JR4GPAの「つぶやき」

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本当に戻し忘れた?

2011-11-10 | Weblog
昔の高級品ですが、残念ながら落雷品が到着。落雷品じゃなかったら、こんな高級機が
ここにあるはずが無い.....かな。

メーカーに出したら、修理を断られた一品。

早速調査開始。受信はしているが送信は微弱。2W程度は出ていますので
どうにか無線機として使えそう。最悪は高級BCLラジオ!

ANT1とANT2を切り替えるリレーは、雷様がお通りになったようで
接点が溶着して、パターンが吹き飛んでいます。
とりあえず、リレーを外してANT1をLPF出力に直結。
ここで送信して見るも、やはりパワーは2W程度。

ファイナルユニットが壊れているのか、その前段が壊れているのかを
調べないと前に進まないので、ファイナルユニットにSGから信号を
入れて見ました。
すんなり50W出て来たので、もう少しSGの出力を上げると100W
以上出ています。壊れていませんでした。
ここが壊れていると、一番お金のかかる部分ですので、ホッとしました。

そうなると、ファイナルより前。基板を目視するも、怪しい箇所はありません。
ブロックダイアグラムを元に、高周波電子電圧計で測定して行くも
信号が極端に落ちるポイントも無く、サービスマニュアルにはレベルダイアグラムが
無いので行き詰まってしまいました。
一箇所怪しいのはALCのレベルが変。でもこれで正しいかどうかは
サービスマニュアルでは分かりません。設計者のみぞ知る。

重いのでやりたくなかったのですが、同じ機種を持っているので、仕方なくラックから
引っ張り出し、先ほどの測定データと比較する事に。これが一番早いですね。
怪しい箇所は2箇所。測定してみると、ビンゴ!!
回路図と自分の無線機の部品の値は同じなのに、落雷品は容量が1/3の物が
実装されていました。部品を交換した形跡はありませんので、最初からそれが実装されていた模様。
これを回路図通りの物にすると、バッチリパワーが出るようになりました。

これっておかしくないですか?本来動作していたはずの無線機が、落雷を受けて
動作しなくなったはず。しかし、基板の実装部品が回路図と違う事によって動作しない
と言うのは変ですね。落雷を受ける前まで新品の時から2Wで運用していた事になります。

ここで推測、
前ユーザーが落雷を受けメーカーに修理に出した
 ↓
メーカーでは落雷とは聞いていなくて、パワーが出ないものと思い修理開始
 ↓
複数ある基板のどれがおかしいか分からないので、修理用の動作する基板(本当は動作していない間違いのある基板)と
交換してみた
 ↓
これを替えても駄目、あれを替えても駄目、その時ANT1、ANT2の切替リレーの
黒こげを発見
 ↓
落雷で修理NGで返却する事にした
 ↓
本来なら、お客さんの基板に戻すところを1枚だけ忘れてしまって返却

こんな感じですか。元に戻し忘れた基板には重要な部品実装ミスがある基板で
あった訳です。

基板を本当に元に戻し忘れたのか、この基板は新品なんだがパワーが出ないんだよなー、どうせ返却しても
使えないんだから、こっちの動く基板とこっそり入れ替えちゃえと、動作するお客さんの基板と
こっそり入れ替えたのかは分かりませんが、なんて勘ぐってしまいますね。
あなたなら、どう推測しますか?

と悪口を書いたので、写真の掲載と無線機の型式の記載は出来ません!

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