JR4GPAの「つぶやき」

JR4GPA の「つぶやき」です。修理依頼は、2013年3月3日のBLOGをご覧ください。

修理依頼について

修理依頼は、2013年3月3日のBLOGの内容をご覧になり、メールにてご連絡ください。

KWM-380 修理 その3

2017-10-29 | Weblog
KWMー380 の修理の続きです。

VFOをどちらに回しても、周波数が上がります。
まず、どう言う制御をしているのかを回路図で確認します。

エンコーダーのパルスから時計回りでUPだよと言う信号を作り
エンコーダーのパルスで周波数をUP方向に可変。
反時計回りだと、DOWNだよと言う信号を作り、エンコーダーのパルスで
周波数をDOWN方向に可変。

オシロスコープで見ると、エンコーダーのパルスは正常に出力されていますが
UPだよ、DOWNだよという信号が「UPだよ」に固定されています。

ICが壊れているのかと思ったら、パターンをカットしてジャンパー線で
何やら改造されています。



その回路を追いかけて見ると、動作通りの「UPだよ」に固定です。
何の目的でそう言う改造をされたのかは不明.....
こだわりがあって、絶対にどっちに回してもUPだ!って方いませんよね。
何かあって、ここがおかしいと思って改造されたのだろうと思いますが
まったくのハズレです。
この改造をされている途中で、UNLOCKが出て動作しなくなり
改造途中で白旗、そして売却と言うのが私の推理です。

怪しい改造を元に戻して、一件落着。
ちゃんとVFOで周波数がUP,DOWN出来るようになりました。

そう言えば、マイクの捜索がまだですので、送信の試験ができません。
いきなり電鍵を繋いでパワーを出す勇気はありませんので、マイクからの
小信号でパワーが出ているかどうか確認したいのです。

金属っぽいマイク、どこかで見たよなぁ....
マイクプラグのPJ-068は随分昔に購入したのがあるので、マイクを探すより
これで作った方が早そうです。でもマイクはどこかにしまったんだけどなあ。



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KWM-380 修理 その2

2017-10-22 | Weblog
KWM-380 の修理の続きです。

PLLユニットを測定したいのですが、基板に挿さっているケーブルが短かくて
見たいポイントが測定出来ないので、延長ケーブルを製作しました。
これでやっと見たいポイントにオシロスコープのプローブが届くようになったので
測定開始です。
確かにUNLOCK信号が出ています。

修理後、電気を入れて1分程度動作して、その後1度も復活することがありません。
微妙なコイルのコアの位置か?
現在のようなPLL専用ICではなく、ロジックICで組んであるので、回路図片手に
追いかけ回します。
こんなの良く設計しましたね。感動します!

ちょっと待てよ、電源ONで
00.000.00
15.000.00じゃないのはなぜ?
CPUユニットからPLLに00.000.00の信号が来ているのか?
まずはCPUユニットの動作を確認しよう。
あれ?CPUにクロックが来ていない....
それは動かないはずです。CPUが動作していないのですから。

今度はCPUユニットを追いかけます。
いつもながらの危ない状態で測定です。


不良ICを見つけて交換。


直った!ピピピピが消え、周波数表示が出ました。



SGから信号を入れて確認すると、感度も良さそうですが
まだ不具合が残っています。それはVFOをどちらに回しても
周波数が上がります。
エンコーダーの不良なのか、基板の不良なのか、来週はここから始めます。

そう言えば、送信の試験もしていません。
どこかにマイクもあったはずだが、探さないといけません。

先は長そうです....



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TS-930S 修理

2017-10-15 | Weblog
TS-930S の修理です。

購入してずっと保管されていて、久しぶりに電気を入れて
送信してみたら、電波が出ないとの事。

届いて梱包を解き、丁寧にプチプチに包まれていたのを出してみると
右前脚の部分がへこんでいます。




昔の高級機は、大きなトランスが載っているので結構な重量があります。
底面の梱包財が少なかったようですので、衝撃を脚で受けてケースが
へこんだようです。
専用箱を処分されている場合は、上面よりもむしろ底面にこれでもかと
言う程の梱包剤を入れる必要があります。

今までに何度か経験していますが、
・脚が粉砕して2つや3つに分解している
・ケースがへこんでいる
・ロントパネルが割れている
などなど。



いよいよ問題の 「送信が出来ない」の原因を探します。

この機種であるトラブルはある程度は把握しているつもりなので
一番厄介なトラブルを想定して、ファイナルへの電源経路を経って、電圧チェック。
37.5Vあります。規定値は28Vです。あーーーー、あれか!
ファイナルユニットを取り外して見ると



はい、正解 トランジスタが燃えています。ひびが入ってパックリと口をあけています。
幻の部品ですので、国内での入手は難しいでしょう。海外通販では入手できそうですが
送料が高い!
さらに電源基板の部品も多数故障、ファイナルのトランジスタ生きているかどうかは現時点では
不明です。ファイナルのトランジスタが無事だとしても、電源基板の交換部品点数を
考えると、結構な金額になってしまいそうです。
中古で動作品のTS-930Sが買える金額になりそうです。

2014年後半にBLOGに書いたような大掛かりな改造をすれば
現行の石で置き換えが出来ますが、大改造になるので
これまたコストがかかります。その旨オーナーさんにご連絡。

受信機として活用するか、高額修理になるのであきらめるのが良いと思う旨メールして
返却するのか、修理続行かお尋ねした所、部品取り用に活用してくださいとの事
でしたので、ありがたく活用させて頂く事にしました。

お父様やローカルさんの形見なのでどうしても修理したいと言われる
ケースがあるので、こちらとしては何とも言えない場合が多いのですが
特にそういう特別な理由が無いなら、無理をして高額な修理費を
払ってまで深追いする必要は無いと思います。
ファイナル基板手前までだったら、部品代数百円で済むのですが
残念ながら一番お金のかかる部分が壊れているので、仕方ないですね。

点検費用を払うのでと言う申し出があったのですが
修理の規定に書いている通り、直らなければ ¥0 です。
業者さんはその費用を請求されるでしょうが、素人無線機修理ですので
直らないものに「金を払え!」なんてあつかましいことは申しません。

オーナーさんには申し訳ない結果に終わりましたが、当方の設計した無線機では
ありませんので、お許しください。
TS-930の電源ユニットに安定化電源のような過電流保護があればと思うのは
私だけでは無いはず......

KWM-380の修理が延び延びになっています、来週はそれをやるつもりですが
お困りの方がいらっしゃれば、それを優先しますので、あくまでも予定です。


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FT-850 修理

2017-10-08 | Weblog
FT-850 の修理です。

今週は KWM-380 の続きをやる予定でしたが、以前お譲りした無線機の
メインダイヤルが硬くなって回らないとのメールを頂いたので、無理をして
回さないで、のまま至急お送りくださいと連絡し、届きましたので
緊急修理です。

少し位は回るんだろうと思っていましたが、普通の力ではビクともしません。
少し動いたか?と思ったが、手の感触からVFOのつまみのネジが負けて
シエンコーダーのシャフト上を空回りしている感じです。
これはまずい、全く動かないのでこれ以上力を入れると
エンコーダーを破壊してしまう可能性があるので、作戦変更です。

つまみを外し、VFOのロータリーエンコーダーを外します。




同じ物が入手出来そうに無いので、代替品でとも思いましたが
エンコーダーを取り付けてある位置にはプリント基板があり、エンコーダーの
大きさ+アルファで基板を加工してあるので、今のエンコーダーより
大きいものは入りません。
交換と言う選択肢がなくなったので、残るはエンコーダー自体の
修理しかありません。

手を油だらけにしながら格闘!

従来の柔らかさを取り戻せたので、元の位置に実装。


壊してしまうと部品が無いという重圧があり、緊張した作業でした。
少し重くなったと感じたら、すぐにお送りいただくとここまで分解せずに
短時間で修理できますし、エンコーダーを壊してしまう確率も随分と低くなります。




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KWM-380 修理

2017-10-01 | Weblog
KWM-380 の修理です。

購入時のメールを調べてみると、もう8年経過しているようです。
症状は「送受不可」との事らしいのですが、購入してから電源は
入れず、棚に飾って眺めて楽しんでいたのですが、5年前にこの無線機から
異臭がするようになりました。



電解コンデンサの液漏れの予感がしたので、ケースを外して目視検査。
見た目は問題ないので今度は鼻でクンクン。
やはり電解コンデンサがあやしい。しかし電解コンデンサは隣り合わせに
2つあるので、どちらからかは鼻だけでは分かりません。
両方交換しようと購入したのは良いのですが、そのまま放置。
液漏れが目視で確認出来るなら、これはヤバイ事になると、すぐに
交換するのですが、液状のものが見えないの小さな穴が開いて
ガスが出たか?と、そのまま倉庫行き。

いつも同じ無線機ばかりで、飽きてきたのでたまにはやった事の無い
無線機を触りたいなあと考えていたら、そうだ KWM-380 があったよなあと
思い出した次第です。

電解コンデンサの交換前の画像

購入してあった電解コンデンサを確認すると、しまったサイズが違うので
固定金具を買うのを忘れた!
とりあえず、借り止めで。
12,000μFの方は、直径が同じなのでそのまま乗せ代え、ただし高さが違うので
工夫が必要ですが、72,000μFの方は直径が1インチ小さいので固定具を
購入する必要があります。

小さい方の電解コンデンサを交換しようとしたら、ゲゲッ! ドライバーが入らない。
ネジがリア側からじゃないと回せない。
と、言う事でリアパネルを倒して交換する事にしました。


ビールの缶は、飲みながら作業したので、酔っ払って転がしている訳ではありません。
本体側を高くしないと、ドライバーが入らないので、「かませ物」にしているだけです...

電解コンデンサの固定金具が、シャーシにタッピングビスで固定してあるなら、ロイングドライバーで
上部からネジを外せるのですが、シャーシに穴をあけて、固定ビスをナットがけしてあるので
それらを外すより固定金具を緩めるほうが簡単なので、リアパネルを外しました。
多分インチネジなので、ボックスレンチも持っていませんし....

リアパネルを倒したついでに、ファイナルユニットを眺めてみました。


え、ファイナルトランジスタの配置が斜め!
おもしろい作りです。
シルク印刷が無いので、部品交換はサービスマニュアルを見ながら確認しないと
いけないようですね。

しまった、電解コンデンサ交換後の写真を撮り忘れました。
見えにくいですが、ここに写っていました。
上の画像の左上に強烈なブルーが見えます。それが交換後の
小さい方のコンデンサです。高さが約半分になりました。

外した電解コンデンサを確認すると、大きい電解コンデンサの端子辺りが
黄色く汚れています。ティッシュにアルコールをつけて拭いてみると
ティッシュが黄色くなります。小さいほうは何ともありませんでした。
各々臭いをかぐと、小さい方がその異臭が強く、隣りあわせなので
臭いが移ったのか?それとも同じメーカーの物のようなので
両方とも漏れたのか。測定器で容量を測ってみましたが
容量抜けはしていませんでした。
まあ、電解コンデンサは新鮮な方が良いので、遅かれ早かれ交換するので
良い機会ではありました。



パチッとか、煙があがるとかの異常事態が発生しない事を祈りながら
とりあえず電源ON。

表示が出て、ノイズも聞こえる。どうやら大丈夫そう。
あれ?VFOをどちらに回してもUP、UP、UP。
SGから信号を入れて、信号を確認しようとしたその瞬間、
周波数表示が「00.000.00]になってスピーカーから
「ピピピピピピピピ・・・・・・・」のUNLOCKの知らせが。


そうか、送受不能ってPLLのUNLOCKの事だったのか。


MHzの10の位が欠けているのは、表示機の不具合か?仕様か?
でもこの桁は1,2,3しか表示しない箇所なので関係ないのですが気になります。
これは最後にしよう。

PLLユニットを確認したかったのですが、ユニットが縦にささっていて
引っ張り上げた状態で測定しなければならないのですが
そうすると、一部ケーブルが短くてPLLユニットが測定できませんので
延長ケーブルを作らなくてはならなくなりましたが、材料が無いので
入手するまでこの先の作業は 「おあずけ」 となりました。


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