TS-440S の修理です。
リアパネルのコネクタに、色々配線をしたら送信できなくなったと言う故障。
REMOTEコネクタとACC2コネクタに配線していたとの事。
配線を外して、無線機単体にしてみてもらいましたが、やはり送信状態に
してもTXランプは点灯しないし、電波も出ないとの事。
メールではこれ以上の事は分かりませんので、お送り頂く事に。
宅配便で届いたので、早速通電試験。
やはり送信出来ない......
リアパネルのコネクタで何かやって送信できなくなったのは間違い無さそうなので調査開始。
一番怪しいのは、REMOTEコネクタの+12V端子をショートさせているのではないか?
と、言う推測を立てて、回路図を追いかけます。
なるほど、やはり+12Vが出ていません。
回路図からすると、基板上のコネクタに+12Vが出ているはずだが。
何か違う、もしかして回路図と違う?と基板をひっくり返すと、ショートさせたら
内部回路を保護できるように部品が追加されていました。
同じような事故が多いので、部品を追加したのか?
しかし、肝心のその部品が「耐えて」しまっていて、その上流側の部品が
壊れています。ここはヒューズかポリスイッチが良かったんだが。
ショートさせなければ良い訳だし、みんなが使う端子でもないので、ここにお金はかけられなかったのかな。
自分のTS-440Sの同じ箇所を調べたら、追加されていた部品はありませんでした。
同じようにショートさせたら、もしかして保護してくれるかもと言う期待は全く出来ない回路でした!
壊れた部品を交換。
送信出来るようになりました。
リアコネクタに間違えた信号が入ったのが、何なのかは不明ですので今回の故障の元となった
REMOTEコネクタとACC2コネクタの動作確認を行いました。
返却後、まだおかしいといわれても、外部のI/Fが壊れてしまっているのか
他にも無線機内部の部品が壊れているのかが分かりませんので、無線機側の
疑いをなくす為に調査しました。
REMOTEコネクタのTX時に短絡する端子があるのですが、短絡しても1.6MΩもあります。
ここは、内部のリレー接点がそのまま端子に出て来ていますので完全にリレーの接触不良です。
この当時の無線機に良く使われているリレーで、良く接触不良を起こします。
分解して接点の清掃を行いました。
これで、ちゃんとTX時ショートとなりました。
REMOTEコネクタ、ACC2コネクタの他の信号も外部から信号を入れたり、内部から出てくる
信号を確認しましたが異常がありません。
基準信号を測定すると36Hzしかズレておらず、良い状態でしたが
規定値に合わせておきました。
感度良し、パワー良し いやちょっと出すぎの125Wでしたが200Wのリニアを
接続されるとの事で、多分軽く押してALCをかけるのでしょうからフルパワー出る事は
無さそうですので問題無いでしょう。
モードをCWにして、フロントパネルのSENDボタンをON
TXランプが点灯そして100Wが出力されている画像です。
大切にされていた無線機が壊れて、がっかりされていましたが、復活したので
また可愛がって貰える事でしょう。
もうここに戻ってこないでねーーー。