じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

「方丈記」を読む

2017-10-27 16:39:15 | Weblog
☆ 古典の三大エッセイと言えば、清少納言の「枕草子」、兼好法師の「徒然草」そして、鴨長明の「方丈記」が挙げられる。

☆ 「方丈記」は、「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」という有名な文で始まる。自らの隠遁生活を紹介しながら、世の無常を記述する。鎌倉時代のブロガーと言ったところだろうか。都の様子の描写などはジャーナリストのようでもある。意外と短いものなので楽に読めるもありがたい。

☆ 人と競争をしたり、権勢を誇ったり、それが果たして何になるのだろうか。相対的な価値観にとらわれず、自然の中であるがままに生きれば良いではないか。こうした言葉は、日々の生活に疲れた心に響く。

☆ 作者は仏教、念仏に通じているようであるが、むしろ道教に近いように思う。

☆ 「おほかた、世をのがれ、身を捨てしより、恨みもなく、恐れもなし。命は天運にまかせて、惜まず、いとはず。身は浮雲になずらへて、頼まず、まだしとせず。一期の楽しみは、うたたねの枕の上にきはまり、生涯の望みは、をりをりの美景に残れり。」

☆ (出家し遁世してからは、人に対する恨みはなく。恐れもない。命は天運にまかせて、惜しんで長生きしようとは思わず、また早く死にたいとも思わない。我が身は空に浮く雲と考えて、あてにもしないし、不足ともしない。一生の楽しみはうたたねの気軽さに尽きるし、余生の望みは、四季の美しい風景を見ることだ)

☆ 野山に庵を建て、採集で空腹を満たすような生活。コンビニエントな生活に慣れてしまった私には無理だろうが、鴨長明のようなアナーキーな生き方にあこがれる。

☆ 簗瀬一雄訳注「方丈記」(角川文庫)参照
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2 コメント

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Unknown (ねこあたま)
2017-10-28 23:19:18
貴族社会から武家社会へと転換する時代の転換点に、一族がらみの出世争いに負けて世捨て人になったわけですからねえ。

確か下賀茂神社の禰宜の息子でしたっけ。
それが800年後には、貧したあげくにマンションのに土地を貸すというのですから。まして南側の土地を貸すのですから「気」の流れはどうなるやら。下賀茂神社のご利益もこれまででしょう。
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Unknown (じゅくせんまさや)
2017-10-31 10:32:41
なるほどねぇ。
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