TS-930S の修理です。
購入してずっと保管されていて、久しぶりに電気を入れて
送信してみたら、電波が出ないとの事。
届いて梱包を解き、丁寧にプチプチに包まれていたのを出してみると
右前脚の部分がへこんでいます。
昔の高級機は、大きなトランスが載っているので結構な重量があります。
底面の梱包財が少なかったようですので、衝撃を脚で受けてケースが
へこんだようです。
専用箱を処分されている場合は、上面よりもむしろ底面にこれでもかと
言う程の梱包剤を入れる必要があります。
今までに何度か経験していますが、
・脚が粉砕して2つや3つに分解している
・ケースがへこんでいる
・ロントパネルが割れている
などなど。
いよいよ問題の 「送信が出来ない」の原因を探します。
この機種であるトラブルはある程度は把握しているつもりなので
一番厄介なトラブルを想定して、ファイナルへの電源経路を経って、電圧チェック。
37.5Vあります。規定値は28Vです。あーーーー、あれか!
ファイナルユニットを取り外して見ると
はい、正解 トランジスタが燃えています。ひびが入ってパックリと口をあけています。
幻の部品ですので、国内での入手は難しいでしょう。海外通販では入手できそうですが
送料が高い!
さらに電源基板の部品も多数故障、ファイナルのトランジスタ生きているかどうかは現時点では
不明です。ファイナルのトランジスタが無事だとしても、電源基板の交換部品点数を
考えると、結構な金額になってしまいそうです。
中古で動作品のTS-930Sが買える金額になりそうです。
2014年後半にBLOGに書いたような大掛かりな改造をすれば
現行の石で置き換えが出来ますが、大改造になるので
これまたコストがかかります。その旨オーナーさんにご連絡。
受信機として活用するか、高額修理になるのであきらめるのが良いと思う旨メールして
返却するのか、修理続行かお尋ねした所、部品取り用に活用してくださいとの事
でしたので、ありがたく活用させて頂く事にしました。
お父様やローカルさんの形見なのでどうしても修理したいと言われる
ケースがあるので、こちらとしては何とも言えない場合が多いのですが
特にそういう特別な理由が無いなら、無理をして高額な修理費を
払ってまで深追いする必要は無いと思います。
ファイナル基板手前までだったら、部品代数百円で済むのですが
残念ながら一番お金のかかる部分が壊れているので、仕方ないですね。
点検費用を払うのでと言う申し出があったのですが
修理の規定に書いている通り、直らなければ ¥0 です。
業者さんはその費用を請求されるでしょうが、素人無線機修理ですので
直らないものに「金を払え!」なんてあつかましいことは申しません。
オーナーさんには申し訳ない結果に終わりましたが、当方の設計した無線機では
ありませんので、お許しください。
TS-930の電源ユニットに安定化電源のような過電流保護があればと思うのは
私だけでは無いはず......
KWM-380の修理が延び延びになっています、来週はそれをやるつもりですが
お困りの方がいらっしゃれば、それを優先しますので、あくまでも予定です。