じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

法月綸太郎「死刑囚パズル」

2019-12-02 16:08:57 | Weblog
☆ 法月綸太郎さんの「法月綸太郎の冒険」(講談社文庫)から「死刑囚のパズル」を読んだ。

☆ 死刑囚の刑が執行される。その瞬間、彼は苦しみだし、こと切れた。死刑囚が何者かに殺されたのだ。この奇妙なケースに法月警視と息子の綸太郎が挑む。

☆ 第一部の死刑執行のシーンは実にリアルだ。臨場感が伝わってくる。

☆ 綸太郎の推理はエンタテインメントよりも論理優先。誰が犯行を為しえるのか、緻密な分析が行われる。この辺り犯人探しや犯行の動機を先走りたい読者にはやや退屈だ。

☆ 最後は意外な結末に。もう一度読み返してしまう。

☆ 綸太郎の陳述はプラトンの作品のようだ(私はそれ以外にギリシャ文学を知らない)。死刑制度についても考えさせられる。
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志水辰夫「行きずりの街」

2019-12-02 02:09:21 | Weblog
☆ 志水辰夫さんの「行きずりの街」(新潮社)を読んだ。発行が1990年。わずか30年前なのに、時代の流れを感じる。

☆ 教え子との恋愛、そして結婚が問題となり学園を追われた主人公。東京を去り、今は故郷で学習塾を経営している。

☆ 行方不明の教え子の少女を探すため、再び東京へ、かつて勤めていた学園へと向かう。

☆ 東京にも彼にも、そして彼に関係する人々にも12年の歳月が流れていた。

☆ 学園内の権力闘争。暗躍する闇の組織。彼は少女を探す中で、学園の秘密を知ってしまう。そして・・・。

☆ この主人公、どうも事件を手繰り寄せる。フィクションゆえの演出だが、関わらなくても良いことに関わって、命からがら逃げ延びる。何度も暴行を受けるが、なかなかタフな中年だ。
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