JR4GPAの「つぶやき」

JR4GPA の「つぶやき」です。修理依頼は、2013年3月3日のBLOGをご覧ください。

修理依頼について

修理依頼は、2013年3月3日のBLOGの内容をご覧になり、メールにてご連絡ください。

今年は はずれ年 !!

2021-04-18 | Weblog
今年は、無線機修理の はずれ年 です。

1件目
 2台の無線機を修理をして欲しいと言われたので、お送りいただいたのですが
 1梱包に2台を入れられていました。それは普通の事で問題無いのですが
 梱包材がほとんど入れて無く、無線機はプチプチなどに包む事なく、そのまま入れてあったので
 無線機同士がぶつかりあって、つまみが破損したり、エンコーダーの軸が折れていたり
 フロントパネルを外せるタイプでしたが、そのロックレバーが吹き飛んでいました。
 当然、そんな修理を請け負ったわけではないので、修理不可で返送。

2件目
 大学時代の友人が、ある無線機を修理をしたが、調整をしてほしいとの事。
 修理後にオークションで高値で売ってやろうと言うような裏がある訳ではないので
 当然無料で請け負いました。
 届いて電源を入れてみましたが、電源が入りません。
 古い無線機であったのと、梱包材が少なかったので半田クラックまたは修理でかなり
 内部を触られていますので、電線が金属疲労で切れかかっていたのが、トラックでの輸送中に
 振動で切れたか.....
 こちらで電源が入るように修理して、それから調整という手もあるのですが
 かなり部品交換されていますので、こちらで勝手に触れません。
 相談の上、一度そのままお返しすることになりました。
 返却後、修理されたようですが、電源が入らないのは基板の半田クラック。
 さらに他の基板にも半田クラックが2点見つかったそうです。
 そして電源が入ったら、感度も極悪だそうで今も調査されています。

3件目
 頼まれ物で、3点ほど不具合を修理してほしいと。
 しっかりした梱包で、問題なく届きました。調子良く3点の修理を終え
 不具合の中の1点である 「高温になってもファンが回らない」と言うのを調べます。
 修理はヘヤードライヤーでセンサーの温度を上げて確認していました。
 本当に修理が出来ているか、実際にヒートシンクの温度を上げで確認する必要があるため
 ダミーロード相手に CWで V V V  V V V  V V V を2分ほど送信していたら
 ファイナルユニットから異臭が。
 一度やめて目視をしましたが焦げ、割れなどが見つからなかったので
 注意しながらもう一度パワーを下げてそーっとチャレンジ。やはり匂いが再び。
 このまま続けると、煙が上がるか、パーーーンと言う音が響き渡るでしょう。
 ファイナルユニットは、「頼まれ物は修理しない」と規定していますので作業中止で返送です。
 ファイナルユニットのトランジスタは、まず手に入らないし手に入っても高価で、さらに交換一発で
 直る可能性が低いのでリスクが高すぎます。

4件目
 ある所に送信不能と言う無線機が売りに出されていました。
 何が壊れているか興味津々で、面白そうなので購入。
 不良部品を交換して、送信出来るようになったので各部調整していると、なんか感度が悪いなあ....
 やられた、受信部も悪いじゃないか。そりゃあそうですよね、送信不能は
 書いてありましたが、受信部は正常とは書いてありませんでしたから。
 送信不能の後には 「受信も不良かもね」 って書かれていたものと思われます!?

4か月で4件もこんな外れを引いた年はありません。
今年は外れ年です!!

1件目、2件目の不具合のように、皆さん宅配便を軽視されすぎています。
「取扱い注意」のシールを張っておけば、作業員さんが、これは取扱注意の荷物だからと
いつもより慎重に作業してくれると勘違いされています。
あなたが作業員さんだったら、1日8時間も これは注意注意 なんてやりますか?
私だったら出来ません。だったら梱包で壊れるのを防ぐしかないと思います。
無線機の底面には、最低10cmは緩衝材を入れましょう。何も持っていなかったら
新聞紙、広告をぐちゃぐちゃにして丸めて敷き詰めるだけで運送中の振動で壊れる
リスクが下がります。
梱包が大きくなってワンサイズ上がったとしても¥300も違わないでしょう。
割れたり、へこんだり、壊れてしまったりしてゴミにしてしまうより
¥300ほど多く払った方が得しませんか?


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TS-600 2台目 修理 その2

2021-04-11 | Weblog
TS-600 の修理の続きです。

VFOの照明も納得できる様に工作が出来たので、いよいよ本来の
目的である、送受信できるように修理を始めます。

スイッチ類の接触不良が多くありますので、これを薬品で処理。
本来なら新品に交換したり、分解して清掃したりしたい所ですが
それは無理そうですので、薬品を吹きかけての処理です。
さらに、怪しいトランジスタのhfeを測定したり、電解コンデンサの容量抜け
チェックも行い、怪しい物は交換します。
これらの作業を行うと、送受信が出来る様になりました。


送受信できるようになると、色々不具合が見えてきます。
見つかった問題点は
 ・CW,FMでパワーが8W程度。少々少な目
 ・Sメーターが無信号時でもS2程度に振れたまま
 ・FMのセンターメーターが機能していない
 ・時々フロントパネルのSENDスイッチ、マイクのPTTで送信にならなくなる


それでは、調整して行きます。

まずはセンターメーターを調整。ここは難なく終了。


次にSメーターが振れたままなのは、Sメーター回路の調整不良です。



写真がひっくり返っているのは、Sメーターの調整ボリュームが底面にあるから
ひっくり返さないと調整できません。
サービスマニュアル通りに調整しようとしても、うまく調整できません。
そして、英語のサービスマニュアルと、日本語のサービスマニュアルでは違う事が書かれています。
サービスマニュアル2冊のバージョンと無線機のバージョンが違うのかもしれません。
そこで調整が出来るよう、2冊をミックスして考えます。
どうにか調整が出来て、良い感じに仕上がりました。
(と、思っているのはこの時だけ!!!)

パワーが低いのも調整してサービスマニュアルの規定の12Wに合わせます。

時々フロントパネルのSENDスイッチ、マイクのPTTで送信にならなくなるのを調査。
回路は単純で、接触不良しか考えられないので、リアパネルのショートプラグや
リレーの分解清掃、CALスイッチの薬品処理です。



その他、サービスマニュアルに従い各部調整を行い最終チェックです。
うーん良い感じに仕上がったと思いながら、FMでセンターメーターの確認をすると
あれ?さっき調整したはずなのにうまく動作していない!
無信号時にメーターがセンター付近にあるはずが、S2の付近にしかない。
センターメーターじゃないじゃないか.......
なんで?

回路図を眺めてみると、Sメーター回路とセンターメーター回路はいずれかのボリュームを
調整するとお互いに影響するようです。
あ、それで話がつながったぞ。
TS-600 の1台目の修理の時に、悩んだ所です。
それでTS-600の後期はその部分を改良して、基板を追加してあったんだ!
謎が解けました。
https://blog.goo.ne.jp/jr4gpa/e/07493fa10beb273f4cc92ddbeef16cd9


謎は解けても、これは初期のTS-600。こいつをどうにかしなければ。
Sメーターの振れはじめを低く抑えると、センターメーターがセンターまで振れないし
センターメーターをセンター以上に振らせてセンターになるように調整しようとすると
無信号時にSメーターが下がらないし、これは微妙な妥協点を探る必要があります。
どうにか妥協点を見つけて、調整しました。
部品の劣化でこんなに難しい事になっているのか、出荷時から
妥協点にセットしてあるのか分かりませんが、まあ難しい調整でした。

あと一息です。もう少し触って、納得出来たら1台はお嫁に出します。
欲しい方いますかね?まあ貫禄はありますから、飾りにはなりますか?
今月中には私のHPの売りますに掲載予定です。




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TS-600 2台目 修理

2021-04-04 | Weblog
先週までの TS-600 とは違うもう一台の TS-600 の修理です。

先週までの TS-600 は、残す所調整だけとなりましたので、調整デスクに移動させて
修理デスクには2台目の TS-600 を乗せました。

この TS-600 は開局当時に欲しかったRIGで
TS-520V
TS-700S
TS-600
TR-1300
TR-7500
などのRIGのカタログなんてのは、穴が開くほど眺めた機種です。
当時はインターネットなんてありませんので、無線雑誌やカタログを眺める時間は十分にありました!
で、結局親のすねをかじって、購入してもらったのは TS-520V でした。

やっと入手できたのは、今から10年。
TS-600 はいつか購入したいと思っていたのですが、人気があって動作品は手が出るような
金額では売られていませんでしたので、今まで購入はできませんでしたが
「送信も受信もしません、部品取り用にジャンクで」
と言う一品が出てきたので、飛びつきました。
購入できた!と言う喜びだけで、棚の飾りになっていたのですが
10年間熟成させました?ので、修理することにしました。

修理が終わったら、同じ無線機が複数あるものは処分しないと居場所がなくなります。
修理が出来ないようなら部品取りに回すなど、とにかく結論を出して
場所の確保をしなければなりません。
他にも、FT-900、FT-850、TS-440S、TS-940S、TS-930Sなどなど
同一機種が複数あるので、整備が終わったものから私のHPに掲載して
行きます。売れなかったらオークション行きですね。
まだ現役で働いていますので、なかなか整備が終わったら売るなんて
言っても時間が取れないので、3か月に1台出せればよい方かな。

前置きが長くなりましたが、修理の開始です。
煙が出たり、パチンと異音が聞こえないか注意しながら電源を投入です。
一応電源は入り、ホワイトノイズは出ますが、信号の受信はできていません。
送信も送信動作はするもののパワーは出ません。
当然かぁ!

お決まりのVFOの接触不良で、VFOを回すとFIX.CHのランプが
チカチカしています。





これはVFOの分解清掃をしないといけませんね。






VFOがちゃんと動作するようになったら、VFOのスケールの照明の電球が切れていましたので
ついでに交換したいところですが、このタイプの電球は持っていませんので、LED化をします。
と書くと簡単そうですが、それがまた大変。
何が大変かって?それはオリジナルの色に近づけたいからです。
黄色のLEDを緑色のスケールに当てるとアレレ?って色になります。

それなら白色のLEDなら良いだろうとやって見ると今度は中心を
示す黄色のバーが白っぽくなります。
これじゃ気に入らない。

そこで、緑色のスケールは白色LEDで、センターのバーは黄色のLEDでやったらどうか?




今度は緑色の部分に黄色のLEDの光が混ざって斑(まだら)になったので
黄色が混ざらないように遮蔽して、どうにか良い感じに仕上がりました。

しかしまだ気に入らん!

何が?

スケール全体が均一の明るさではなく、両端が暗い....
電球でもそうだったと思いますが、ここはもうひとひねりして、これでどうだ。




と、こんなくだらないことに拘るから、時間ばかり過ぎてゆくのです。
送受信できない問題はどうした?
時間切れです、また来週のお楽しみとなってしまいました。








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