JR4GPAの「つぶやき」

JR4GPA の「つぶやき」です。修理依頼は、2013年3月3日のBLOGをご覧ください。

修理依頼について

修理依頼は、2013年3月3日のBLOGの内容をご覧になり、メールにてご連絡ください。

HT-750 修理

2018-02-25 | Weblog
HT-750 の修理です。

東京ハイパワーが販売された無線機で、小さな筐体で7MHz、21MHz、50MHzが
運用できるようになっています。

回路図はあるのですが、サービスマニュアルが無いので回路図から各所のレベルや
周波数を読み取っての修理が必要です。

出力が定格では
・7MHz、21MHz 3W
・50MHz 2W
ですが、CWで0.6W SSBで1.5W程度しか出ていません。
測定したいのですが、ファイナルユニットのプリドライバー、ドライバーの
トランジスタは一杯まで押し込んで半田付けしてあり、リードが
出ていませんので、測定できません。
それでは、基板を裏返してそこで当たろうとすると、今度は
ファイナルのトランジスタが筐体にネジ止めしてあるのでそれを外さないといけません。
そのネジは画像中央のトランスの真下にありますので、トランスの5箇所の
半田を外さないといけません。



外すとこうなります。


トランスを外していますので、このままでは送信できませんし、
ファイナルの放熱板がありませんので、何か放熱板を仮に取り付けないと
昇天してしまいます。
測定したい箇所からリードを出して、元に戻して測定、そして測定が終わると
またそのリードを除去するために同じように分解しなければなりません。

さらに、こんな事を繰り返していたら、細い電線が金属疲労で切れてしまいますので
1、2回で終わらさなければなりません。

その前に、トランジスタを外して生きているか測定してみました。
どれも正常な数値を示していました....

そうなると、あやしいのはもっと手前ですので、メインユニット側をチェックします。
電池ケースを外すと、メインユニットの半田面が出てきます。



これで測定出来ると思われるでしょうが、上の画像の右手を見ていただくと
先程のファイナルユニットが電池ケースと一緒になっていて180度向こうに倒れているのが
見えると思います。

そして裏面にものすごい数のチップ部品。


回路図しかありません。
シルク印刷にR番号、C番号などは無く、四角いマークだけです。
そして、チップ部品の抵抗には抵抗値が印刷されていますが
コンデンサには何も表示が無いのと、トランジスタ、FETには略記号で型式とは無関係な
記号が印刷されていますので、表面(部品面)の分かる部品と、裏面(半田面)の抵抗値を頼りに
両面基板のパターンを追いかけながら測定ポイントを探さなくてはなりません。
さらに、部品が小さくオシロスコープのピン先がちょっとずれただけで、隣とショートしますので
気の抜けない作業です。

電気を入れたまま目的のポイントは危なくて探せませんので、電源を切ります。
そうすると、ここのポイントを測定しようと思って電源を入れると無線機は
初期状態に戻っていますので、7.0000MHz LSBに戻っています。
表示部分はこの裏面です。


ぎりぎり周波数表示が見える位置まで筐体を持ち上げて、モードをセットします。
CPU制御ですので、上側のスイッチを2回押してロータリーエンコーダーを回してCWを表示させて
また上のスイッチを2回連打で送信準備完了。
そしてPTTでCW送信なんて、電源を切るたびにやらないといけません。

何度か繰り返して、ここは?と思う場所を測定しましたが、もうやってられません!

結局、増幅していない箇所か、増幅度が足りない場所を探しましたが
いずれも問題の箇所を見つけることが出来ません。

じゃあ、トランジスタが壊れてALCがかかりっぱなしかとALCを切って見ましたが変りません。
ミクサーへの混合レベルの問題かとも思い、測定しましたがこんな物かと。

結局何度も基板を180度向こうへ倒したり戻したりすると、電線が切れますし
毎度毎度電源を切るたびにセットしなければならないので、壊してしまっては
いけないので、ここで作業を中止しました。

・パターン図があれば、何度も基板を倒したり戻したりせず測定できる
・レベルダイヤグラムがあれば、適正値が出ているか分かる
のですが、回路図だけで追いかけるのには無理があります。
パワーが全く出ないというのであれば、どこで出なくなっているかを追いかければ良いのですが
そこそこのパワーカが出ているので、どこを測定してもある程度のレベルがあるので
それが適正かどうかは判断が出来ませんでした。

同じ機種の動作品があれば、比較すれば分かるのでしょうが、
数々あるコレクションの中には残念ながら東京ハイパワーの無線機は1台もありません。

「壊れたら捨てて」と言われるのであれば、さらに突っ込んでやりますが
壊れたからごめんねと言うとなると、ここまでの苦労は見えない部分ですので
あいつが壊したとなりますので、そこまでのリスクを犯してまでの修理は出来ませんので
ここで白旗を上げさせて頂きました。

結論を知りたかったなあ。
半田クラックで次段への結合量が足りないとか、チップコンデンサが割れていて
容量が小さくなって次段へのレベルが不足しているとか....
何だったんだろう!



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売りますを更新しました

2018-02-24 | Weblog
売りますに FT-850 その2 を追加しました。

http://jr4gpa.web.fc2.com/sales.html

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FT-301SD 修理 その2

2018-02-18 | Weblog
昨年末から修理している FT-301SD ですが、やっと終わりました。

聞いていた以外の不具合が、もぐら叩きのごとくやって来て
いつまで経っても終わらない....

そして、延長基板が無いと作業効率が悪いからと製作したり
数少ない休日での修理ですので、なかなか前に進みませんでした。

仕事から帰ってやれば?
それが、一杯飲むと勢いで作業をして、壊す確率がぐんと上がるので
土日以外は作業をしないようにしています。



次に FT-301 を修理するのはいつになるか分からないので
延長基板を大事にしまい込まないように、分かりやすい場所に保管しなければ
修理の前に 「延長基板の大捜索」 から始めないといけなくなりますからね。

そんなのが多々あって、どこにやったかなあ、ここでもない、あそこでもないと
修理時間より捜索時間の方がかかったりする事もあります。

あれこれ持っていないと修理が出来ないし、持っていたら管理が大変だし。
困ったものです。

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FT-301用Extender Board製作

2018-02-11 | Weblog
昨年末から修理・調整をやっているFT-301SDですが
かなり良い具合に仕上がってきました。

マーカーに不具合があるのを見つけているのですが、信号を見たくても
基板が縦にささっている状態ですので、隣の基板が邪魔をして
オシロスコープのプローブが入りません。

Extender Board (延長基板) が欲しい!

Extender Boardが無くても、基板を引き抜き、測定したい箇所に
電線を半田付けして引っ張り出せるようにして、また基板を挿入
そして電源を投入して測定。これを繰り返せば出来ない事は
ありませんが、効率が悪いのと、基板の抜き差しでご老体の
ソケット側のピンが折れてしまっては困りますので、今後の事も考えて
製作してみました。



ソケットに刺さる部分は、サンハヤトの端子メッカーと言う電解メッキする装置を
製造中止ギリギリで購入したのがあるので、メッキ処理を施しました。

こんな感じで基板が出てきますので、不具合箇所の測定が
楽に出来ます。



これで、この休み中にはFT-301SDが仕上がるかな....

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TS-440S 修理

2018-02-04 | Weblog
TS-440S の修理です。

運用中に電源が落ち、電源が入らなくなったとの事。

お送りいただき、内部に転がっている部品、ネジなどが無いか
ケースを外して点検。

問題無いので、電源をON

何も点灯しないと思ったら、いたって普通に動作。
感度良し、パワー良し。
運送途中の振動で、半田クラック部分が接触して調子良くなったか?
と思い、基板間のケーブルをゆすったり、本体に振動を与えたり
基板にひずみを与えたり色々やりましたが、電源は落ちません。
電源スイッチを何度もOFF/ONしましたが、問題なし。

いつもなら電源ケーブルは送ってもらわないのですが、今回は電源が入らない
との事なので、念のためにケーブルもお送り頂きました。
それに交換しても問題なし。

結局2時間あれこれやっても問題が無いので
「使われている電源の不具合」
が考えられますが、さすがにそれまではお送りいただいていないので
こちらでは分かりません。

現象が出ないので
・そのまま返却(無料)
・電源が入らなくなるかどうか、2,3週間連続通電をする(有料)
・該当部分の再半田をする(多数あるので当たるか?) ただし壊れていない状態でやってもそれが  効くかどうかは分かりません(有料)

をご提示しましたら、そのまま返却を選択されましたので
返却することにしました。



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