JR4GPAの「つぶやき」

JR4GPA の「つぶやき」です。修理依頼は、2013年3月3日のBLOGをご覧ください。

IC-1271 修理

2018-06-17 | Weblog
IC-1271 の修理です。

送信して、受信動作に入ったら信号が極端に弱くなり
電源をOFFしてONすると感度が戻ると言う物。

電源を入れて見て、送受信を繰り返しても現象は出ません。
現象が出なければ、手も足も出ません.....

もう少し詳しくメールで尋ねると、モードはFMであったとの事。
SGから信号を入れて、ごそごそやっていると感度が落ちました。
その時でもSSBでは感度バッチリ。送受信してないけど?
これの事か?

メイン基板を外してFMだけに関係する回路を目視すると、半田の怪しい所が
あったので再半田。FMで感度復活。
でもこれが電源OFF/ONで復活するに繋がる故障とは思えません。

諦めずにごそごそやっていると、やっと現象が出ました。
その時には同軸リレーの接点が受信でも送信のポジションにあります。

これだ!

本当に電源OFF/ONで復旧します。
ラッチングトランジスタ!と喜んでいる場合ではありません。
これは同軸リレーをドライブするトランジスタが壊れていてOFFできないんだ。
と、その時は思い込んでしまいました。
しかしそのトランジスタを交換しても現象は変わらず。

え?

測定すると、ベースに0.72Vかかっています。そりゃあONだな。



電源専用ICでコントロール端子に信号を入れると受信用8V、送信用8Vが
切り替わって出てくるICが採用されています。
それは無線機にピッタリの仕様で、使わない手は無いでしょうと言わんばかりのICです。
しかし、そんな特殊なICを使われると、年月が経つと入手出来ないのはご存知の通り。
データシートを見ると、受信時には本来なら0.2V以下らしいのですがそれが0.72Vです。
他に影響が出ていないので、とりあえずドライブのトランジスタに
小細工をして0.7Vでも同軸リレーが正常に動作するようにしました。

本当に専用ICが0.7Vを出しているのか、他の部品が壊れて
その影響で0.7Vがかかっているのかは調べないと分かりませんが
そのラインにぶら下がっている部品が多すぎて、そこまでは.....
専用ICの足をちょいと浮かせて調べれば分かるのですが、それもまた大変な作業。
今回は妥協しました。

ざっと調整もしましたが送受信共に40MHzも帯域のある1200MHzで
たったあれだけの調整ポイントでフラットに仕上げるなんて神業ですね。
私には出来ませんでした。
サービスマニュアルの通りに調整しても、ここが10Wでここは7W、おっとここで
また10Wと山なりの特性ではなく うねり ます。

前にも違う方のを調製しましたが同じような感じでした。


そして、一番の問題は、基準周波数を合わせようとしても
サービスマニュアルに書かれている調整ポイントはシールドケースの中。


普通なら、シールドケースの蓋が外せる構造なのですが、基板の
半田面の半田を外さなければそのシールドケースは外せません。
そしてその基板には電線が多数来ていて、とても半田面に
半田ごてを入れるなんて無理でしょう。

と、言う事で、修理調整をする無線機で、一番妥協しなければならない
機種と自分では思っています。
この機種に関しては、調整での深追いはしません!



この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« FT-900 修理 | トップ | TS-520S 修理 その5 »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事