山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

マイナンバー制度に思うこと

2013-01-15 | 政治・経済・社会

 社会保障と税の一体改革に関連して、マイナンバー制度の導入が議論されております。以前、当ブログにおいても「背番号いったいいくつ付けられる」といった川柳ネタで取り上げております。

 そこでも指摘しておりますが、番号を振るのは簡単ですが、名寄せをどのように行うのでしょうかね。これは物凄く大変な作業になることは疑う余地がありませんし、年金の事務を見てみれば明らかなように完全に実行できるという保証はどこにもありません。また、銀行などの金融機関の口座の名寄せも同様です。本人または代理人が金融機関の窓口に出向いたり、郵送等で書類手続きが必須になります。手続きが完了するまで、口座を凍結するなどして強制しなければ実効性は乏しいでしょう。

 また、今まで個別に付与されている番号は、どうなってしまうのでしょうか。マイナンバーで統一するようにすれば、まったくもって不要なものになります。しかし、コンピュータシステムの大改造が必要になります。であれば個別のシステムとマイナンバーの変換で対応すれば良いといった対応になるでしょう。とすれば、また一つ番号が増えただけといったことにもなりかねません。

 住基ネット導入の際にも費用対効果が随分と議論されてきたようですが、その後の評価は如何なものでしょうか。マイナンバーは住民基本台帳番号をベースにするそうですが、であれば何故に番号を本人の請求であっても教えない制度になっているのでしょうか。マイナンバーは、官公署のみでなく民間でも情報が飛び交います。番号の秘匿性との整合性を如何にお考えなのでしょうか。

 マイナンバーは、国や地方公共団体が管理する全情報のキーワードとなります。これが不正利用に脅かされることとなります。絶対安全なシステムを構築することは不可能です。莫大な費用を掛けて、危険を増大させるシステムの導入をするメリットとは一体何なのでしょうか。

 マイナンバー制度導入の最大の目的は、脱税その他の社会不正の防止にあるものと思われます。国民の全ての金の流れを掴むことができるようにすることが最大の眼目なのではないでしょうか。国民にとっての利便性などといったことは、二の次三の次の取ってつけた言い訳に過ぎないと思います。ワンストップサービスを謳った復興庁が、ワンステップ増えただけと言われているではありませんか。国民へのサービスは、組織とそれに属する人に負うところが大きいのです。マイナンバー制度が導入されたからといって、サービスが向上するといったものではありません。

 例えマイナンバー制度が導入されても、必ず新たな手口が生まれます。もっとも政府にとっては、新たな制度の導入費用を税金の捕捉率向上によって徴税収入がうわまれば万々歳といったところでしょう。それはそれで意味のあることですが、他に取り得る手段があるのではないかと考えます。マイナンバー導入しかないといった議論ではなく、一つの選択肢としての議論としてならば歓迎します。