赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

『ファイティング40、ママはチャンピオン 』鈴木一功、新潮社

2016-08-24 06:37:09 | その他
台風が過ぎ去りました。すごい雨で、国分寺線が土砂に埋まり止まってしまいました。
被害にあわれた方々、たくさんいると思います。台風はこわいです。




さて、おもしろい本と出会いました。
妻は40歳。二児の母にして、PTA会長、消防団員、劇団の女優、なのに、プロボクシング女子フェザー級世界王座挑戦者!?
日経で、北上次郎さんが書評を書いていて、おもしろそうと飛びつき、大満足。
とにかく元気がでる本です。

気が強い年下の妻はなんにでものめり込み、脇目もふらず情熱をそそぎます。ただし、家事以外。
もう、人生くだり坂にはいった役者の夫はそんな妻を見て、あれこれぼやきつつも、応援していきます。そして、自分の人生を振り返り、比較しながら、へこんだり、心配したり・・・・・・。
役者さんが書いた文章なのだが、各所に哀愁があっていい。

とくになぞの飲み屋、河童屋がよくかけている。おやじかおかみか性別不詳というのもいい。
あと、食べ物もじょうずに書いてあって、妻の試合のあと、家族だけで食べるまぐろ丼のシーンがわたしは好き。試合のことなんか何も語らず、おかあさんになった妻が家にいるのです。おいしいおいしいと食べる子どもたち。ほっとするシーンです。
試合に勝ったあとも、子どものご飯、よろしく!といいあったり、おかあさんらしさも出せていて、そういう細かいところ、ホント、リアル。
プロボクサーになるおかあさんなんて、本当にいないかと思うのだが、書き方がうまくて、これはノンフィクションかもと途中でうたがってしまいました。

鈴木一功さん、ボクシングをされていたことがあるそうで、だから、殴り合いのシーンも、よく書けています。役者さんがこんなにうまかったら、作家は困る一冊です。キャラを立てるとか言うなら、このくらいしてみろ!って、おそわった気がする本です。

今週末、合宿をひかえ、今日、わたしは遊びに行きます。それで忙しいし、作品も気になるのですが、友だちと劇団四季の「アラジン」を見ます。
『プリティでタフなあたしたち』の仲間です。何?って思ったからは、『ファイティング40,ママはチャンピオン』を読んでみてください。