赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

『レモンの図書室』ジョー・コットリル 作

2018-06-06 08:47:27 | その他
まだ、今年も半分しかすぎていませんが、今年NO1かもと思う児童書とめぐりあいました。
『レモンの図書室』小学館です。翻訳です。小学館のYAの翻訳ものは、なかなかいいものがそろっています。


装丁もきれいですね。レモンの黄色がさわやかで、まぶしいくらいです。日本ではレモンは、青春時代のイメージ。けど、欧米ではすっぱい味のせいか、レモンには欠陥品の意味もあって、困難の象徴ともされているそうです。

この頃、本をテーマにした作品が多いですが、これもそのひとつ。
本が大好きで、本さえ読んでいれば「だいじょうぶ」だとおもっていたカリプソ。そのカリプソに大好きな友だちができます。
そして、その子の家に遊びに行くうちに、カリプソはどんどん変わっていきます。

楽しく遊ぶシーンも、ワクワク読めます。その中でも、カリプソが自分がかいた作品をネットに投稿するシーンがあって、そこも読ませどころ。なんと、結果は・・・・・・。人生甘くないですって感じ。そこがリアル。やすっぽい成功より、うん、そういうこともあるよと共感しました。

なくなってしまったお母さん、仕事ばかりに夢中なお父さん、悲しみとどう向き合えばいいのか、そんなことも考えさせてくれます。
そして、たくさんの本が紹介されています。

本のおもしろさも存分に書いてあるけど、本だけでは足りないとも書いてあります。どう足りないのか、ぜひ、読んでみてください。


この本を知ったのは、読売新聞の夕刊で紹介されていたから。本がつなぐ友情や恋というくくりで『なみきビブリオバトルストーリー』などのことも書いてくれていたやつです。


おもしろい本とめぐりあうとわくわくします。
本が売れない時代。
でも今、本のよさを再認識してみようという小さな動きをわたしは感じています。ビブリオバトルなんていうのも、そのひとつ。まだ、さざ波のようですが、いつか大きなうねりにならないかなと期待も少し・・・。甘いのかな?

そして、昨日は児文協の会報部でした。まだ割り付けの段階。
その中の、いただいた八束澄子さんの文章がとてもよくて、こういうのを読むと、会報部もやっていてよかったと思います。
八束さん、日本児童文学カフェってコーナーで書いてくれました。本を読むことの意味について書いてくれてます。7月初めに発行ですが、ぜひ、読んでみてください。
感動したし、やはり、本ってそうなんだ! って思えました。短い文章でこれを伝えられるって、さすがだなー。

今日は雨もよう。
うちのクチナシの花も咲きました。すぐにきばんでしまう花。
咲きたてが美しい。甘いかおりをふりまいています。