DAIWAの安定化電源 PS-304 の修理です。
購入したのは数年前で、調べて見ると故障箇所がトランス自体だったので
そのまま放置していました。
電源を入れると、ヒューズが飛びます。
普通に飛ぶのでは無く、「過激」 に飛びます。
そして色々調べて見ても問題が無いのでヒューズを取り替えて
電源を入れるとちゃんと数分間動作します。
何か繋ぐのも気持ち悪いので、そのまま通電していると
またヒューズが、 「過激」 に飛びます。
え、何で?
色々ごそごそやってやっとたどり着いたのが、トランスです。
1次側と2次側がショートしています。
チェックすると、ショートしたりしなかったりしています。
回路図を眺めて見ると、2次側は17.5vと5Vが出ています。
そんな変わったトランスは持っていませんので、回路の変更で
対応しました。
載せたトランスは 22.5V 7.5A が二回路の物。
PS-304は30Aの電源ですが、半分の15Aの電源になります。
トランスの大きさからして、30Aとまでは言いませんが
20Aや25Aは行けそうですが.....
自然空冷ですし、無線機修理や実験用として使う事にします。
良く中古で電源が出ていて、
「ファンレスなので音が静かです」
とか書かれていますが、本当にそうでしょうか?
ちょこちょこっと電波は出すけど、殆ど受信しかしないという方にはその通り
だと思いますが、100W機でも繋いで、CQコンテストなんて数時間も
運用し続ける方は、触れないくらい熱くなります。
放熱板にFANをつけて冷却して、これで長時間運用も大丈夫と
言うBLOGも見かけますが、トランス自体の発熱を忘れていませんか?
トランスを載せ換えて、2次側の電圧が上がったので、忘れてはいけないのが
電解コンデンサの耐圧。
実測すると、耐圧が1V足りません。もう1ボルト低ければなんて
言いません。ぎりぎり一杯で使うとろくな事はありません。
2/3位で使いたいので、耐圧に余裕のある物で、信頼のあるメーカーの物に交換。
4,700μFが8本の合計37,600μFが付いていましたが
10,000μFを3本の合計30,000μFに変更しました。
基板が工夫されていて、色々なサイズの電解コンデンサが実装出来るようになって
いたので、追加加工せずに済むので助かりました。
修理中に何やら電解コンデンサがパンクした時に舞い散るゴミが内部にあるので
何かと思っていたら、出力端子にあるはずの220μFがリードだけ残して
跡形がありません。その周りにパンクした時のゴミも付着しています。
怪しい....
推測ですが、これは落雷品で雷様が無線機のアンテナから入り、電源ラインを通過
電源の13.8V端子からトランスの巻き線間を通過する時に巻線の絶縁被服を
破壊してACラインに抜けたのではと想像します。
そのため、雷が通過した場所で、トランスの1次側と2次側が絶縁被服が無い状態で
ほんのわずか離れているので、電源が入るのですが、しばらく通電していると熱か振動で
巻線同士が接触した瞬間にヒューズが飛ぶと言う事で説明が付くと思います。
これが中古の恐ろしさ。結局「動作しません」で片付けられていますから。
もしこんなのを無線機に繋いで試験なんぞしたら、無線機がゴミに
なるかもしれませんから。
また TS-930S の修理が先送りになりました。来週こそ。