じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

浅田次郎「長く高い壁」

2021-06-17 16:19:36 | Weblog
★ 浅田次郎さんの「長く高い壁」(角川文庫)を読んだ。日中戦争の最中、関東軍は武漢攻略に向けた作戦に入る。ある大隊は万里の長城の基地にわずか30名の守備隊を残して侵攻を始める。

★ そのころ従軍作家として派遣されていた小柳逸馬に軍から要請が下る(軍の要請は命令だ)。わけが分からぬまま、検閲担当の将校・川津中尉と奥地に向かった彼は、10名の兵士の遺体を目の当たりにする。戦場での戦死なら珍しくはないのだが、どうやら戦闘による犠牲ではないらしい。小柳先生と川津中尉との探索が始まる。

★ 物語を通して、旧日本軍の姿がよくわかった。

★ ところで、どのような事態になろうとも既定方針を貫くのは、今般の東京オリンピックも同じようなものだ。そして失敗に終わってもだれも責任をとらない。そもそも「失敗」とは言わない。「失敗」はありえない。

★ 誘致した人々が悪いのか、東京都が悪いのか、政府が悪いのか、JOCやIOCが悪いのか。いやいや、すっかり商業化され肥大化したオリンピックという興行に問題があるように思える。

★ ところで、週刊文春の記事。平井大臣の肉声が印象的だ。政治家ってどうしてこんなに傲慢になれるのだろうか。それにしても、発言がいちいちリークされるっていうのはどうしたものか。「開かれた」というか、危機管理ができていないというか。なにはともあれ、文春は頑張るね。値上げする大新聞はもっと頑張ってもらわねば。そこでも商業新聞の限界か。
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