山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

駆け込み退職について思うこと

2013-01-26 | 政治・経済・社会

 公務員の退職金減額を免れようと駆け込み退職が増加していると報道されております。駆け込み退職した公務員に対して批判を浴びせている論調も多く見受けられます。

 しかし、私は勇気ある決断をされたものだと称えたいと考えます。金銭的損得のみでという方もいらっしゃるでしょうが、そのような方は早くお辞めになった方が世の中のためです。しかし、公務員がバッシングされている昨今、批判されることを承知の上で早期退職の決意をされた方々は、並々ならぬ覚悟があったものと考えます。

 なかには警察署長も含まれるとか。このお歳で警察署長であるということは、現場からのたたき上げの警察官でしょう。それこそ命を的に職務に精励されてきたのかも知れません。そして今回の決断は、組織に反旗を翻すようなことに他なりません。そくよくの理由が無い限り、このような決断に至ることは無いものと思います。高々数十万の利益より、ずっとずっと損失の方が多いことが容易に想像できます。そのことを承知の上で退職された理由があるはずです。他の現場の警察官も同様の思いがあったのではないかと思います。先生方にしても同様だと思います。学期の途中で辞めるなどといったことは、教育者であれば当然のこととして異常なことであるとお考えでしょう。これまでの信頼を一挙に失うような決断をせざるを得なかった思いを当事者が主張しても世間は聞く耳をもたないでしょう。その苦衷を察するに余りあります。

 退職金が支給されるということは、おそらくこの道ひと筋に仕事をしてこられたものと思います。私のように仕事を転々としてきたものからすると、それだけで尊敬してしまいます。(参考:「「この道ひと筋」に生きること」) しかし、退職間際になって「この仕打ちかよ!」といった思いは、仕事に打ち込んでこられた方ほど大きいのではないでしょうか。自分の立位置で、一所懸命に努力してこられた方ほど、ショックが大きかったのではないかと思います。

 今回の制度改訂は、ある意味血も涙もないようなやり方です。どこぞの知事閣下は、そうしなければ公務員優遇だと逆に避難されるとかいった趣旨のことを述べられておりました。確かに、御説ごもっともです。しかし、このようなドライな仕打ちをしたのですから、された方はドライな対応をしたというだけのことです。これをどうして避難できましょうか。

 今の時代が何故にこんなに世知辛い世の中になってしまったのでしょうか。どうも住み難い世の中になってしまったようです。自己の利益追求が優先されるようでは、社会全体の活力が無くなってしまうのではないかと考えます。

 泉谷しげるの春夏秋冬の一節が思い浮かびます。「人のために良かれと思い~」