じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

伊坂幸太郎「終末のフール」

2020-08-27 21:49:54 | Weblog
★ 死を受け入れるプロセスに5段階あると聞いたことがある。①否認と孤立、②怒り、③取り引き、④抑うつ、⑤受容と言ったものだったか。(E・キューブラー・ロス「死ぬ瞬間」中公文庫)

★ 伊坂幸太郎さんの「終末のフール」(集英社文庫)から表題作を読んだ。小惑星が8年後に地球と衝突するという。人類は絶滅するであろう。すでに3年が経過した。最初は、略奪、暴動、犯罪と混乱していた社会も、もう落ち着いたようだ。死の受容の5段階の最終段階に到達したのかも知れない。

★ 表題作ではある家族の日常の風景が描かれている。終焉までのタイムリミットがなければ、よくある家族の物語だ。しかし、何をしようと、どうあがこうと、残された時間は3年しかない。

★ 隕石であれ、疫病であれ、自然災害であれ、有限の時間を前にして人はどう生きればよいのか、考えさせられた。

★ 何はともあれ、隕石が地球にぶつかろうとぶつかろまいと、人の一生は有限なのだ。
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