経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

デフレと流動化

2008年06月01日 | Weblog
日本は、まだデフレです。
 政府も終結宣言していません。
 出来ないのです。
 デフレが、基調、常態化しています。

企業戦略を云々する上にとって、このことはとても重要です。
ですが、忘れている。すくなくとも、意識していない。 

デフレとは端的に言えば、固定資産の目減り。
 持っている固定資産が目減りするということは、

放置しておけば企業がやせ細ってくる、ということです。
 在庫している商品が、売れる前に目減りする、ということです
 売上単価が減少するということです。
 価格競合が激しくなるということです。
 銀行から、担保の上積みを求められるということです。

これまでみたいに、
規模拡大こそ生き残る道、それゆけどんどん、
と、資産を増やすとどうなるか、ということです。

規模のメリットによる規模拡大が、目減りで相殺される、ということです。

問題は、デフレ自体が、良いとか悪いとか論議することではありません。

「坊や、早く大きくなってね」
「ボク」、早く大きくなって経営者になるんだ」

子供時代は、子供も親も、大きくなることが願いです。
当然です。

しかし大人になったら、子も親もそんなことは言いません。望みません。
当然です。

が、企業経営ではそれを当然としているか、どうか。

 
 消費者も企業も、その多くは大人。
 いや大人を過ぎて高齢化の時代を迎えた。
 こうした時代を、少し飛躍的ですがデフレ、と考えてみるのです。


赤ん坊や小学生には、身長伸ばし機も、体重を増加させる目標は不要。

これと同じで、
インフレの時代は、ほっておいても資産価値が上がりました。
ほっておいても売上が上がりました。

大人になって身体を大きくすること、
 これが人としての成長、目標であるはずはありません。

これと同じで、
大きくなること。資産を増やすこと.ひたすら売上UP、
これが企業の成長、目標であっては、おかしなことになるのです。

デフレ時代が続いているのですから、
デフレに対応するマルクマールにギアチェンジしなくてはなりません。

それを、1つのキーワードで言うなら、流動化です。
流動化を頭に入れて、その視点から企業の革新を図らねばなりません。
それが戦略となれば、方策は無限にある。
いくつか例示しておきます。

  流動資産を増やすこと。
 商品回転率を上げること。
 個別対応に比重を移すこと。
 企業論理ではなく消費者中心主義