じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

スプートニクショック

2011-01-27 11:35:19 | Weblog
★ アメリカのオバマ大統領は一般教書の中で、今を「スプートニクショック」の状態だと危機感を訴えた。

★ 大統領が危機感を煽る背景には、自らの支持率の低下や議会で多数を占める共和党への配慮があるようだ。

★ 「スプートニクショック」とは懐かしい言葉だ。冷戦さなかの1957年、ソ連が初の人工衛星の打ち上げに成功した。このままでは大陸間弾道弾の餌食になりかねないと、アメリカが震撼した出来事だ。

★ アメリカは「国家防衛教育法」を制定し、理数系を中心とするカリキュラム改革が行われた。

★ 「スプートニクショック」はそれから25年後再び脚光を浴びる。レーガン政権のもとで教育改革が行われようとしていた時だ。教育の優秀性に関する全米審議会による「危機に立つ国家(A Nation At Risk)」(橋爪貞夫著「危機に立つ国家」黎明書房、1984年の中に邦訳がある)を初めとして数多くのレポートが発表された。

★ 当時のアメリカのターゲットは日本だ。日本の優秀性から何を学ぶかが研究された。

★ それからまた25年。歴史は繰り返すというが、面白い。今回の仮想敵は中国を初めとする新興国だろう。新興国が台頭する中でアメリカ経済がいかに再生し、世界におけるその地位を維持できるか、が問われている。

★ 今後10年間で理数系の教員を10万人増やすというから、10年後にはその効果が表れるかもしれない。この余波は日本にも押し寄せそうだ。

★ 日本でも理数教育は今後のキーポイントになるであろう。そこで必要とされるのは「エリート教育」だろう。能力に恵まれた人々をいかに見つけだし、どのような環境をあたえて、どのように育てていくか。日本も10年ぐらいのスパンで戦略を立てる必要があろう。オリンピック選手を育てるような工夫が必要かもしれない。

★ 層を厚くするには初等、中等教育における理数系教員の充実も求められる。優れた人材がこの分野に進出するよう奨学金の優遇や教員になってからの待遇の改善など、改革すべき点は多そうだ。

★ アメリカ大統領の提言を日本もうまくいかせばよい。こうした能力は日本人の得意分野だ。
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