TS-930S の修理の続きです。
続きと言っても、随分前の2017年6月25日にBLOGに書いたTS-930Sです。
TS-930Sは何台も修理したので、どれがどれか分からなくなりそうです。
6月25日に修理が終わって、FANの注油も済ませ、あとは調整だけだなと
そのまま放置していたのですが、TS-930Sが欲しいという方が
いらっしゃいますので、これを仕上げてお譲りすればと
思ったのですが、そう簡単に話は進みませんでした。
測定器をウォーミングアップして、そろそろ測定に入るかと思ったのですが
TS-930Sの持病が怖いので、電源基板を点検する事にしました。
と、書けば一行ですが、メンテナンスの事は考えられていないと思われる
電源基板を取り外すのは、大変な苦労が....
電線はパッツンパッツン、端子に電線を絡げて半田付けしてあるので、簡単には
外れません。そして結束されていないバラバラ、グチャグチャの電線の中に
埋もれている取り付けネジ。あーあ、もう。
額に汗しながら、取り外したのがこれ
部品交換をして、修理を始めると5分ほどして
「パチン」
周波数表示が消えた!
あわてて電源OFF。
えーーーーっ、何、何。
あーあ、せっかく元に戻した電源基板をまた分解。
トランジスタにヒビが入っています。このトランジスタの取り付け位置が
またすごい所に。トランスが邪魔してドライバーが入りません。
さっきよりさらにすごい分解をしてトランジスタを取り外すと
オリジナルの物と違います。
それと半田が超いい加減。前ユーザーが自分で修理した感じ。
データシートを見ると、ここにはこの部品は使わないなあと言う物。
手持ちの部品で対応。
ここは一人で盛り上がりすぎて、写真を撮るのを忘れました。(いつもの事)
元に戻して、今度こそ調整と思ったら、今度は送信すると
周波数表示が微妙に点滅。えーーーーっ。
次から次へと不具合発生で、もうキリがありません。
送信にすると、安定した直流電圧が出ているはずの端子が
なぜか、パルスになっています。そりゃあ点滅するはずです。
送信信号-->どこかがショートで過電流-->保護回路作動-->
送信信号が切れる-->電源復活-->送信信号
のループに入っているようです。どこがショートか探さなければ。
これは納得の行く状態にして、お譲りするには大変日数が
掛かりそうなので、お譲り出来そうも無いとのメールを
お送りしたのですが、いや、待ちますとの返事。これは困った。
今回のTS-930Sをご希望の方は、ご自分で所有されていた
TS-930Sが調子が悪いと言う事で、修理依頼して頂いたのですが
残念ながら、届いて点検して見るとファイナルユニットのトランジスタが炸裂、
電源ユニットもそれにつられて故障。ファイナルユニットの部品が入手できないので
修理不能。
オークションで新たにTS-930Sを購入されたようですが、現状渡しと言う
言葉で、動作を期待されたようですが、残念ながら動作しないと
言う事で、当方にそれも修理依頼をされたのですが、こちらではオークション品の
修理は受けていないため、動作品を購入したいとの事で、今回の
TS-930Sの調整に入ったのでした。
なぜオークション品は修理依頼を断るのか。
それは、動作品で自然に故障した物は割りと簡単に修理できます。
それは、そこだけを追いかければ良いからです。しかしオークション品の中には
動作しないものを複数台購入して、動作する基板を組み合わせて
1台を組み立て自分用に。そして動作しないの基板を組み合わせてこれまた
1台組み立てて、「電気が入りました、詳しいことは分からないので現状渡しで」と
知っていても知らないふりをしてオークションに出したり、コア、トリマなど回せるものは
何でも回して見て、分からなくなったからと売りに出すものがあります。
そんなのに当たったら、何時間、いや何日あっても終わりが見えません。
ですから、オークション品は修理をお断りしております。
オークション品は、ちゃんとした動作するものに当たればお買い得ですが
外れればただのゴミの様な物が多くありますので、注意が必要です。
自分のBLOGを眺めていると、2016年7月3日から12月23日のBLOGに
書いた調整の終わったTS-930Sがあるのを発見。
どこかに仕舞ったはず。思い出せない、1年前かあ....
修理が終わると興味がなくなるので、箱に入れてどこかに放置。
どの箱だっけ?
今の終わりの見えないTS-930Sを追い掛け回すより、修理の終わって
調整の終わっているこのTS-930Sの方が早く仕上がりますので
路線を変更しましょう。しかし、1年放置していますので
ちゃんと仕上がるかどうかは分かりません。
その前に探し出さなくては....