JR4GPAの「つぶやき」

JR4GPA の「つぶやき」です。修理依頼は、2013年3月3日のBLOGをご覧ください。

修理依頼について

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TS-520S 修理 その5

2018-06-24 | Weblog
TS-520S の修理の続きです。

我が家にやって来た時からすると、かなり調子よくなったのですが
色々試験をしていると、マーカーの出力が無い事に気付きました。

調べると、半導体不良や半田不良ではなく、クリスタル自体が壊れていました。
ケースを外して、中身の観察をしてみました。
写真は撮り忘れましたが、発振素子から細い電線が2本出ているのですが
その内の1本が外れています。これを半田付けして見ると、発振を再開しましたが
周波数が上がってしまいました。
基板のトリマでは調整範囲から完全に外れています。

昔の人は、自分で削って調整をしたなんて、昔雑誌で読みましたが
それは発振周波数を上げる為の手段のようで、周波数を下げる事は難しいようです。
下げる時は「赤チン」を塗るなんてのもどこかで見ました。
昔の人はすごいなあと関心。



感心していても直らないので、現代で入手できる部品は無いかと
探して見ると、100KHzの水晶発振子を売っています。
ただ、あんな大きなものではなく、極小の物ばかりです。
(下の写真のユニバーサル基板の上端から飛び出している黒い物体が今回の水晶発振子)
そして、TS-520の発振回路にそのまま半田付けしただけでは動作しないようなので
発振回路を試作して、卓上実験の開始です。

100KHzの信号は簡単に出てくるのですが、その出て来た
信号をマーカーユニットのどこに入れるかを実機で確認します。


入れる箇所とレベル調整に手間取りました。
最初はレベルが大きすぎて、至る所にビートがあって、これじゃ
どこが本物の信号か分からない.....
さらに回路を変更して行くと、25KHzごとに信号が出るはずが
その半分の12.5KHzでも信号が聞こえます。
おいおい!

マーカーをONにしても起動に時間がかかったり、安定するまで
時間がかかったりという不具合もありました。
変更に次ぐ変更で、ユニバーサル基板の裏はグチャグチャ。
素直にオークションでマーカーユニットを購入するか、壊れたTS-520を
購入してマーカーだけ外して移植する方が早そうですが、それらも
結構な金額ですので、部品を集めて作ったほうが安上がりです。


色々データを取りながら回路を変更して行き、納得する回路に
たどり着きました。

このままでは、実装できないので、小さな基板に仕上げる予定ですが
時間切れで本日終了。

最初からマーカーの基板を作り直した方が素直なのでしょうが
「100KHzの水晶を置き換える」
と言う事で始めた実験ですので、水晶置換基板を仕上げてみたいと思います。

続きはまた後日!


IC-1271 修理

2018-06-17 | Weblog
IC-1271 の修理です。

送信して、受信動作に入ったら信号が極端に弱くなり
電源をOFFしてONすると感度が戻ると言う物。

電源を入れて見て、送受信を繰り返しても現象は出ません。
現象が出なければ、手も足も出ません.....

もう少し詳しくメールで尋ねると、モードはFMであったとの事。
SGから信号を入れて、ごそごそやっていると感度が落ちました。
その時でもSSBでは感度バッチリ。送受信してないけど?
これの事か?

メイン基板を外してFMだけに関係する回路を目視すると、半田の怪しい所が
あったので再半田。FMで感度復活。
でもこれが電源OFF/ONで復活するに繋がる故障とは思えません。

諦めずにごそごそやっていると、やっと現象が出ました。
その時には同軸リレーの接点が受信でも送信のポジションにあります。

これだ!

本当に電源OFF/ONで復旧します。
ラッチングトランジスタ!と喜んでいる場合ではありません。
これは同軸リレーをドライブするトランジスタが壊れていてOFFできないんだ。
と、その時は思い込んでしまいました。
しかしそのトランジスタを交換しても現象は変わらず。

え?

測定すると、ベースに0.72Vかかっています。そりゃあONだな。



電源専用ICでコントロール端子に信号を入れると受信用8V、送信用8Vが
切り替わって出てくるICが採用されています。
それは無線機にピッタリの仕様で、使わない手は無いでしょうと言わんばかりのICです。
しかし、そんな特殊なICを使われると、年月が経つと入手出来ないのはご存知の通り。
データシートを見ると、受信時には本来なら0.2V以下らしいのですがそれが0.72Vです。
他に影響が出ていないので、とりあえずドライブのトランジスタに
小細工をして0.7Vでも同軸リレーが正常に動作するようにしました。

本当に専用ICが0.7Vを出しているのか、他の部品が壊れて
その影響で0.7Vがかかっているのかは調べないと分かりませんが
そのラインにぶら下がっている部品が多すぎて、そこまでは.....
専用ICの足をちょいと浮かせて調べれば分かるのですが、それもまた大変な作業。
今回は妥協しました。

ざっと調整もしましたが送受信共に40MHzも帯域のある1200MHzで
たったあれだけの調整ポイントでフラットに仕上げるなんて神業ですね。
私には出来ませんでした。
サービスマニュアルの通りに調整しても、ここが10Wでここは7W、おっとここで
また10Wと山なりの特性ではなく うねり ます。

前にも違う方のを調製しましたが同じような感じでした。


そして、一番の問題は、基準周波数を合わせようとしても
サービスマニュアルに書かれている調整ポイントはシールドケースの中。


普通なら、シールドケースの蓋が外せる構造なのですが、基板の
半田面の半田を外さなければそのシールドケースは外せません。
そしてその基板には電線が多数来ていて、とても半田面に
半田ごてを入れるなんて無理でしょう。

と、言う事で、修理調整をする無線機で、一番妥協しなければならない
機種と自分では思っています。
この機種に関しては、調整での深追いはしません!




FT-900 修理

2018-06-10 | Weblog
FT-900 の修理です。

昨年突然 18MHz と 21MHz がUNLOCK表示で送受信不能となって
そのまま他バンドだけ使用していたら今度は 1.9MHz 3.5MHz 7MHz も
同じようにUNLOCK表示で、使えるバンドが 10MHz 14MHz 24MHz 28MHz に
なってしまったと言う物。

粗大ごみにするのも勿体無いし、コリンズフィルターも入っているしと
お困りだったようで、ご相談がありました。

不具合箇所の大体の想像はつきますが、実際に測定してみないと
何とも言えませんので、とりあえず送って頂きました。

通電試験してみると、頂いた情報の通りの不具合でしたので
さっそく調査開始。
PLLの2箇所がUNLOCKを出していますので、その部分を調整して
見ましたが、最大電圧を出したまま貼り付いています。
これではUNLOCKを出しますね。
定番の部品不良を疑っていましたが、基板を目視すると
どうも半田の状態が良くありません。
該当するUNLOCKを出している2箇所のPLL周りを再半田すると
LOCKがかかりました。


今まで不具合を出さずLOCKしている部分も半田の怪しい部分が
ありましたので、処置しておきました。
他にも半田の怪しい部分が複数箇所ありましたので、それらも処置。

と、書くと、「FT-900 PLL UNLOCK」 などで検索して、このページにたどり着き
なるほど、なるほど、再半田すれば直るんだ と同じ事をされる方が
必ず出て来ますが、全てのUNLOCKが同じ症状ではありません。
そしてチップ部品ですので素人さんが下手に作業をすると、不具合が拡大します。
素人さん?じゃあお前は玄人か?それは秘密です....


何が不具合の元だったのかが分からなくなりますので
「自分でやって直らなかったら捨てる」
と言う気が無いのだったら、触らずどなたか専門家に依頼される方が
直る確率が上がります。


綺麗に結束してありましたが、基板をひっくり返すために
結束バンドを切断したので配線がバラバラに。
調整後に問題がが無ければ結束します。




PLLの各部を調整しましたが、あまりズレておらず、補正程度で
合格となりました。
送受信も問題ありません。

筐体もきれいな状態で、丁寧に扱われていたものと想像します。
CWフィルター、コリンズSSBフィルターが装着されています。
これをゴミにするのは勿体無いですね。
修理が出来て良かった!

しばらく通電試験をして、問題が無ければ返却です。


TS-520S 修理 その4

2018-06-03 | Weblog
TS-520S の修理の続きです。

ショートジャンパーで何度でもRFユニットの基板が簡単に外せるようになったので
RFユニットを外して、コイルパックユニットの修理をします。
コイルパックユニットを外すとなると、地獄のような作業が待っていますので
RFユニットを外した事により出来た空間から半田ごてを入れて
作業をします。

ANTコイルを調整するのですが、サービスマニュアルの手順に従って調整するも
28.5MHzでピークが現れません。それ以降の21MHzも14MHzもNG。
そして感度は1.9MHzを除いてかなり悪い状態です。

Lはテスターで導通を見ると良さそうですが、Cはそのままでは
測定できないので、外して測定しようかと思いましたが
コンデンサがパンクするような所でも有りませんし、半田不良を疑い
とりあえず、再半田して見ました。

これでもう一度組み立てて、ショートジャンパーで仮配線をします。

何度も繰り返す予定だったのが、一発で当たってしまったようで
ANTコイルにピークが現れ、どのバンドも非常に感度が良くなりました。

えーーーー、せっかくショートジャンパー作ったのに。
まあ簡単に直ったので、 「良し」 としましょう。

ここで、その先をやらずに元に戻すと、またラッピングワイヤーとの
戦いとなりますので、RFユニット関係、コイルパック関係を先に調べて見ました。
問題はなさそうなのでショートジャンパーを外して、また22本44箇所の
ラッピングワイヤー処理を行います。



順番にショートジャンパーを交換している画像です。
真空管の右斜め上の右2箇所がワイヤーラッピング処理済み、左2箇所がショートジャンパー



TS-520Sに遊ばれ過ぎてます。もっと簡単だと思ったのが間違いだった。
コネクタで基板が外せる無線機のありがたさを実感しました。