経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

羊たちの沈黙

2012年01月07日 | Weblog
ほとんどの会社が、

消費者に対する戦略でなく競争相手に対しての戦略で、

そちらに、関心がいっている。

姿勢で言えば自社やライバルの方を向いている。



このことを、わたしは、拙著「羊たちのちんもく」という本で、

お客が背を向ける本当の理由は売り手、とくに経営者が

お客に背を向けていることにある。

これが売れない理由なのだということを述べました。



お客は、自分が金を出し、消費するのですから、

購買決定までにいろいろ比較するのは当然です。



評価は、常に相対的です。

選ぶということは捨てるという反面があるということです。 



では売る側が、相対的であったらどうでしょう。

たとえば値段が安いという強みは、よそでもっと安い店があれば、

瞬間に高いという弱みに変わる。



また品質的に劣っているものが安くても「強み」にはならない。

その結果、選ばれない、捨てられるという反面が自社を襲うことになる。

恐怖ですよね。 



相対的という概念には常にこうした不安と不安定があります。

これでは事業としては困るわけです。

事業の強みは、消費者に対してのもので無くてはならない理由(ゆえん)です。

それも絶対的でなければならならないのです。



 もちろん起伏というか上下があるわけですが、

それも戦略の範疇内、想定内的に取り込んで対応することで、

最小限化を具現し、自立的な安定方向へもっていく。

これが事業ですしこれを考えるのが経営者です。



ですから「雨続きで売れませんわ」といっているようでは、経営者失格。

天気は、こちらの都合通りにならないのですから、

数ヶ月も雨が続くことあるかもしれない。 



どうします? 

晴れても売れ、雨が降っても売れるように戦略を練る。

これが経営戦略です。

つまり、売る側が、事業として存続し続けるためには、

相対的な戦略であっては危ないのです。

会社は生存し続けることが絶対。

ですから、波に乗ったという一度限りの成果ではなく、

乗り続けることが求められるわけですね。



繰り返しますが、店の強みとは

その店が個々の客に喜ばれ、得させ、感謝させうる具体的行動、

それも絶対的なもの」と言えましょう。



あなたは背を向けたお客の理由がわかりますか? (了)