予想された通り、五輪報道にメディアが占領される事態となっています。しかし、新型コロナの感染は続いています。「しんぶん赤旗」は、「五輪より、命が大事」の立場で報道を続けています。 今日は、スポーツジャーナリストの谷口源太郎さんの発言が掲載されました。紹介させていただきます。
「開会式を見て、この東京五輪がいかに理念なき大会なのかということを改めて実感しています。その最たるものが、国際オリンピック委員会バッハ会長のスピーチだったと思います。バッハ氏は予定時間をオーバーしてまで長々とスピーチし、『オリンピックコミニュ二ティー』『連帯』などの言葉を多用しました。しかし、何も心に響いてくるものがありませんでした」
「おそらく大義なき東京五輪の空虚さを埋めるため、必死に考えたスピーチだったのでしょう。しかし、そもそもこのコロナ禍で『なぜオリンピックが必要なのか』。政府や組織委員会から説得力ある説明はありませんでした。『復興五輪』『人類がコロナに打ち勝った証としての五輪』『安心安全な大会』・・・。 いずれも国民の心に届くスローガンではありませんでした」
「むしろ、五輪ありきでコロナ対策が中途半端になり、感染は広まるばかり。国民の不安はさらに広がるばかりでした。東京五輪が強行され、国民の中にはあきらめの気持ちを持つ人も多いかもしれません。しかし、バブル方式も機能しておらず、ここまで100以上の五輪関係者の感染者が出てしまっています。人の命を危機にさらすこの大会がうまくいくはずはありません」
「日本政府は、五輪が始まってしまえば、国民は盛り上がると信じきっています。命を犠牲にし、コロナ禍で開催する五輪の意義すら説明できない。この国民への誠実さを欠き、愚弄する政治を許さず、中止を求め続けなければなりません」
「メディアはすでにあの手この手で、こぞって五輪を盛り上げようとしています。背景には、スポンサーの存在があり、世界50億人の視聴者を対象に動く巨額マネーがあります。その商業主義のため、命が脅かされる状況下でも開催を強行する、オリンピックの本質が明らかになりました」
「五輪の存在意義を喪失させた商業主義、国家主義を否定し、スポーツに人間性を取り戻すために、スポーツのあり方を根本から問いなおす必要があるのではないでしょうか」
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