経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

固有名詞とお客様

2012年01月24日 | Weblog
かねがねからの馴染みのお店、その常連客が、

しかもなじみの店員から、不特定多数のお客として

扱われたとしたらどうだろう。



いかに言葉や態度が丁重であったとしても、

いな、だからこそいっそう自分が無視された気分を感じ、

結構気になるのではなかろうか。





こちらは知っている。店員は覚えていない。

店員は気がつくまいが、お客はしらけ、傷つくものである。





もっとも初めてのお店はもちろんなじみの店でも、

固有名詞でやたらに話しかけられたら、

逆に気持ち悪く思われるだろう。



そこには、いわゆる「その前提となるもの」が、

必要なのではなかろうか。

その前提とは、「かねがね」、「日常」、「普段」といった

ぼんやりしたもの。 そうしたものを背景に、

接客の妙が生きてくるのでは、と考える。





お客として私は、ときおりホテルのフロントの人や

店員の名前を会話に入れて、

「○○さん、これ、これお願いをできますか」とか、

「△○さん、助かりました」といったように。



一瞬「えっ、なんでや?」と怪訝な顔つき。

その後一応に嬉しそうな顔をされる。



怪訝な顔つきは、「かねがね」、「日常」、「普段」に、

そうしたことがないからである。





とにかく名前まで絶対に、とは言わないが、

接客は不特定多数ではなく、言葉に出すかどうかは別にして

お客一人一人の固有名詞を頭に入れて対応すること。

最低でも主語を特定した接遇に近づけることである。



この世界に、「お客様」という個人は存在しないのである。

存在しないものへの対応ができるわけはなかろうに、

と考えていただきたいのだ。





最近は固有名詞をとってつけたように自動的に挿入した

メルマガやメールが主流になったが、

あれで感激した人がいるだろうか。

むしろ、怪訝さ、不審なおもいが、先に来るはずだ。



としたら、ソフトをかけてやったことが、

マイナスになっている、といえる。