経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

平安、佇まいの街

2008年08月03日 | Weblog
今度は、遠回りして三原へ。
そこから呉線で竹原に入る。
海は、それだけの価値のある
美しさを見せていた。

14時30分。
驚いたことに、ホテルのフロントは真っ暗。
入り口にはロープが張られ、「16時より」という大きな張り紙。

商工会議所には18時に入ればいい。
その間原稿書きをするつもりだったが仕方がない。
受講生のお店を、もう一度見ておくのも悪くない
と、街へ出る。

炎天下。無人の商店街はまるで廃墟。
昭和後半、街作りの流行(はやり)のひとつ。
オープンモール式の街作りとしては先駆けの商店街。

だが、この時間帯は、といっていいのか。
人影も生活感すら感じられない。
この街は閑散としている。

安芸の小径とよばれる、街並み保存地区へ向かう。
ここは、平安時代から続く家並み。
江戸時代には15軒。
大正時代には30軒もの造り酒屋があったという。

今は、
ニッカウイスキーの創業者竹鶴なんとかさんの実家
竹鶴酒造。
それに中尾醸造、藤井醸造の3店だけだ。

それでもこの細い、そして広くはない街並みには、
心持ち酒の香りが漂っているいる。

以前触れたことがあるが、この街並みには、
人々が住んでいるのである。
国宝級の指定建築の家にも、人が住んでいる。
その大きな屋敷の奥から人の声が聞こえてくる。
ピアノの音。そして、玄関口には履き物がある。
佇まいだ。生活感だ。

生活感がある、ということだけで、
人は、昔へ心を忍ばせつつ、
そこに郷愁感と暖かさを感じることができる。

ホテルへ。15時40分。
だがフロントは閉じられたまま。
薄暗い中で若い女性が床の清掃をしている。

「チェックインは、4時からです。少々お待ちください!」

 闇の中、時計を見ながらの、明るい声.
 平安から、今に戻った。