土交通大臣の判定を受ける道があるように読み取れます。

 現在のところ視力等々は基準を満たしておりますが、視力の低下は時間の問題です。時限爆弾を抱えているようなもので、このまま漫然と操縦訓練を続けていても良いものかと思ってしまいます。

 先述の国土交通大臣の判定というものが如何なるものなのかが気になります。先輩パイロット諸氏でこの大臣判定をクリアした方、あるいは何らかの情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら是非ともご教示いただけないものでしょうか?