僕はこんなことを考えて「愛し糸島プロジェクト」というのを始めた。
①食糧危機にそなえて生き残る
糸島半島に安全な食糧の生産・加工・保存基地とそれらの質と量を向上させる研究所を作ること。そのための農林水産業の活性化と消費者とのネットワークを作り、成功したビジネスモデル地域づくりをすること。
②子供たちが自分のコミュニティーを愛するための『いとしまワンダーランド』づくり
山で遊んだことの無い子どもは山を守らないし、海で遊んだことのない子どもは海を守らない。川や里で遊んだことのない子どもは川や里を守らない。
だから、山や海や川や里に安全で昔からの遊びや、ハイテクの遊びができる子供の遊び基地を糸島のあちこちに作る。子供たちが自然の面白さや厳しさや怖さを体験し乗り越えていくことを学ぶ施設を作りたい。その基地や施設の総称をディズニーランドに対抗して、『いとしまワンダーランド』としたい。
③伝統と新しい発想の文化を創る人を育てるための教育センターをつくる
脳が新しい刺激を得ることを「生きる」ことと定義した上で、脳は新しい刺激を欲するという性質を持っていて、それが人間の本質であり、そのために人間は行動する。
歴史や芸術やスポーツなどの文化を知ることは人間がこれから生きていくために観る(感じる)力、考える力、行動する勇気を持つために必要な人間学につながる。
自分が知りたいことを得られる方法を考え出す力を身に付けることが教育であり、それを主に身に付ける場所が学校である。
糸島半島全土を教育のセンターとして、子供たちは下記の事を学ぶ。
●人は抱き合うと温かいということを知っていること。
●音楽や絵画、造形などの芸術を学び観察力と表現力と自由な価値観と創造する喜びと達成感を学ぶこと。
●農業や社会の問題を他の人とコミュニケートして、自然と人間社会のバランス感覚を学び、問題の解決策を考え始めること。
●なんらかの他人に役に立つ能力を持っていると、他人から必要とされ、他人とコミュニケートしやすいということ。
●スポーツなど身体を動かすことの喜びや、勝つというミッションを成功させるためにチームとして協力して活動すること。負けること、勝つことを体験し、失敗を乗り越える体感をすること。
以上の教育ができるように、九大、レベルファイブなどの企業に協力してもらう。
具体的に今考えていること
1)山を学ぶ
山にキャンプ場に隣接してツリーハウスの村を作り、林業の知識や技術を学べるモデルコースが作ること。ヨーロッパの『森の学校』のような幼稚園を作る。パラグライダーで糸島上空を飛ぶこと。
間伐の仕方、木に登り方、ロープの結び方、木工技術、種から木の苗の育て方、山への植林の仕方、山登りの仕方、生物調査し、生物多様性を学ぶ、キャンプの楽しみ方、ツリーハウスの作り方や楽しみ方、植物の知識、水の調査や山道の作り方などワークショップを行なう。パラグライダーで空の飛び方を学ぶ。
九大、JA、グリーンヘルパーの会の人たち、とんかち館、パラグライダー教室に協力を仰ぐ。
2)海を学ぶ
漁師、漁業協同組合、海の家、釣り船屋、サーフィン、シ-カヤック、ウィンドサーフィン、ダイビングの会社と提携して、マリンスポーツおよび漁業のことが体験できるネットワークを作る。
子供たちが近所の海の海底を含めた自然を知るワークショップを開催する。海水の温度や水質の調査の仕方、風や雲や波の見方、海の生物の調査の仕方、漁業の仕事、マリンスポーツの仕方、魚の釣り方、料理の仕方、塩の作り方まで学ぶ。
海の家で音楽のワークショップやクラフトのワークショップを開いて学ぶ。
3)川や里を学ぶ
川遊びの楽しさや怖さを体感する。川の水質の調査の仕方、川の生物の調査の仕方を学ぶ。里の植物や鳥や昆虫や動物の生態の調査方法。農業、林業のことを学ぶ。家畜のこと、植物の育て方、醤油、味噌、酒等の醸造技術、農作物の加工技術などを学ぶ。
4)歴史を学ぶ
伊都国、志摩国時代からの遺蹟、遺物を知る。遺跡発掘現場で遺跡発掘体験をする。発見されている歴史的文化事項をできるだけ、視覚化し記録してデータ化する。郷土史家を訪ね資料を記録してデータ化する。近年の歴史は長生きしている高齢者を訪問しインタビューし、DVDに残す。代々糸島に住んでこられた家を訪ね、昔の糸島の写真や文化物を記録させていただきデータ化する。記録したデータを集積し歴史研究グループをつくり、データを整理して図書館に保存し、パソコンで各家庭から閲覧できるようにする。糸島の歴史を知りたい人はこの図書館のデータや研究グループから学べるようにする。すべての調査活動にワークショップを入れて、調査人員の拡大育成を図る。
5)文化を学ぶ
伝統的祭り、行列、神楽、獅子舞、踊り、人形芝居、唄、踊りの継承と発展を図る。いろんな人が参加できるワークショップを開き、体験者の数を増やし、そういう文化にはまる人のなかから後継者を増やしていく。
文化物を訊ねるモデルツアーに地元の人が参加していないために、子供から50代くらい地元民が、詳しく地元の文化を知らず、文化物の荒廃が起きている。文化物のデータ化をして、図書館に蓄積し、動画やデジタルデータで残し、ホームページで閲覧できるようにする。
音楽については特別に『糸島自分の歌プロジェクト』を行なう。
『糸島自分の歌プロジェクト』
糸島半島に住む小学5年生に音楽の授業で糸島半島在住のいろいろな音楽家やミュージシャンたちにワークショップをひらいてもらって、作詞作曲の方法を学んで6年生のとき「自分の歌」を作ってもらい、卒業のとき学校ごとにアルバムを作って、卒業のとき卒業性に渡す。中学、高校でもそのときの「自分の歌」を作ってもらって、残していく。卒業生たちはその後、結婚や、子供が生まれたときとか、何かのお祝いのときなどに「自分の歌」を残していく。そして、死んだとき、葬儀に自分の歌を流してもらう。携帯の着信音や、名刺に音源データを記録できる技術を開発して、商品化したりして、糸島の人は挨拶代わりに自分の歌の交換を行なうなど、そういうことが定着すれば、糸島は自分の歌に溢れた、音楽の半島になるというプロジェクトです。
6)芸術を学ぶ
糸島にある多数の工房でワークショップを交代で開いてもらう。参加したい人は糸島以外の人もOKで、ワークショップの様子を毎回データ化し、先生も生徒も作品をHPにアップして、いろんな人に観てもらえるネットワークを作る。糸島半島内の駅や公共機関の建物や学校、にアートスペースを作り、糸島中にアート作品であふれさして、アーティストのまちにしていく。
映画村を作る。糸島各地でロケがしやすくし、スタジオや撮影所を作る。各地の図書館や公民館的所に映画が観れる施設を作る。映画をいっぱい観れるようにする。レベルファイブや白組の出張作業所を作ってもらっていい環境で作品を作ってもらう。図書館や学校にコンピュータールームを作ってもらって、仕事の合間に定期的に子供たちにCGの作り方を教えてもらい作品を作る喜びを教えてもらう。
演劇を盛んにして、俳優を育てる。子供のときから映画を作ることのワークショップを開いて、ショートムービーをたくさん作る。
映画の作品の骨は脚本なので脚本の書き方をプロを呼んで定期的に高校や九大で教えてもらう。
冬にアジアショートムービー映画祭を開く。
春に『糸島芸術祭』を糸島各地を使って開く(神奈川県の葉山芸術祭の真似です)。
同時に子供たちの『いとしま自分の歌プロジェクト』作品を発表する音楽祭を開く。
7)食の村を創る
食材が豊富な糸島だが、よそから客を呼べるほどの創作料理を作るシェフがいないのが糸島が発展できない要因だ。農家の子供さんのひとりを農業の新技術を学ばせ、農業経営術を学ばせる。別の子供を東京や京都や大阪、ヨーロッパ、中国、などにシェフ修行に出し糸島に無い料理を学ばせる。さらに別の子供に一流ホテルや旅館にホテル業の修行に出す。そして、5~7年後に帰郷してもらって、農家を宿泊して、農作業体験や、創作料理と、一流ホテル並みの田舎のサービスや冒険を体験できる贅沢な会員制の民宿をつくる。近隣の人とチームを作って、近隣一体を農業民宿村を形成していく。そして、そういう村をいくつも作り、各村に個性的な名産品を作って、それらを総合して糸島ブランド化していく。
冬と夏に『食の祭り』を開催する。
糸島料理と呼べる誰も食べたことの無い創作料理が食べられる祭りを開催。
糸島をフランスプロバンスやハワイのマウイ島やハワイ島ような世界の人が何度も来たくなる場所にする。
『愛し糸島プロジェクト』の最終的目的は『糸島に住む子供たちがこの糸島半島を世界で一番いい所と誇りが持てるようになること』です。