経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

経営と料理人

2012年01月21日 | Weblog
皆そのトップと同じ意見しか言わない。
トップが喜ぶ、都合の良い情報だけを伝える、
といったように、周囲が今度は情報を分別、
取捨選択するようになる。



そうなると今度は
「うちの連中、おとなしくて困る。
もっと積極的に発言して欲しいものだ」
などといっている。
 

まるで茶番劇なのだが、
この茶番が死を招くのだから、
茶番では済まされないのである。


もう数年前の話。
マスコミで知られる某社長が、

「社員の意見など聞いているようなトップはダメ社長だ」
とTVで発言したのをみて、私は、ブログに

「部下の意見を聞かない彼こそダメ社長だ」と書いた。



事実、この社長は雇用関係に関する法規違反を起こして、

マスコミを賑わし、彼は逮捕、会社は他者により

再建中で、彼は退任。その後を知らない。
残っているのは、リサイクルブックセンターで、

105円の値段が貼られた彼の著書だけである。





戦略にもとづき、意見、情報は広く多くの人から集める。
逆に言えば、戦略がなければ、情報は集めようがない。

料理が決まらなければ、材料の集めようがないのと同じである。



集まった情報を元に、戦略にもとづく決断をトップが行う。

集まった材料で、料理を作るのは料理人であって、材料屋ではない。



意見、情報は広く多くの人から集める。
かりにその数が少ないことがあっても、

それらから最適の判断を下す。

これが経営者だ.経営のプロだ。



料理人は、材料を広く求め、その中から選ぶ。

限られた材料、といったやむを得ない場合があったとしても

それらを活用し、いい料理を作る。

これが料理人だ。料理のプロだ。