JR4GPAの「つぶやき」

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TS-940S 修理 その2

2022-03-01 | Weblog
TS-940S の修理の続きです。

間にFT-1000MP Mark-Vの修理をしていたので、TS-940Sの修理が
遅れてしまいました。

ファイナルユニットの部品交換を終えましたが、本体が動作しない事には
出番がありません。
PLLの不具合ですので、少しでも軽くするために、ファイナルユニットは
元に戻さず調査開始です。

この機種、PLLユニットに余裕がなかったのか、ひとつのループのVCOが
RFユニットに実装されています。
下限から9MHzまでのVCOがうまく動作していないません。
6MHzから上は良いのですが、それ以下だとUNLOCKが出なくても
復調音がおかしくなります。

VCOのバリキャップ、FETを疑いましたが、問題はありません。
良く言われているコイルを調整したいのですが、L74、L75、L76と
3つもあるので、多くの方がやっている 「適当に回して見る」
なんてやってもBPFなので、どこが最良点なのかが分かりませんから
トラジェネとスペアナを繋いで、サービスマニュアルのような波形になるように
調整してみました。




サービスマニュアルだと、高い周波数側がかなり上がった波形になっていますが
コイルを調整してもそのようにはなりませんでした。
今回問題なのは下側の周波数ですが、レベル的に高いバンドと変わりありませんので
ここはこれで良しとします。

これでUNLOCK解消かと思いましたが、まだ若干PLLへのフィードバックの信号レベルが
不足していますので、部品の定数変更でレベル確保を行い、一部の周波数に出ていたUNLOCKが
無くなり、全周波数LOCKとなりました。めでたし、めでたし。

ここでPAユニットを元に戻し、出力確認ですが、出力が足りません。
バンドごとに違い20Wから80Wしかありません。
はあ....

測定器で追いかけて、再調整をすると見事各バンド約100Wとなりました。
が、しかし24MHzと28MHzでSSBにして、マイクに向かって
「アーーーー」と言うと、パワーがバーーーーーンと上がります。
ヤバイヤバイ、そうです、「発振」しています。
えーーーーー。

ここは慌てず、経験から不良部品の交換で対処。
発振が止まりました。

また問題が発生しました。
何度もRFユニットを外したり、取り付けたりしていたら、コネクタが抜けました。
あーーー、アース線をつまんで圧着してないじゃないか。
高周波ですよ!



ちゃんとコネクタ圧着時にアース線をつまんでおきました。


他の個所も怪しかったので、取り替えました。







これで、一応まともに動作するようになりましたので、次の休みは調整を行います。
まだ、どんな不具合が飛び出すかわかりませんので、安心は出来ませんが
やっとゴールが見えてきました。
この時代の無線機は、自分で修理出来るのがありがたいですね。

さあ、もう一息!







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