防衛省は、平成27年11月24日04:45~04:50(日本時間)ハワイ訪問中の中谷 元防衛大臣の記者会見をホームページで公開しました。 内容は、マホーニー米太平洋海兵隊副司令官との会談です。
防衛省のホームぺージの中谷大臣発言を紹介します。
「事故原因について、公表するということで、文書もいただきました。 ~ 主な原因は3つ。 1つはフライトプランの問題、2つ目はパイロットの判断の問題、そして、3つ目は、構造的な問題ではないのですけれども、エンジンに支障をきたしてしまったということです」
「簡単に申し上げれば、着陸ゾーンに砂とか小さい石がたくさんあることを事前に把握することができなかった。 これは、フライトプランの問題です。 次にそういった状況において、パイロットが着陸を2回試みて、そして、結果的にそれができずに、そのゾーンに長く留まってしまったということで、設計以上の時間がその状況の中にいたことで、エンジンに異質な小さい石が入ってエンジンの本来の構造に支障をきたし、本来の機能に支障をきたしたということであって、エンジンそのものに構造的な問題はなく、これに対して、マニュアルの見直しをして、パイロットの判断が的確におこなわれるようにしたということでありました」
中谷大臣の説明は、「構造的な問題ではない」「パイロットの判断の問題」に終始していますが、オスプレイの墜落の原因ーエンジン出力の喪失が砂や小石をエンジンが吸込み「本来の構造に支障をきたし、本来の機能に支障をきたした」ことを認めています。
「しんぶん赤旗」11月25日付は、竹下 岳記者の「解説記事」を掲載しています。 今後の運動に参考になるかと思いますので紹介しいます。
「『オスプレイの設計に根本的欠陥があるわけではないことが改めて示された』。 菅義偉官房長官は24日午前の会見でこう述べ、陸上自衛隊へのオスプレイ配備を予定通り進める考えを示しました」
「しかし、今回の事故は逆に、欠陥ぶりを如実に示しています。 まず、オスプレイは排気熱を地面に吹きつけながら離着陸をするため、他の固定翼機と比べて、激しく砂ぼこりを巻き上げます。 そのような砂ぼこりからエンジンを守るためのフィルターに改善の必要があることも、今回の調査で明らかになりました」
「つまり、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)に配備されている24機のMV-22オスプレイは、同様の事故を起こす潜在的な可能性があるということです。 日本政府が国民の命を守る責任を有している以上、フィルターが改善されるまで国内での飛行停止を要請することは最低限の責務です」
「さらに重大なのは、調査がエンジン出力の低下を認めたということです。 オスプレイは他の固定翼機のように、エンジンが停止しても安全に着陸できるオートローテーション(自動回転)機能を有していません。 これは同機の構造的欠陥です」
「日本政府は事故調査報告書の全文公開とともに、オスプレイの全機撤去、東京・横田基地へのCV22配備撤回を求めるべきです」
元日本航空(株)の取締役技術研究部長の松尾芳郎氏は、「TOKYO EXPRESS」(10-28(平成27年)で 「砂塵セパレーター(EAPS)」の開発状況について次のように指摘しています。
「エンジン・インレットに取付ける新しい『砂塵セパレーター(EAPS)』の研究は2013年から始まっている。 新『EAPS』はオイルを含浸させた綿製フィルターとなり、離着陸時のみに使用し、巡航になるとバイパス・ドアが開いて空気をそのまま吸入する仕組みになる。 2017年には完成予定で、全機の改修が始まるのはその後になる」
松尾氏の指摘によれば、米軍は新たな「砂塵フィルター」が必要なことを知っていたことになります。 しかし、その研究・開発が大きく遅れている状況ということです。
「パイロットの判断の問題」にし、「設計に根本的欠陥があるわけではない」という政府の認識は極めて重大だと思います。
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