経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

嗤えない自分

2008年08月11日 | Weblog
経営革新塾でのMMAP。
グループ討議でのこと。

「実は、それこういうことです」、
「それは、お客の誤解です」

この人は、仲間の指摘に対して
、一つずつ弁明している。
だから素人は困るんだ、といった意識がありありである。

消費者は他人である。
素人である。
しかもおおむね不特定多数。
ここで、弁明している内容が
100%正しいとしても、
その弁明をどうして伝えられるのだ。
店頭に、弁明を張り紙をするか。
チラシでも撒くか。

そんなことをしたら、
なおいっそうお客は来なくなるであろう。
こちらから言う誤解は、向こうから見たら
正解なのである。
よしんば議論に勝っても、売上げ落ちる。


現場指導での場でのこと。
「お客様は、これがいいと言っています。」
「お客様は、ここのはおいしいと、ほめてれます。」
「お客様は、みなうちの店を知っておられますから」

全部のお客様が、そう言ったということはない、
と思うのだが。
経営者の母親がでてきて、息子を制し弁明する。

かりに100%そうだったとしたら、
どうしてこんなにも、客数が減少しているのか。

両者共通して、お客に振っている。
不振企業の経営者に見られるパターンである。
10人の経営者のうち、2ー3人はいる。

人の言を、どんどん取り入れて自分の得にする。
そうしたどん欲さがある経営者であれば、、
聞く耳が育ち、それが栄養となって
企業はすくすく育つ。

彼らは、その栄養をおいしければ
受け入れ、
苦いと拒絶する。
その栄養の偏りが、経営を偏らせ、
傾かせる理由になっている。

こうした経営者も、私のお客様なのだ。
いや彼らこそ私の本来のお客様。
そうした企業をいい方向へ持って行くのが、
私の生業、仕事なのだ。


そう思っている。思ってはいるが、
思いながらあの落語の、そばの話。

  通は、ほんのちょっぴり。
  だが、一度ええいいから
  つゆをたっぷりで、
  喰ってみてぇもんだ。

この話が
見にしみいるのも事実だ。

そして、その実、私も彼ら同様、
間違いなく、問題を
自分のお客様に振っているのだ。
彼らを革新させず、何が仕事か。
何で嗤えよう。

いやはや、この道26年。
我、未だ未熟、
彼らを笑えない自分を
嗤っている。