経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

鬼に金棒、私に-最終

2008年06月30日 | Weblog
戻し、繰り返す。
ある会社のチラシ、DMでも社内報でも広告でもいい。
これを時系列的に並べる。

簡単に言えば、それだけのこと。
1年分を並べれば、概ね上に上がるか、下に下がるか。
これは、誰でも掴める。

そのH屋の倒産のこと。
1年前からのチラシの動きを記したメモである。
           *
チラシの頻度が増え、コピーが過激化。
最初は、安売り、次に廉売、その次が超廉売。
さらに次が、超激安、さらに部分半額セール。
それが、全館半額、ついには「全館ダンダンセール」、
最後が全館、全品100円。

そして最後の1週間。
「閉店セール、什器備品、まるごとと持って行けセール」。
            *
 
人が吐く言葉も人の行動も、読みとる能力は、私にはない。
洞察能力も予測能力もない。
「◎△の泉」の、コメンティターみたいなお見通し力もない。

だから時系列にこれらを並べる作業をする。
手間暇かかる作業で、「状態」を掴めむしかない。

営業強化は、売れていない状態を示す。
配送係増員は、売れている状態を示す。
松下幸之助相談役、営業本部長に、の人事は
松下だけではなく日本の不況突入の先触れ。

そうしたことから、「普遍性あり」とみたことを
さらに自分なりの検証を重ねて、それをツールにした。

そこから得た、これまでのところの結論は
畢竟、信用・信頼は、時系列的積み重ね。
一過性では得られないものである、ということ。

そして、その積み重ねの崩壊には、
1に、ただ1つの出来事で、たちまち崩壊する。
2に、じわじわと時を重ねて崩壊する。
この2つある、ということ。
1の事例は、館山の比内鶏、ミートホープ、船場吉兆
2の事例は、・・・・・・(割愛)。

 いずれにしても、時、そして時系列でみることで、
伏せてきたことや企みも、内に漏れ、そして外に漏れる。
その結果が、新聞などを賑わすことになる。

船場・吉兆のことと、思うまいぞ。
他人事と思うまいぞ。
私は、経営者に言う。

それはまた、自分への聞かせである。

なんといっても、くせ者NO1は、
常にこの自分なのだから。

見るとき、ブレ、矛盾、
そして矛盾を隠すこと。
そうしたこと多いこと、そのもの自体が、
大きな、かつ重要な情報となる。

それを見通すのは「時系列」。
それを見逃すのは、自分のこと。
だから時系列は、自分の護身用ツールでもある。

むろん、仕事に使う。
たとえば人や企業を診るときにも、
人生においても使う。

鬼には金棒、
鬼が強ければ、金棒は無用なもの。

私には時系列。
私に慧眼あれば、
そんな作業はしなくていいのだが。(了)