山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

時間帯別料金(ピークシフトプラン)と太陽光発電

2012-05-31 | 省エネ

 報道ではピークシフトプランを希望している世帯は、たったの100軒ほどとのことです。これでは何の意味もありません。このプランの最大の欠点は、基本料金が6KVA以下の場合を一律1,260円としたことでしょう。これは単身世帯や共働き世帯は、ピークシフトに有効に寄与しないことから、これらの世帯を排除するための方策だからでしょう。元来、このプランの目的は、昼間に電力を使う世帯に対してピーク時間帯の電力使用抑制を狙ったものですので、当たり前といえば当たり前の結果と言えるでしょう。

 せっかく東電さんや関電さんが提供してくれたプランですから、もっと活用することを考えてみましょう。一番先に思いつくのが、太陽光発電とセットにすることでしょうか。今までは、オール電化にしなければ時間帯別料金プランを選択できなかったのですが、今後これが可能となります。

 特に、家庭用太陽光発電の全量買取が見送られたのですから、少しでも電気料金を安くあげることによって、投資回収を早めることを考えてみては如何でしょうか。

 この料金プランの時間帯は、太陽光発電の時間帯に重なる訳ですから、需要によっては買電になることもあるでしょうが余剰電力があれば売電できることになります。

 また、家庭用コージェネレーションの導入も考えられますが、夏場にはそんなに廃熱の活用(給湯、床暖など)ができないので、エネルギー効率が低下してしまいます。それにしてもピークシフトプランの単価設定が上手くできてますね。エコウイルへ大挙して移行してしまわないような配慮がなされているのでしょうか。

 家庭用蓄電池の導入もありそうですが、まだまだ高額なのが欠点です。

 一番費用が掛らない方法でこの料金プランで得をするには、ひたすら我慢の節電をすることです。我慢の節電を「バカな節電」と揶揄されていた方がいらっしゃいました。昨夏の節電要請を受けて、熱中症で亡くなった方が出たといった文脈の中での「バカな節電」といった発言でした。この発言を聞いて、この人ってどういう人なんだろうと思ってしまいました。確かに行き過ぎた節電をした結果、不幸なことが起こってしまったのです。それを「バカな節電」と言う神経を疑ってしまいます。尤も、ご本人も言った瞬間しまったという表情をされておりましたが・・・。

 たとえ「バカな節電」であっても、強制的に押し付けられたのであればいざ知らず、自発的意思で我慢することに対して色々といわれる筋合いはないように思います。その対極にあるのが「賢い節電」だそうですが、そんなに賢い方法があるのなら、そもそも電力不足なぞ議論する必要もないのではないでしょうか。

 更には、某テレビ番組の司会者がピーク時間帯の前にギンギンに冷やしておいて、ピーク時間帯にエアコンを切るようにしたら良いなどといった非現実的な方法を述べるなど、変な方向へ走ってしまう方々も出てきそうです。

 そもそも私が小さい頃は、エアコンなどといったものは無かったのです。今や学校の教室にエアコンが入っている時代です。建物の構造が変わり、気密性が高くなりエアコンは必要不可欠であるといったこともあるでしょう。しかし、昔も鉄筋コンクリートの校舎もありましたが、教室にはエアコンは設置されていませんでした。夏休みの補習、それも南側の窓で太陽光を浴びながら授業を受けた記憶があります。近年、学力低下が叫ばれております。エアコンの入った教室の良好な環境の下で、恵まれた教育を受けているにも関わらず、学力が低下するといった現象は何なのでしょうか。ゆとり教育のせいにばかりはしておけないように思います。何か本質的なところで変質してしまっているのではないかと思います。

 我が家は、昔ながらの日本家屋です。隙間風が入り込んでくるくらいに気密性がありません。今年の夏はピーク時間帯には、窓を全開にして冷房無にチャレンジしてみようと思います。

 ただ、やせ我慢はせずに、智恵は使っていきたいとは思っております。こういうのを「賢い節電」と言ってもらいたいと思うのですが・・・。

<2013/02/24 追記> 

 私はいわゆる「馬鹿な節電」をやっているようです。「馬鹿な節電」といわれている節電に関しては、「ケチ電のどこが悪い!?」をご参照いただければと存じます。


「電子ブレーカー(節電ブレーカー)」を導入する前に

2012-05-30 | 省エネ

 節電のため「節電ブレーカー」と称して「電子ブレーカー」を販売している業者がいるようです。「電子ブレーカーについて」で書いておりますが「電子ブレーカー」では節電できません。

 もし現在、「電子ブレーカー(節電ブレーカー)」の導入を検討されているようでしたら契約する前に是非ご一読いただきたいと考え、当事務所のWebサイトに「電子ブレーカー(節電ブレーカー)を導入する前に」をアップしました。

 このような記事では何時も書くことですが、「電子ブレーカー」が悪いといっているのではありません。ごく一部の業者によってトラブルが発生している事実を指摘しているのであって、他意のないことを理解していただきたいと思います。

 


「この夏は集めて読書ホタルの灯」

2012-05-29 | 川柳

 久々の省エネ川柳です。今年も節電の夏になります。昼間のピーク時間帯だけかと思いきや、揚水発電のためにピーク時間帯以外でも節電する必要があるとのことです。一日中節電するとなると本当の意味での省エネ対策が求められます。

 久し振りに蛍見物に行って参りました。小城市の蛍の名所と言えば祇園川ですが、私の家から歩いて5分ほどのところを流れる晴気川も勝るとも劣らぬ(?)の蛍の名所です。蛍の乱舞を見るにつけ、夏の訪れが近いことを感じます。

 蛍雪の功とは苦学のたとえですが、節電の暗い中で中国の故事にあずかるのもまた一興かも知れません。電力不足という困難に直面し、これを乗り越える英知が生まれてこそ、原発に頼らない社会を創造することができるのではないでしょうか。感情的な原発廃止論から生まれてくるものは少ないように思います。

 ところで、昔は暗いところで読書すると目が悪くなるよと言われておりました。これって医学的根拠があるのでしょうか。私の場合、明るいところで読書していても近視になってしまいました。古の日本人も暗い行灯などで読書をしていたならば、目の悪い人が大量発生していたはずです。また、アフリカに暮らす人達は物凄く視力が良いそうです。私には彼らが明るいところで生活しているとは思えません。思うに遠くを見ないで生活したことが近視に繋がったのであって、明るさは関係ないのではないかと思っている次第です。

 明るいところで読書するという習慣は、もしかしたら照明器具メーカーと電力会社の策略ではなかったかと邪推してしまいます。現在でも照明設備の設計に際しては、基準よりかなり明るめな設計がなされているはずです。この設計基準を含めて見直しが必要になってくるのではないかと思います。

 蛍見物から思わぬ話題に展開してしまいましたが、節電の夏を前にして、思い浮かぶままに書き連ねてしまいました。


無農薬野菜と直売所

2012-05-25 | 農業

 農産物直売所は地元で採れた農産物を途中の流通を省略して直接消費者に販売することにより、生産者と消費者を直接繋ぎ、新鮮な農産物を適切な価格で売買できることができ、双方にとってメリットがあるとされております。

 私は兼業農家(超零細)として、米(今年は減反で作付けゼロ)と野菜を作っております。野菜は「農業ことはじめ」で書いておりますように自家消費を基本としておりますが、多く採れることがありますので、それを直売所(ほたるの郷)に出荷しております。自家消費が中心ですので、化学肥料は用いませんし、見てくれはどうでも良いので無農薬です。目指すは「自然農法」ですが、現在はその移行期で自家製堆肥などの有機肥料は用いております。

 当然のこととして、直売所では有機・無農薬の表示はしておりません。化学肥料や農薬を用いた農産物と同じ価格設定をしております。自分が食べてみて美味しかったもの、そして安心・安全なものを普通に買っていただければ、それで充分に満足です。それは、私のような俄か百姓が自己満足で作っているもので、損得でやっているものでは無いからに他なりません。

 有機栽培や無農薬栽培と表示するためには、JAS法による規制があり、これを表示するためには認証機関の検査を受ける必要があります。しかも、毎年この検査を受ける必要があります。勿論のこと検査費用(10万円程度)が発生します。零細農家がたとえ有機・無農薬栽培を行っていたとしても、有機・無農薬栽培と表示することはできません。有機・無農薬と表示しても価格が10倍、20倍になるわけではありませんので、毎年発生する検査費用を賄うためにはそれなりの規模が必要です。

 有機・無農薬栽培と表示することによって付加価値が高くなるから、検査費用を負担するのは当たり前という、いわゆる受益者負担の考え方が根本にあるのでしょう。化学肥料や農薬を使用するのが常態化している中で、有機・無農薬という特殊な栽培方法を採用しているから、そのような考え方になっているのでしょう。

 ここで少し見方を変えると、有機・無農薬栽培が常態化しているならば、化学肥料や農薬を使っている栽培が特殊な栽培法と言える訳で、この場合には「これこれの化学肥料や農薬を使用して栽培しております。」と表示すべきことになります。消費者にとってもどのような農薬が使われているかは重要な情報ではないでしょうか?

 歴史的に見ても近代農業以前は、有機・無農薬栽培であったはずです。化学肥料や農薬を大量に使用することにより、生産量向上、生産コスト低減が図られてきました。ですから、化学肥料名や農薬名を表示することの方が、むしろ合理的であるのかも知れません。しかし、有機・無農薬と表示するだけで高く売れるのであれば、不正表示が横行するのではないかという懸念もあります。ですから受益者負担の制度が作られてきたのかも知れません。ここでこのような議論をしても仕方ないと思いますが、もう少し表示について配慮があっても良いのではないかと思ったりします。

 このようなことをつらつら考えている時に行われた栽培講習会で次のようなクレームの例が報告されました。直売所で購入したキャベツの芯に虫が入っていたとのことです。このようなクレームが無いような栽培を心掛けてくださいとのことでした。私は、それに対して違和感を憶えてしまいました。それは、農薬を使うことを奨励しているということと理解したからです。私の農薬に関する考えは「農薬について」で述べている通りです。一時は直売所から脱退することも考えました。私の虫食いの葉ダイコンやラディッシュなども、そのような目で見られているのかなと思うと何となく情けなくなってしまいました。

 しかし、一方で虫食いを承知で買ってくださる方もいらっしゃるのです。理解していただける方々に購入していただければ、それはそれで出荷する価値があることかと思い直したところです。直売所は生産者の名前が表示されます。ニーズの無い商品は売れ残るだけの話です。そういった意味では、生産者の自己表現ができる場でもあるわけです。有機・無農薬栽培が常態化することを目指して日々頑張っていこうと思っております。


昼休みにエアコンを切った方がいいのか?

2012-05-24 | 省エネ

 省エネ・節電のために昼休みにエアコンを切ることが多いように思われます。常識的には、その方が節電になるように思われるでしょうが、電力不足の時にこれが果たして正しい行動といえるのか疑ってみる必要があります。



 「デマンド管理による省エネルギー」で指摘しておりますようにデマンドコントローラーでエアコンを自動制御している場合には、昼休みのエアコン停止は効果があります。しかし、それ以外の場合には、昼休み終了時のエアコンの一斉稼動によってピークを作る(同ページの棒グラフ参照)ことになります。このケースは極端な例かも知れませんが、他でも似たりよったりの状況が発生してしまうものと考えられます。



 これはエアコンを停止することにより、室内温度が上昇することに起因します。例えば、エアコンの設定温度を28℃に設定していたとします。この場合エアコンが運転されていれば、この設定温度に維持しようと動作(詳細は「エアコンの省エネルギー」をご参照ください。)します。エアコンを停止することによって、例えば室内温度が35℃まで上昇したとします。昼休み終了で、エアコンを運転しますと一気に28℃まで冷やそうと最大能力で動作することになります。これがピークを作る原因となります。ですから、少なくともピーク電力を抑制する観点から言えば、昼休みのエアコン停止は合理的とはいえないように考えます。




 




誤解を招きかねない節電方法に関する報道

2012-05-19 | 政治・経済・社会

 マスコミ等で報道されている節電の方法について、誤解を招きかねないものが散見されます。例えば、エアコンの設定温度を26℃から28℃に変更すると約10%、冷蔵庫の設定を「中」から「弱」にすれば約2%節電できるとかいったものです。これらの情報源は政府等からのものです。

 これらの手段で電力量(kWh)を削減することは可能です。しかしながら、この夏の対策として要求されていることは、ピーク電力(kW)を減らすことです。(参考 「電力と電力量」)

 この夏、九州電力では10%以上の節電が要請されております。その記事の隣にエアコンの設定温度を28℃に設定すれば10%節電できると書いてあれば、「なーんだ。それだけでいいのか。」といった誤解が生じてしまうのではないかと恐れます。(参考 「家庭における節電」)

 エアコンの設定温度の変更で省エネになります。しかしながら、ピークカットが確実にできるとは言えないところが問題を複雑にしてしまうところです。そもそも夏場のピーク電力の発生要因はエアコンが大きな部分を占めております。外気温が高くなるとエアコンもフルパワーで動作するようになります。ですから28℃に温度設定したとしてもフルパワーで連続運転するような状況に陥り易くなります。このようになると10%減は怪しくなってしまいます。だからといって、28℃への変更に意味がないと言っているのではありません。26℃よりも28℃にした方が、よりピークカットできる可能性が高くなるということです。

 冷蔵庫の場合にもエアコンと同様に考えることができます。ただ、冷蔵庫は保温能力が高いので、ドアを開けなければ省エネ効果≒ピークカット効果になります。そして、ピーク時間帯には出来るだけドアを開けないことと、冷えていないものをピーク時間帯の前に入れないことです。それから、ピーク時間帯以外で水を入れたペットボトルを凍らせておいて、ピーク時間帯に冷蔵庫に移すといった方法も効果があるものと考えます。九州では台風の被害で停電することが多く、台風の襲来前にはペットボトルを冷凍庫に入るだけ凍らせておきます。いざ停電という時には一部を冷蔵庫に移しますと丸一日位の停電は持ちこたえることができます。

 確実にピークカットできるのは、照明やテレビなどコンスタントに電力を消費するものです。特に、テレビは近年大型化が進んで消費電力の大きなものが普及してきました。マスコミはテレビを消しましょうとは積極的に言えないでしょうから・・・。放送局の皆さん、こんなことを書いたからといって、私をバッシングしないでくださいね。テレビ報道の重要性は認識しておりますし、緊急時の情報伝達手段としての必要性も重々認識しておりますので、くれぐれもよろしくお願い申し上げます。

 このように誤解を招きかねないような報道が見られましたので、一応記事を立ててみました。お役に立てば幸いです。

<参考>  「家庭でできる電力測定と省エネ活動」 「エアコンの省エネルギー」 「計画停電解消へ向けての提言


この夏の節電目標が決まりましたが

2012-05-18 | 政治・経済・社会

 昨年の節電目標は電力会社のデータに基づき決められたものでありましたが、この夏の場合は政府などでかなり揉み込んだものとなったようです。その結果、関西電力で15%以上、九州電力で10%以上の節電目標が定められました。関西電力で50%程度、九州電力で40%程度の原発依存度がありましたので、少々意外な結果に驚いております。

 しかし、これらの節電目標は相当に詰めた結果であろうと思われますし、電力融通を前提としたものでもあります。ある意味楽観的に見ているとも言えなくありません。再び想定外と言わないためには「この夏の電力需給見通しについて思うこと」で書いておりますように当初の電力会社の見通しをワーストケースとして想定しておいた方が良いと考えます。

 政府の目標通りに節電したが、想定外の事象が発生したので大停電してしまいました。あるいは急遽計画停電を実施することにしましたということにならないようにするためには、常にワーストケースを想定して対策をしておくことが必要です。今までの政府の危機管理に対するあり方を見ていると楽観論に傾いているというか、危機に対する想定が甘過ぎるように思われます。危機は一番弱いところを突いてきます。

 今回の対策でいえば、その弱点は自主的な節電と電力融通でしょう。自主的な節電に楽観論は禁物です。電力融通についても確実に融通できる保証はありませんし、融通する電力会社も大きな余裕があるわけではなく、管内の需要家にも節電が求められます。電力会社間の融通について法的枠組みを整備すべきであろうと考えます。

 大震災以降、政府の対策は後手後手に廻りっぱなしであることは否定できないと思います。今回の対策について、100%信頼することができません。

 


結局は電力使用制限令と計画停電ですか?!

2012-05-15 | 政治・経済・社会

 これって昨夏の対策と同じではないですか。「政府の電力不足対策は一体全体どうなっているのか?」で指摘していた通り、結局は需要家に節電を押し付けるだけのものになってしまいました。この一年間政府は何をやっていたのでしょうか?

 電力を供給する第一義的責任は電力会社にあります。と言いつつも電力政策は政府と電力会社が一体となって行ってきたものです。従って、政府は責任を免れられるものではありません。むしろ、この段階に至っては、政府の責任の方が重いと言わざるを得ません。

 ここで、"if”の話をしても始まらないのですが、大震災後の早い段階で原発の再稼動をどうするかを明確に政治決断をしていたら状況は大いに異なることとなったと考えられます。

 再稼動を不可と決断していたならば、各電力会社毎に不足する電力は明らかですから有効な対策を打ち出し、実行できていたことでしょう。原発を再稼動すると決断していたら、徹底的な原因究明と対策、そして国民に対する充分な説明をすることが出来ていたはずです。

 しかし、政府は原発再稼動に向けて動いておりましたが、結局再稼動には至っておりません。その原因は、中途半端な原因究明、中途半端な対策、そして中途半端な説明しかしてこなかった政府の責任であると言わざるを得ないでしょう。

 そして今、その結果は国民に押し付けられようとしております。節電を強いられる側は、多くの不便を被ります。事業者も節電をするために多額な出費を強いられます。これは誰が負担するのでしょうか。そして、節電による損害は誰が負担するのでしょうか。

 先に述べたように、その責任の多くは政府にあるのですから、損害賠償請求訴訟を起こされても仕方ないように思います。しかしながら、その損害賠償の原資は結局のところ税金なのです。政府は何ら腹を痛めることは無いわけです。この無責任体質が、この国をずるずると底なし沼の底に沈めることになるのではないでしょうか?

 このまま何らの改革も進まないとしたら、また来年の夏も同じことが繰り返されることでしょう。その頃までには、政権交代していることを望みます。しかし、その政権がまともであるという保証はどこにもありませんが・・・。

 そもそも国は何のために存在するのか。国民に幸福をもたらすためにあるのか、それとも国民に犠牲を強いるためにあるのか?

<参考> 「この夏、関西電力管内で計画停電か?


時間帯別の新料金メニューが不評のようですが・・・

2012-05-14 | 省エネ

 東電や関電の新料金メニューが導入されるようですが、総じて批判的な論評が多いようです。これは電力会社の説明不足が大きな原因でしょうが、マスコミの報道にも原因があるようです。特に東電の場合には、電気料金そのものの値上げといっしょに議論されてしまっているので、余計な混乱を招いているようです。

 ピーク時間帯の電気料金単価が高くなることだけをとらえて、大幅な値上げとなってしまうような誤解を与えてしまっているのではないでしょうか。確かに、この料金メニューが全需要家が対象となれば、料金が大幅にアップしてしまうケースが多いでしょう。しかしながら、これは選択メニューですので、試算をしてみてアップするようであれば変更しなければ良いのです。

 従来は、オール電化にしなければ選択できなかった料金システムであったものが、任意に選択できるようになったのですから、むしろ喜ぶべきことであろうと思います。例えば、単身や共働き世帯など、平日の昼間は不在である場合は有利になるのではないかと推測されます。また、ピークシフトに協力(チャレンジを含めて)できるような場合や太陽光発電を設置している場合なども有利に働くものと思われます。

 電力会社としては、未だ認可されていませんので、積極的に説明できないということでしょう。であるからこそマスコミが正確に報道する責務があるのではないかと考えます。

<参考> 「電力不足対策における電気料金のあり方について」 「東電の家庭向け新料金制度について」 「関電の家庭向け新料金制度について

 

 

東電の家庭向け新料金制度について

2012-05-09 | 省エネ

 東電の家庭向け(小規模事業所を含む)の新料金制度を導入するとのことです。これはピーク時間帯の電力量料金単価を高くすることによってピーク電力を抑制するためです。

 東電管内では今年の夏の供給力については若干の余裕があったのではないかと思います。昨年の夏の電力不足のタイミングであれば大いに頷けるものでありますが、なぜ今頃出てきたのか疑問が残ります。

 更に言えば「関電の家庭向け新料金制度について」で指摘しておりますように、選択メニューとするのであれば、ピーク電力の削減効果はあまり期待できません。電気料金の値上げは、コストが大幅に増加したのを電気料金に転嫁しようとしているものです。にも関わらず、電力量計を取り替えるというコスト負担を伴う料金制度を導入する意味が分かりません。電力量計の取替は、一軒毎の取替工事が必要ですので、かなりの費用が掛ることが予想されます。新料金制度を導入するにあたっての費用対効果は、どのように評価されているのでしょうか。

 自由化の対象となっていない電気料金は経済産業大臣の認可が必要です。しっかりと審査してもらいたいものです。


政府の電力不足対策は一体全体どうなっているのか?

2012-05-08 | 政治・経済・社会

 計画停電の検討と原発を再稼動しようとする動き以外に、政府の電力不足対策が何も見えてきません。電力会社の数字をあれこれ批判するばかりが能じゃないと思います。官僚の有り余る能力を駆使して、あらゆる場合を想定し、その対策を策定しておくことが政府の義務であろうと思います。

 この夏の電力不足は、相当前から予想(「新エネルギー政策の行方」)されていたことでしょうに、今頃になって大騒ぎしているのは滑稽ですらあります。挙句の果てが、昨年の東電管内と同様の電力使用制限令の発動では無策と言われても仕方ありません。

 何が「社会保障と税の一体改革」ですか。財政が目の前の危機と叫ぶなら、空前絶後の予算を組むことと矛盾してませんか。その前に、大震災の復旧・復興を急いでください。そして目の前の電力危機に対して早く対策を打ってください。その後で充分に時間を掛けて、しっかり議論してください。それこそ百年安心プランを示してください。

 計画停電や大停電が発生したら、どれほどの損失を被ると思っているのですか。消費税の増税部分くらい吹っ飛ぶかも知れませんよ。法人所得税が高いと出て行ってしまう前に、電力の安定供給がなければ体力のある企業は、体力が残っている内にさっさと海外へ出て行ってしまうことでしょう。体力が無い企業は、もう限界に来ています。電力不足や電気料金の値上げは、息絶え絶えの企業に止めを刺すことになるでしょう。

 一刻も早く、具体的な対策が示されることを切に切に願います。暑い夏は、もうすぐそこまで来ているのですから・・・。


関電の家庭向け新料金制度について

2012-05-07 | 省エネ

 この夏から関西電力が家庭向けの新料金制度を導入するとのことです。これは昼間のピーク時間帯の電気料金単価を高くし、ピークカットを促すものとなります。その代わり、その他の時間帯では従来単価より低めに設定するものとなっているようです。これは既にオール電化で類似の料金体系があり、目新しいものではありません。

 「電力不足対策における電気料金のあり方について」で述べておりますが、この料金体系を実施するためには、これに対応する電力量計が必要となります。ですから短期間の内にこの料金制度を適用することは、事実上不可能であろうと疑問を呈しておりました。ところが関電が新料金制度を導入するとのことです。新聞の見出しを読んだ時には、「大英断か!」と感動しました。しかし、読み進むうちに落胆に変わってしまいました。

 新料金制度の対象を今までのオール電化住宅から全ての家庭に拡張するものの、加入は任意とのことです。詳細は計算してみなければなりませんが、ザックリいって単身や共働き家庭のように平日の昼間に不在の家庭にとっては電気代が安くなりますので、このような家庭は加入するメリットがあります。しかし、このような家庭ではそもそもピーク発生時には不在な訳ですからピークカットが期待できません。一方、この時間帯に在宅する家庭では、電気料金がアップする可能性がありますので、このようなメニューを選択することは少ないでしょう。事実関電自体も選択性のメニューなので、ものすごい数が入るということにはならないとの見方を示しているとのことです。

 新料金制度は、全ての家庭で実施してこそ本来の目的を達せられるのです。選択制では、有効に機能するとは思えません。しかし、全家庭に導入するためには、電力量計を交換する必要がありますので、これも短期間で実現することは不可能です。

 関電さんも、諸方面から袋叩きにあっているようですので、苦し紛れにこのような対策が出してきたようにも見受けられます。目前に迫った危機に対して、行政を含めて早急に対応策を打ち出す必要があります。そうでなければ、安心・安全な暮らしなど望むべくもありません。


この夏、関西電力管内で計画停電か?

2012-05-04 | 政治・経済・社会

 報道によりますと、枝野経済産業大臣がBS朝日の番組収録で、関西電力管内において、この夏計画停電の計画をたてる必要があると述べたとのことです。

 計画停電は震災直後の電力不足に対して、諸対策が間に合わないため緊急避難的に実施されたものです。しかし、今回の計画停電の検討については、十分な時間があるとまでは言えないものの、それ相当の対策をたてる猶予がある段階での発言であり、これは自らの無策を認めたようなものです。見方を変えれば、原発再稼動を認めさせるための脅しとも取れないこともありません。

 計画停電の検討をすること自体は、必要なことであろうと考えます。しかし、それは万策尽きた時の最終手段であって、未だ電力不足対策の具体策が定まった訳でもないのに、計画停電について言及することは早計に過ぎるものと考えます。そこに何らかの政治的意図を感じます。

 昨夏の電力不足対策について私なりの考えを「計画停電解消に向けての提言」で表明しております。これで全て解決する訳ではありませんが、かなりの効果があるはずです。その他、電気料金体系については「電力不足対策における電気料金のあり方について」で書いている通りです。その他、あらゆる対策を「できることは全てやる!」を行えば、計画停電は回避できるものと考えます。計画停電は、あまりにも安易な手法であり、かつ社会的・経済的に甚大な影響を与えます。極力回避すべきであると考えます。

<参考> 「この夏の電力需給見通しについて思うこと」 「新エネルギー政策の行方」  


モグラ対策(2)

2012-05-03 | 農業

 気温の上昇とともにモグラ被害が目立ってきました。モグラは冬眠するわけではないようですので、想像するに暖かくなってくることによって餌が地表近くに移動し、それにともなってモグラも作物の根に影響を与えるようになったのでしょう。

 エンドウが急に数本黄色っぽくなってきました。ニンニクも他に比べて異常に生長が遅いものが見られます。細い棒を地面に挿し込んでみると、やはりモグラのトンネルがありました。昨年は、キュウリもやられました。毎年被害甚大です。

 昨年は、罠を購入して仕掛けましたが全く効果なしだったことは、既にご報告(「モグラ対策」)の通りです。そこで今回は、音を発生させる装置を購入してみました。土中にパイプ状のものを挿し込み、30秒に一回、1秒程度ブザー音がなるようになっております。電源は二次電池に太陽電池で充電して使用できるようになっておりますので、メンテナンスフリーというものです。

 モグラトンネルに仕掛けて10日程経ちますが、今のところモグラがトンネルを掘った形跡がありません。もう少し経過を見てみないと何とも言えません。ただ効果があったにしても、この装置は数メートルが有効範囲とのことですので、畑全体をカバーするには一体何台設置しなければならないかと思うと気が滅入ってしまいます。

 音で効果があるならば自作してみる手もありますが、購入価格と大差無いと思われます。電線を引っ張りまわせば、安価に出来るかも知れませんが、農作業の邪魔になり現実的ではありません。

 そこでペットボトルや廃材の鉄管に細工して、風で音が出るようにしたものを作って試しております。ただ、これは微風では音が出ないことが難点ですが、材料費はかかりませんので大量に設置可能です。さて結果がどうなるか楽しみであります。

 


屋根貸し太陽光発電について(2)

2012-05-01 | 省エネ

 住宅用太陽光発電は従来通り余剰電力の買取(「住宅用太陽光発電の全量買取ならず!! 」)ということになりましたが、屋根貸しの場合には全量買取をすることになったとのことです。これで屋根貸制度の普及が現実のものになるものと思われます。

 一方で、この夏頃に屋根貸し制度を新設するとの報道(「屋根貸し太陽光発電について」)があった後の情報が余りにも乏しいような気がします。すでに屋根貸しの業者が営業活動している現在、早急な法整備が行われる必要があるように思います。

<参考> 「せめて住宅用太陽光発電買取価格の増額を!」 「この夏の電力需給見通しについて思うこと