JR4GPAの「つぶやき」

JR4GPA の「つぶやき」です。修理依頼は、2013年3月3日のBLOGをご覧ください。

修理依頼について

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FT-1000MP MARK-V リードリレー 修理

2021-12-25 | Weblog
FT-1000MP MARK-V に使われているリードリレーの修理です。

雷様が通過してしまい、リレー内部の接点が破壊されていたので、代替えリレーで修理しました。
どんな風に壊れているのか取り外したリードリレーを分解してみました。
そのまま捨てるつもりでしたが、この接点部分の部品ならどこかにあったはずと
探してみたらありました。何でこんな物持っているか?それはある工作で使う予定でしたが
その工作が進んでいないので保管してあったのです。


上が破壊された接点部分 下が部品箱から発掘した接点部分
OFF時の接点間隔がちょっと狭いかな?



このTC-112NVと言うリードリレーの仕様が分かりませんので、修理したリレーの性能が同等なのか
劣っているのかさっぱり分かりませんが、入手できるTC-112NVと似たようなサイズのリードリレーの
仕様と比べて見ると、この接点は遜色は無い様に思えます。
送信時200Wの信号が通過していて、そこにリレーの接点の片側がつながっていますので
接点間を雷のようにスパークして送信波が飛び込んでしまったら受信部が破壊されます。
接点間隔が広い方が安心していられるのです。
空気中じゃなくて、窒素ガスが封入されているのである程度安心と言えば安心なのですが。

定格からすると、DC150V 0.5AがON/OFF出来るようですが、高周波だとどうなのか
情報が無いのでやってみるしかありません。


青いテープの中心部に接点部を挿入します。(以前のBLOGの画像を再使用)



今回組み込んだ接点の仕様は
・窒素ガス封入
・定格接点容量(DC):0.5A/150V
・接点抵抗:0.1Ω
・動作時間:0.5ms
・復帰時間:0.3ms


元に戻して、外から見ると分かりません!



次回修理することがあったら修理したこのリレーを組み込んでみたいと思います。(大バクチ!!!)

今回は代替えリレーで修理してしまったのと、基板を外すのが地獄の様な基板なので
もう一度分解して交換する気にはなれません.....
だから 「次回修理することがあったら」 なのです!

もう分解しなければならない故障が無い事を祈るのみです。


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FT-1000MP MARK-V 修理 最終

2021-12-18 | Weblog
FT-1000MP MARK-V の修理の続きです。

TUNER-MAIN UNITを外して、不良部品確定の物はすべて交換しました。
しかし雷が通過したとなると、部品の絶対最大定格を超えたものは
見た目では何ともなくても、内部で破壊されている可能性があります。
データシートを片手に、壊れているであろう部品の選定に入ります。


コンデンサ、ダイオードなど、数点が候補に上がりました。
入手も難しくなく、単価も安い物なので怪しい部品はおしみなく交換しておきました。
それらの部品を測定して見ると、確かに内部破壊されているものもありました。
その反面、全く異常がなく、「すげー、耐えたんかい!」と言う部品もありました。


TUNER-MAIN UNITは直ったと思われますので、組み立てて次のユニットにかかりますが
本当に直っていると言う保証は無いので、前回の4本の線の半田付けはせずに元に戻します。
半田付けしてから不具合を発見すると、またあの作業を繰り返さないといけませんので......

次はいよいよRF UNITの割れたダイオードの交換です。


FT-1000MP MARK-V (その1)の画像を再度



このダイオードの交換はそんなに難しくないのですが、もう一つ測定して壊れていると
判断したダイオードは、リレーが邪魔をして交換できません。


以前違う機種で。ユーザーが何か部品を交換しようとしたらしく、その部品に集中して半田ごてを
当てたら、リレーのケースに半田ごてが接触してリレーのケースを溶かしてしまい、リレーの接点が解けた樹脂で
固定されてしまい、修理をあきらめてしまったらしい無線機を中古無線機屋さんで購入したことがあります。
たった一つの部品交換でも、細心に注意を払わないと、ジャンクになってしまいます。
他にも、リレーが外れないので、長時間半田ごてを当てたらしく、コイルの髪の毛より細い線を
溶かしてしまったと言う、笑えない無線機も購入したことがありました。
素早く外さないと、壊してしまいます。


まず、邪魔になるリレーを素早く外します。



半田ごてが入るようになったので。不良部品を交換して、リレーを戻します。



これで交換作業は終了で、直っているはずです。
なんていつも騙されるんですよね。あーーーやっちまった、あれも交換し解きゃよかったってね!

雷様の通過した無線機は、回路図でここと、こことなんて考えただけでは解決しませんので
電源を入れてみるしかありません。

組み立てて、パワーON。
煙が上がらないか、炸裂音はしないか、異臭はしないかなど神経を集中して最新の注意を払います。
当然右手は電源スイッチがすぐ切れるように、スイッチから手を放しません。

異常がなさそうなので、SGから信号を入れて感度の確認です。
問題ありません。1.8MHzから28MHzまでのアマチュアバンドの感度はすべてよし。
アンテナA,、アンテナBも確認します。ここも問題ありません。
一番最初に雷様が通過したとこなので、切り替えリレーの接点溶着を考えましたが
問題ありません。アイソレーションも問題ないようです。


感度極悪から復活です!



次に送信はどうか試験をします。
チューナーOFF よしっ!
これを確認しないと、TUNER-MAIN UNITの電線4本をまだ半田付けしていませんので。

ダミーロードを繋いで、パワーをじわっと上げて行きます。
200Wちゃんと出て問題ありません。
ここまで確認が出来ると、もう先程の4本を半田付けしても良いでしょう。
最後にチューナーをONにして、チューニング動作を確認して作業終了です。

出来たーーーーーー!


今回交換した部品の一部です。


大きさの比較に、右の棒状の物は0.5mmのシャープペンシルの芯です。
素人に出来る部品の限界ですね。最近の無線機はまず直せません。
無線機も他の家電のように壊れた基板ごと交換、修理受付終了後は壊れたら粗大ごみと言う道を
たどるのでしょうかね。それとも神業的交換ができる方が修理をしてくれるのかもしれません。
その頃には私はこの世にいないか......


今回の無線機は落雷品なので、メーカーさんは見てくれないと思いますが、メーカー以外の業者さんにお願いすると
時間単価xx円、半日xx円とか一日xx円で換算されると思います。
それを考えると、ざっくり4万円から8万位の作業ではないかと想像します。(勝手に想像!)
自分で交換したので、部品代は¥2,000程度でした!
フロントパネルを外したり、複数の基板を外したり、これらの地獄のような作業を
考えると、完璧に仕上げてくれる業者さんの値段は妥当かも知れませんね。

素人修理人は、壊れたら「部品取り」と腹をくくって作業しますので。HI
直ればラッキー、直らなければジャンク!

楽しく遊べました。棚の飾りがまた増えました......





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FT-1000MP MARK-V 修理 その2

2021-12-04 | Weblog
FT-1000MP MARK-V の修理の続きです。

RF UNITの途中から信号を入れると、元気良くSメーターを振らせて受信しているのが
分かった所で、ふと目を向けるとアレスターがスパークしたように見えます。





ん?





「自爆」だとしたら、ここのアレスターはスパークしないはず。
だとすると、ゲゲッ 雷だ!

さらに調べて行くと、その後の回路に入っている放電電圧の低いアレスターは炸裂していました。





このアレスターの前にリードリレーがありますので、接点が融着している可能性があります。
なるほど、それでRFユニットまで到達してダイオードが割れていたんだ。

でも、前回試験したRF UNITの途中にSGから信号を入れてやると、感度が良い事から
近所に落雷があって、その「おこぼれ」を頂戴した程度だと考えられます。
以前見た落雷の無線機は、基板が黒焦げでかなり焼損していましたので
この無線機はまだましな方でしょう。

「自爆」と「雷」では壊れる部分が違ってきますので、雷様が通過したものとして
修理を進めて行きましょうか。

アレスターは普段は関係ない部分ですので、不良のアレスターは取り外して、とりあえずリアパネルのアンテナ端子から
信号を入れて、ちゃんと受信できるようにする所から始めて行きます。

この無線機に電源が入っていた時にやられたのか、電源を落としている時に
やられたのか、前オーナーから聞ける訳では無いので、両方をのケースを考えながら
修理を進めます。

まずはリードリレーを点検します。
下の画像は炸裂したアレスターがまだ実装されている画像です。
炸裂して基板に煙?が付着したのかアレスターの周りは真っ白になっています。
リレーの接点は絶望的....



このリレーを外して、単体で点検します。
ONさせると接点が導通しますが、OFFでも抵抗値が無限大になりません。
接点融着が疑われますので交換したいのですが、同じリレーは入手出来そうにもありませんので
データシート片手に入手出来そうで、実装出来そうなリレーを探します。
重要ポイントは、応答速度です。CWのフルブレークインを考慮しjなくてはなりません。
選定を誤って、「自爆」させるといけませんから......

不具合の状態を調べたいので、外したリレーを分解してみます。





心臓部の接点部分を取り外そうとすると、割れて分解してしまっています。






話は前後しますが、このリレーが載っている、TUNER-MAIN UNITは外すのが大変。これを修理した後に
元に戻すことを考えたら憂鬱です.....
下側のTUNER-CNTL UNITの基板のバリコン 2個から電線が伸びて、この基板に貫通しているのですが
その穴が小さいので、今までの電線4本がうまく貫通するわけがありません。
それに同軸が短いからコネクタに挿すのがさあ大変!
やった事のある方なら、ああ、あれね。そうそう大変なんだよねって言われるでしょう。

滅多に見る事の無い基板(TUNER CNTL UNIT) ですので、1枚載せておきます。



TUNER-MAIN UNITの修理が終わったので、元に戻します。
そのままの電線では4本の電線をうまく貫通させることが出来ませんでしたので
電線を交換して貫通にトライです。
ここで電線を同じ長さにすると、貫通させにくいので、長さを変えて半田付けします。





うまく元に戻せましたので、次はいよいよ問題のRF UNITと参ります。
今回も長文となりましたので、この続きはまた次回。


引っ張るなー!








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