山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

佐賀弁・筑後弁お国言葉比較考(12)

2013-04-23 | うんちく・小ネタ

 以前ニワトリを飼っていたころ、「さくずばやっとって」と言われたことがありました。「さくず???」と全く何を指すものやら分かりません。「さくずも知らんとね。米ば剥いだとき出てくっとたい。」と言われて「あぁ、モミガラのことか!」と思ったものの、ニワトリが籾殻を食べるとは思えません。よくよく聞いてみると「米ぬか」のことでありました。当地では精米することを「米を剥ぐ」と言うようです。私としては「米を剥ぐ」というのは籾殻を剥ぐ(籾摺り)といった感覚でしたので、未だにしっくりと来ません。

 筑後弁で「米ぬか」のことを何と言っていたか思い出せません。確か「てのこ」ではなかったかなとは思うのですが、全く自信がありません。どちら様か教えていただければ幸いです。

 以前の計画では、「豊かさって何だろう」で書いておりますように、老後は自家製の餌でニワトリを平飼いし、循環型の農業で自給自足的な生活を送りたいなと漠然と思い描いておりました。しかし、現実には予定より早く百姓をしなければならなくなりました。おまけに、鳥インフルエンザの関係でニワトリを飼い難い雰囲気がありますので計画通りには行きそうにありません。


TPPについて(15)-農業への参入障壁とは?

2013-04-15 | 農業

 新規就農に対する参入障壁が高いと言われております。農作業は重労働です。しかも農業で食っていくのは至難の業であろうと思われます。そういった意味での参入障壁であれば、それはよく理解できます。しかし、世間で言われている参入障壁とはどうも違うようです。

 試しに「農業 参入障壁」で検索してみますと、どうも農地取得が困難であることを指しているようです。「農業を始める為の農地が取得できないから新規参入が出来ない。」といった主張が大半を占めているようです。即ち、農地法の規制がある故に新規参入者が事実上農地を所有できない。従って、農地法を改正し、営利企業も含めて農地所有を認めるべきであるといった主張に繋がります。

 果たして、農業を始めるにあたって農地を所有する必要性がどれほどあるのでしょうか。「TPPについて(14)-農業への新規参入の難しさ」でも書いておりますが、新規就農者の約65%は農地の借入れだということです。農業に限らず、他のビジネスを開始するにあたって、初期投資を極力抑えて、できるだけ運転資金に廻したいと考えるのは至極合理的です。余程の資金的余裕が無い限り、固定資産を購入するといったことはないでしょう。店舗・事務所は賃貸、その他什器類はリースやレンタルできるものは購入しないといったことになると思います。農業を始めるには、農地だけでなく住宅、倉庫、農業機械、その他諸々が必要になります。そして、とてもではありませんが収益性が高いとは言い難いものがあります。それが分かっていて、誰が農地を購入してまで参入したいと思うでしょうか?

 仮に、営利企業が農地の所有が可能になったとした場合でも、新規参入にあたって農地を購入するでしょうか。経済合理性からいっても農地の購入はリスクが高いと考えるのではないでしょうか。ましてや購入した農地が農地としてしか転売できないといった縛りがあれば尚更であると考えます。現実の農地法では、営利企業が先般の改正により農地の借入れが出来るようになりました。従って、農地が確保ができないことが参入障壁となっているとは言い難いように思います。

 むしろ新規就農して継続して営農を続けられるかといったことが問題ではないのかと考えます。これは何も農業に限らず、他の産業分野の新規参入でも同様に起こりうることです。例えば、行政書士の新規開業では3年で半数くらいは廃業してしまっているのではないでしょうか。これに比べれば、農業の場合には5年で2~3割程度の離農ということですので、まだ健闘しているともいえるのではないでしょうか。

 農業への新規参入に関しては、農地の借入れは比較的簡単にできます。しかも、皆さんがお考えになっているより遥かに安価に借りることができますし、自治体等が斡旋していることもあります。また、新規就農者向けの融資も用意されております。

 できないできないと農地法を槍玉に挙げるより、実際に調べて行動してみては如何でしょうか。農業に限らず、新規にビジネスを立ち上げるのは大変なことです。規制緩和すれば何事も上手く運ぶようになると考えるのは幻想だと思います。規制があるから出来ないのではなく、規制を前提としてどのようにしたら出来るようになるかといった工夫をすることが大切なことであると思っております。規制緩和を求めるのは、その工夫の一つにしか過ぎません。

 そして就農者からしてみれば農業問題という問題は存在しないように思います。単純に農家という環境の中で一所懸命に生きているという実態があるだけです。いわゆる農業問題というものは、就農者以外の方々と農家との間にある問題であろうかと思います。いわゆる農業問題を議論することは必要なことですが、批判する対象の知識が余りにも不足していたり、思い込みが激しかったりする議論を見聞きすることがあります。「百聞は一見にしかず」と申します。農業を知るには農業を体験してみるのが一番です。その上で、大いに実りのある議論をしていただきたいものです。


TPPについて(14)-農業への新規参入の難しさ

2013-04-11 | 農業

 農業への新規参入障壁が主張されております。その中でも農地取得の困難さが挙げられております。「新規就農者(新規参入者)の就農実態に関する調査結果」によれば、新規参入者が就農時に苦労したことの1位が「農地の確保」(57%)で、2位が「資金の確保」(47%)となっております。そして、実際に就農したときの農地確保方法は、借入が65%、購入が15%となっており、圧倒的に借入れが多くなっております。これは農地法の問題で農地取得が困難なこともあるでしょうが、新規参入者が就農時に苦労したことの第2位の「資金の確保」(47%)といったことに起因している可能性もあります。農地は農業にとって必要不可欠なものです。その農地の確保が最大の課題ということは、参入障壁と言われても仕方のないことでしょう。また、この資料には就農以前に参入を断念した方々の情報は含まれておりません。この方々にとっても農地取得の困難さが最大の参入障壁となったのではないかということも想像に難くありません。ただ、農地取得の困難さが農地法によるとものと即断することはできません。一般的には、農地を購入するほどの資金を用意して参入することは少ないとみるべきであろうと思われるからです。

 新規就農後の状況については、「農業所得で生計が成り立っている割合が39%、農業所得で生計が成り立っていない割合が60%」といった数字となっております。また、「農業所得で生計が成り立つ目処をみると、「今後、目処が立ちそう」が56%(目処が立つのは平均2.8 年後)。一方、「いつ目処が立つか見当がつかない」が42%」となっております。これは、新規参入後、現在も就農している方々の数字です。従いまして、離農した方々の数字は含まれておりません。「農業の担い手の現状と課題」によれば、「新規参入者の2~3割は5年以内に離農」しているというのが現実のようです。

 このように新規参入に対して参入障壁が高く、就農したらしたでなかなか生活の目処が立たないといったことでは、ますますなり手が減少するのではないかと危惧されます。

 さて、農業所得で生計が成り立っている方々の平均農産物売上高が約800万円(除く北海道)となっております。とりあえず成功した方々の平均売上が800万円程度ということですので、とても給与所得者の平均給与に及びません。しかも3Kの長時間労働を強いられた結果です。高い志がなければ、なかなか続けられるようには思えません。

 就農時の平均農地面積が約86a(北海道を除く)ですから、とりあえず農業所得で生計を成り立たせるためには10a当り100万円程度の売上が必要ということです。これは米作では実現できない数字です。従って、施設園芸等の集約化農業でなければ実現できないものと考えられます。逆にいえば、集約化農業でなければ農業所得では生計が成立たないことを意味します。

 一方で、農業の大規模化が叫ばれております。農地を集積して諸外国並みに大規模化することにより生産コストを引下げようといった試みですが、「TPPについて(3)-経営規模拡大で対抗できるか?」や「TPPについて(12)-朝日新聞社説にいう農地の集約化とは」で述べておりますが、これはこれで実現するには一部の地域を除いて大変困難なことであろうと考えます。

 新規参入者に関する先の資料が示すとおり、個人レベルでは小規模・集約化した農業が一つの道でないかと思っております。しかし、規模を拡大するには資金的な制約が伴います。それではということで、農業生産法人や一般企業による大規模集約化した農業を目指すといった方向性もあろうかと思います。これについては、「企業等の農業参入について(農林水産省)」のように既に取組みが始まっております。5年後、10年後どのようになっているかを見極める必要があるように思います。

 何れにしても「TPPについて(2)」で述べておりますように三極分化が進むのではないかと考える次第です。私は、これが良くて、これは悪いといっている心算はありません。必要なものは残るべくして残るということかと思っております。


佐賀弁・筑後弁お国言葉比較考(11)

2013-04-08 | うんちく・小ネタ

 佐賀で学生生活をおくっていた時に耳にした言葉で「やぐらしか」というのがありました。時には「やぐらしっ!」といった言い方もしてました。どうも面倒くさいときに出てくるようです。

 筑後弁では「せからしか(しぇからしか)」とか「しゃーしか」といった言葉が該当します。「せからしか」は、佐賀弁でもよく使われておりますし、九州の広い地域で使われているように思います。「せからしか」は、「急からしい」から来ているということらしいのですが、面倒くさい、煩わしいの他、いろいろな意味で用いられるように思います。例えば、つまらない駄洒落を言われたら「せからしか」と軽くいなす時にも用いられたりします。言い方次第で強い嫌悪を示すこともありますし、軽く受け流すような時にも使用できる便利な言葉だと思います。

 「やぐらしか」の語源等々は不明ですが、そもそもは長崎弁のようです。そう言えば、この言葉を使っていた方の出身地は佐賀県でも西部の武雄市周辺でした。そもそも地域的に長崎が近いからなのか、それとも佐賀藩が長崎警護にあたっていたことと何らかの関わりががあるのではないかとも考えられます。


「微積分の根底をさぐる」

2013-04-02 | 本と雑誌

 「今度こそ納得する 物理・数学再入門」に触発されたという訳ではありませんが、今一度微積分を学びなおしてみようと思い、

 稲葉三男著「微積分の根底をさぐる」現代数学社

を購入しました。ざっと目を通してみただけですが、教養時代の微積分で苦労したε-δ論法など懐かしいと言うか、ほろ苦い思いが浮かんできました。ただ、当時とは違い課題も試験もなく、気楽に、じっくりと腰を据えて取組むことができるのではないかと思います。

  数学の書籍を読むとき感じることですが、論理的な厳密性を追求し過ぎ、私のような初学者にとっての障壁となっているのではないかと。厳密性の追求は大切なことであろうとは思いますが、読者が理解できなければ、それはあまり生産的なことでは無いように思います。(理解出来ない奴が悪いんだと言われれば、それはそれで仕方のないことですが・・・。)

 本書は、私のような数学のレベルが低いものでも何とか理解できるような配慮がなされております。先にあげたε-δ論法を例にとりますと、正直言って学生時代には「何でこんなことをしているんだろう?」といった疑問を拭えませんでした。それをこのアイデアが生まれてきた背景とともに記述されており、極限の図形的な意味を含めて、今やっと疑問が解消した思いがしております。