じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

介護難民の現実味

2018-01-28 10:42:12 | Weblog
☆ 京都新聞朝刊一面「軽介護運営難 100自治体」及び3面「介護難民に現実味」の記事(たぶん共同通信配信)を読んだ。

☆ 自治体は介護事業を民間の介護事業者に委託してきたが、人手不足や(報酬の手厚い)重症者への移行を理由に、事業者の軽介護事業からの撤退が相次いでいるという。

☆ 背景にあるのは超高齢化に伴う社会保障費の爆発的な増加だ。政府は自立支援を促すというが、介護は育児と違って、年を経るにつれて手がかかるようになる。その辺りマクロな数字だけを扱っていてはわからない。いや優秀な政府の官僚だ。現状はわかりつつも打つ手がないのかも知れない。「年寄りは早く死ね」「姥捨て山に捨てろ」とは言えないからね。

☆ 昔なら家族や地域社会で支えられたかも知れない。高齢者の割合が圧倒的に少なかったからだ。これからは老々介護が当たり前になる。親の介護に追われた単身者の介護が必要な時代が来る。

☆ 自治体(とりわけ包括支援センター)スタッフと民間事業者とのスタンスの違いも大きそうだ。民間事業者はあくまでも私企業だ。利潤があってこそ経営が成り立つ。利潤のために人材を採用し養成し運用する。公務員ではない。軽介護の報酬が引き下がればそこから撤退するのは経営者としては当然の判断だ。

☆ 自治体にしても要は財政の問題だ。豊潤な財源があれば、(公務員ゆえの効率の悪さはあるにしても)自分たちで人材を採用し養成しサービスを提供できる。アウトソーシングするには、そうせざるをえない事情がある。

☆ 役所と企業が衝突しようが仲たがいしようがそれはともかく、困るのはサービスを必要とする人々だ。

☆ 国民に事情を説明し消費税増税に理解を求めればよいのだが、国民の不評をかう増税にはどの政党も及び腰だ。そもそも介護というものは自らが直面しないと深刻さがわからないものだ。刹那的な享楽にふけっている人々に負担増を理解してもらうのは至難の業だ。「教育費負担の軽減」、「幼児教育費、私立高校の授業料、さらには大学の学費」無償化など甘口の政策には熱心だが、その請求書は結局国民に回ってくる。

☆ 教育費の無償化や医療費の無償化など、社会保障の充実は実に結構なことだが、それならそれでその財源も示してほしい。日本型社会主義を明確にして欲しいものだ。

☆ 話が飛躍したが、介護問題は切実だ。結局先送りで、死を待つのか。残酷なことだ。


☆ 蛇足ながら、介護事業者も懐は厳しいと聞く。私の父が利用している事業所は売り上げが良くないと言って恒例のカレンダーの印刷・配布を止めたという。政府は未曽有の好景気と喧伝するが、どこかで糸がほつれているようだ。
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2 コメント

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Unknown (ねこあたま)
2018-01-28 18:14:15
正常な判断ができるうちに安楽死の選択権を与えよという話しになってくるでしょうね。

それこそ25年ぐらい前に、介護の現場で働いている友人と
1)年寄りになる前にポックリ死ねる願望がたかまるのではないか、2)徴兵制が導入されて、拒否する代わりに徴兵期間以上のボランティア勤務を求める事で、諸会費保障費のコストを抑える。

当時の戯言が洒落にならなければ、良いのですが
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Unknown (じゅくせんまさや)
2018-01-28 18:30:39
あくまでも笑い話ですが、生徒と「70歳徴兵制」について話しました。18歳や20歳で徴兵というのは、少子時代にもったいない。むしろ70歳で徴兵すれば、一挙両得なのではという話。70歳で「お国」のために働けるかどうかはわかりませんが。

「徴兵」は極端だとしても、ベーシックインカムの代わりに、社会奉仕に貢献してもらう(実際は徴用かも)ってことは、ありうるかも知れません。

それから、最近病院からしきりと「延命措置をしますか」と問われます。個人情報と同様に、「自己決定権」や「尊厳死」、「在宅看取り」などが問われる時代になりました。良きにつけ悪しきにつけ。
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