赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

おはなしポケット37周年

2020-10-13 06:42:12 | その他

国分寺市本多公民館でおこなっている 読み聞かせ おはなしポケットが37周年になったそうです。

すごいですね。この年数。毎月、二回。読みきかせをして、ときどきイベントもして、この年数です。

わたしの子どもたちもかよったおはなし会です。わたしは講演会とかお世話になりました。

木村研さんもよくよばれています。

おばちゃんたちの、ほっこりしたおはなし会。

続けていくってむずかしいけど、37年、すばらいいですね。

代表の蓮實さんが、その記録をまとめました。

おはなしポケットには、もう、感謝しかありません。

昭和の時代、文庫とかこういう活動が読書の種をまいてくれたんだと思います。

わたしは以下のような文章をのせました。少し長いけど、読んでください。

もっともっともっと、図書館に行こう!

児童文学作家 赤羽じゅんこ

 

 今から三十年前、わたしは専業主婦で子育てをしていました。子どもたちは、申し分なくかわいいのですが、家にいると自分が社会から切り離されていくような閉塞感でいっぱいでした。

 前から本が好きだったこともあり、その頃、よく図書館に行きました。

 本多図書館まで子どもを自転車の前と後ろにのせて、連雀通りを走って向いました。

 そこで読み聞かせをしてくれる「おはなしポケット」と出会いました。わたしにとってすばらしい出会いであり、とても助かるひとときでした。おはなしポケットの人たちに子どもをあずけた間だけ、自分の本を選びに集中できたからです。わずか、十五分ほどでしたが、その十五分が、どれほどうれしかったことか。

                           

その頃、一冊の本にも出会いました。

立原えりかさんが書かれた本で、タイトルははっきり覚えていないのですが『童話の書き方』ってタイプのものでした。わたしは、すっかり夢中になり、何度もくりかえし読みました。というのも、その頃、子どもたちに、自分で考えた物語を話していたからです。立原えりかさんの本に感化されて、自分の物語を書いて公募してみようと思いつきました。

それからは、夢中で、できるかぎりのことをやりました。公民館にたのんで、『童話を書いてみよう』という講座を開いてもらったり、同人誌をつくったり、解散したり。あれこれ、8年ほど試行錯誤した結果、運がよくデビューをし、今もポツポツと児童文学作家を続けています。

 

でも、原点は図書館で出あった一冊の本。

あのとき、図書館でその本に出会わなかったら、わたしは童話作家になっていなかっただろうと思うのです。

ああ、自転車で行ける距離に図書館があってよかった、新刊の棚に、立原えりかさんの本がどーんと表紙が見えるやり方でおいてあってよかった、おはなしポケットが読み聞かせをしてくれていてよかったと、おりにふれてそんな風に感謝しています。

 今は便利でネットでたのめば次の日に本が届きます。けど、それは自分がほしくて注文した本だけです。

 自分のとじていた心のとびらを開いてくれるような本は、えてして、思いもかけない出会い方をします。せまい興味の幅をちょっとだけ広げたときに出会うのです。

画面だけを見つめていては、見つからないもの、足を運んだことでしか感じられないもの、そういうものが絶対にあるはず。

 そういう意味で、若い方にもっと図書館に足を運んでほしい!

 そして、これからの図書館は、もっともっとそういう出会いの場をふやすイベントを増やしてほしいのです。

 

最近、読書家たちも、ひとりで読むだけではものたりず、つながるイベントを望んでいます。 昨年末、並木公民館でおこなったビブリオバトルイベントは大成功でした。小学生の本好き女子も参加してくれて、楽しかったと輝くような笑顔を見せてくれ、やっていてよかったと心から思いました。

 テーマをきめた読書会、参加者が好きな本を紹介する朗読イベント、そしてビブリオバトルのワークショップ・・・・・・。ネットで本が読める時代、ネットでできないプラスアルファの出会いが貴重です。

 もっともっともっとと、よくばりなわたしは思います。

図書館が文化の発信地として、魅力的であってほしいと。笑顔がはじけるところになってほしいと。

そして、みんなで図書館に行きましょう。