11/10Eテレ アーカイブス特集で2007年に放送された千葉県木更津市の木更津社会館保育園の様子を描いた「里山保育が子どもを変える」という番組を観ることが出来た。
木更津社会館保育園では、園内に立派な遊具は無い、しかし、泥だらけになって、それなりに遊んでいる、そして、里山に行って、自然を見て、聞いて、触って、匂いをかいで、味わって自然を体感していた。泥の田んぼに入り、田植えをしジャガイモを自分で半分に包丁で切って、畑に植えるし、稲も鎌で自分で刈る。出来たお米を味わい、芋を食う。きゅうりやなすだって、生でかじりつく、料理もする、怪我をしながらひとつひとつできるようになっていく。
自然の中で子どもたちは新しい体験を通して自分が好きなこと、自分がやりたいこと知りたいことを発見していく。自分と他の子どもたちと違うことや、仲間といっしょにいると楽しいこと、大声で笑いあうこと、じっと見つめること、五感で感じることを体験していく。そして、自分なりの理解の仕方や、何が危険か、自分の欠点も知る。そして、小さな成功と達成感を持って、未知の世界に挑んでいく勇気を持つ。テレビゲームではない、リアルな人生ゲームのスタートを切るわけだ。そして、自分にとって正しいということがどういうことで、日々選択を繰り返していく。身体を動かすことで、体が理解すること、できなくて泣く事など、感情の振り幅を広げ寛容や忍耐、美意識を作っていく。とても人間らしい人間になっていると思う。
園児のお母さんが「この保育園に行くようになって元気になった、よく笑うようになった、泣かなくなった、病気をしなくなった。」とおっしゃっていた。この保育園は以前はものすごく批判的な目でみられていたが、現在(2007年当時)には、入園希望父兄が多く待機している子どもが多数と人気保育園になってきているらしい。
糸島にこんな保育園が作れないだろうか。海も山も川も田んぼも畑もあるのに、もったいない。生きる力と自分で考える能力を持った人間がこれから必要とされる。五感を自然の中で鍛えるということに、理解を示す親がどれだけいるかということかもしれない。
受験勉強しかできない人間ではこれからは生き残れない。実際の社会で自分で問題解決する能力を持ち、他人を助けられるIQとEQの高い人間が必要なのだと思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます