TS-790S の修理です。
・430MHzは電源ONで数秒間だけ周波数表示が出て、その後消える
・144MHzは問題なし
・パワーコントロールつまみが360度回り、途中硬くなる箇所がある
パワーコントロールがあ一部分しか機能していない様子
・VFOが回転に対して追従していないような感じ
との事。
届いた無線機を早速通電チェック。
ご連絡頂いた通りでしたので、早速修理開始。
まずはパワーコントロールから調査する事に。
パワーコントロールのボリュームを摘出するためには、フロントパネルを外して
この状態にしなければ、ボリュームは外せません。
ボリュームを摘出
ボリュームが口を開けています。
つまみに損傷が無い事から、そんなにひどくぶつけたのではないようです。
特殊なボリュームですので、KENWOODに聞いて在庫があれば購入と言うのが
普通ですが、どうにか直らないかと分解して見ました。
部品は壊れていなかったので、位置を合わせながら組み立ててテスターで見てみると
ちゃんと回転角度に応じて抵抗値が変化しておりましたので、元の位置に戻してやると、
パワーコントロールが出来るようになりました。
次は430MHzのPLL UNLOCK。
どこがUNLOCKを出しているのか?
見つけましたが、どうやらユニット化されている部分。ゲゲ裏側になるから
測定出来ない......
メーカーならユニット交換ですが、そんな事は言ってられませんので、こんな感じで
測定しながら不良箇所を探します。
不良部品を交換し、UNLOCKが無くなり、周波数表示が出るようになりました。
これで調整が出来ると思ったのですが、VFOをクリック感のあり、なしに切り替えていると
振動でサブディスプレーのバックライトが点灯したり、消灯したり。
2個ある電球のうち、1個は消灯のまま。もう1個がそうなっているようでしたので、
LEDに交換しました。
もう1個、メーターにも電球が使われていますので、これもLEDに交換。
VFOの回転に対する周波数の追従については問題なし。
フロントパネル内にかなりごみが入っていましたので、清掃&帯電防止処理
そしてエアーで小さいゴミを吹き飛ばしながら組み立てました。
この機種の周波数表示部は、フロントパネルの透明なアクリル、そしてその裏に
もう一枚色の付いたアクリルをはめ込んであるので、その2枚のアクリルの中に
あるゴミを出すのが面倒なのです。多くの機種では2重になっていないので
清掃が楽なのですが。
・基準周波数調整
・144MHz PLLユニット調整
・430MHz PLLユニット調整
をはじめとして、各部調整をして作業終了。