じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

「ゆとり教育」の失敗

2006-03-14 18:18:30 | 教育
★ 今さらながら「ゆとり教育」の失敗を実感している。

★ 暗記中心の詰め込み教育の反省、新しい学力観、生きる力、週5日制などさまざまな言葉が行き交い、教育内容が大きく縮減されてきた。「七五三」と呼ばれるように、小、中、高を通じて、教育内容を未消化のままただ先に進み、「落ちこぼれ(落ちこぼし)」を生んできた実態を反省する意味もあった。どのみち未消化のままに終わってしまうのであれば、教育内容を削減し、学習内容のレベルを引き下げれ、その完全習得をめざした方が良いのではないかと私も思った。しかし最近指導している生徒を見ていてそれが間違いであったことを実感している。なぜなら、内容を引き下げ、進度を遅くしてもやはり理解ができない子はできないのだ。

★ 学校では習熟度別クラスが実施され、あるいは少人数での指導もされている。1クラス45名だった私たちの時代に比べればはるかに条件整備がされているように思う。そして内容も簡単になったのだから、少なくともそれぐらいは定着させてくれているのかと思いきや全く不十分である。

★ 私の塾に通う生徒、まもなく小学5年生になるが小学2年生レベルの計算が満足にできない。特に繰り下がりの引き算がひどい。基礎的な計算が不十分だから、それから先の学習にも支障をきたしている。結局は算数は面白くないとやる気をなくし、算数嫌いになっている。

★ 能力の問題もあるだろうし、家庭での学習環境の問題もあるであろう。しかし小学校低学年ぐらいの内容はなんとしても理解しないと、将来困ることになると思える。本人は「算数などできなくてもなんとかなる」と嫌いな算数を益々避けようとしているが、算数自体は数学と名前を変えてもあと数年間はつきまとうし、高校受験もある。

★ 「ゆとり教育」によってほとんど得るものがないならばそれは見直す必要があると思う。私は少なくとも以前のレベルに戻すべきだと思う。数学では不等式や二次方程式の解の公式は入れればよいと思う。理科ではイオンを入れたい。社会では都道府県や主な国の地誌については概略でも知識として習得してもらいたい。(今は主だった都道府県の概要や好きな国調べ程度で終わっている。)歴史ももっと詳しくてもよかろう。

★ 「詰め込み」と批判され、知識や暗記が軽視されてきたが、教養の基礎には共通して学んだ内容、知識が必要であろう。知識がなければ深い思索も不可能ではないだろうか。知恵が求められるのはもっともだが、知識もまた軽視すべきではないと思う。
コメント