しまちゃんの愛し糸島ブログ

糸島を個人的に愛している人達の紹介と、ネットワーク作りを目的とした、愛し糸島プロジェクトの情報発信ブログ。

今日の天気 エディブル・スクールヤード・ジャパンのこと

2018年06月28日 12時30分33秒 | 学習・教育関係

曇り、南西の風弱。

ワールドカップで昨日ドイツが韓国に負けた。強いはずのドイツが一部リーグ敗退した。韓国が頑張ったと言えるかもしれない。

よく頑張ったと思う。今回のワールドカップはジャイアントキリングが起きる大会だ。情報が容易に手に入る時代になり、戦略を練って戦えるチームが増えてきた。

選手一人を育てるのにもいろいろなやり方が編み出され始めている。国家の力をアピールするのにおそらく一番の舞台がワールドカップだ。

多くの人が興奮し、熱狂する。エネルギーの爆発を解放できるガス抜きのイベントだ。もしこの熱狂エネルギーがたまったままだと戦争やテロや紛争が起きるのだろう。戦争よりワールドカップがいい。少なくともワールドカップ期間中にテロが起きてほしくないものだ。


前にも書いたけど世界を平和にするプロジェクトを競うワールドカップもやって欲しいものだ。


最近Facebookを始めて、10年以上あってない友達の現況を知る機会が増えた。そのなかで、ある友人がエディブル・スクールヤード・ジャパンの仕事をしていることが分かった。

僕が言いたいことややりたいことをすでにやっている団体だった。

できればこのサイトにアクセスしていろいろ映像とかも見てほしいです。そして、情報を拡散してください。

http://www.edibleschoolyard-japan.org/


九大の平井康之先生の「デザイン思考ワークショップ」に行く

2018年03月16日 03時44分29秒 | 学習・教育関係

知らないとは恐ろしい事で「デザイン思考(Design Thinking)」という言葉に誘われ、何か新しいことが学べるとあったので、九大のサイトからこのセミナーの参加を希望して、参加してみました。

この「デザイン思考ワークショップ」の前には「基幹教育院次世代型大学教育開発センターイノベーション教育セミナー」という九大らしい長ったらしい冠が付いています。九大が基幹教育で「学び続けることを幹に持つ、未知な問題や状況にも果敢に挑戦するスピリットと行動力を備えた人材(アクティブ・ラーナー)の育成」を目的としたアクティブラーニングを実施しているとのこと。つまり、先生から生徒へ一方的に授業が行われた従来型の教育からディベートやグループディスカッションやプレゼンやアウトリーチなど生徒同士先生と生徒などコミュニケーションをとることで他の人の視点や意見を聴き自分の考えを述べ、それに対する他者からのフィードバックを受けさらに深く考察していく授業を行っていくようです。そして、それを行うことのひとつの取り組みが「デザイン思考」なんだそうです。そこでこの新しい教育の取り組みを行う大学の先生たちにこのアクティブラーニングやデザイン思考などのFD(Faculty Development大学教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的取り組みの総称)を伝授するために開催されたセミナーがこのセミナーだったというわけです。九大のセミナーが一般人でも無料で受けられると喜んで参加した僕が場違いで、ばつの悪かったこと。参加されている人たちが九大の教授や、熊本大学や広島大学などの有名大学の教授クラスの先生たちでした。

講師は九大の芸術工学院・教授の平井康之さんでした。

ちょっと古い情報ですが平井先生のなさっていることが良く説明されているサイトが九大のHPのなかにありましたので、アップしておきます。このサイトではまだ准教ですが、先生はもう教授にになられています。https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/research/information/approach/design/design8

講義、ワークショップ1、休憩、講義、ワークショップ2、発表、質疑応答という流れで、レジュメにして29ページ、1ぺ―ジに4コマのパワーポイント画面があり、全部で約120コマの講義内容と大きく2回のワークショップが3時間の間にドワ~ッと展開していきました。

それでも、この平井教授のセミナーは、とてもかみくだいてエッセンスが分かりやすくしてあって、面白かったです。僕は家に帰ってレジュメで分からなかった英語の専門用語を辞書で引いてじわじわとほんのわずかですが理解し始めています。

 

九大が先生が黒板の前に立って一方的に講義を生徒に聴かせていた授業スタイルを、生徒たちが自分で何が問題なのかに気づき、仲間と解決策を探りそれを実行していく人に成長できる授業スタイルに変えていこうという流れのようです。そういう授業をするためにどういう風にしていったらいいかを教える側の教授たちが自分で考えて解決策を思考し実行していくようにするセミナーでした。

ものすごく、膨大な大事な教育のエッセンスを一機にお話されたのだと思います。

平井先生は1983年からコクヨに勤められていて、オフィスデザインや家具のデザインのデザイナーをされていたそうです。そして、1990~1992年コクヨからイギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アートに留学させてもらってのち1997~2000年にアイデオ(https://www.ideo.com/jp)に勤められいろいろな企業や団体の問題解決に携われたようです。2000~2003年九州芸工大、2003年~九州大学の教授をされているようです。

 
できるだけ、正確に伝えようとしているのですが、内容が僕に似合わない内容なのでおそらく信ぴょう性が疑われそうですが、九州大学の教育が変わりつつあり、おすそ分けで他の大学や教育機関にもこの考えを伝授して明るい未来を創っていこうとされていることを感じました。こっこう本州の県の大学や幼稚園の先生とかも参加されていました。
 
4人で1つのテーブルを使い、7グループに分かれてワークショップをしたのですが、僕がワークショップで組んだMさんは九大の基幹教育院の教授で理学博士でした。M教授は九大でFDをおしえているだけでなく、全国の医科大学の先生や看護師さんたちにもFDを教えていらっしゃるとのことで、僕が今まで、全く知らない世界の人でした。自分の属する組織とは異なるプライドの高い医科大の教授に組織で問題解決をする方法や思考を教えるのってものすごく大変なことだと思いませんか?きっと最初は敵国に単身向かっていくようなことらしいです。しかも、複数回行かねばならない医科大もあって、問題のハードルがどんどん上がっていくのがかなりきつい事のようです。実際に成果を出さないといけないらしく、終わりのないプレッシャーを感じるときもあるそうです。九大の先生もとても大変なんだと感じました。でも、みんないい人たちでした。みんな良心に従って、現実社会に問題解決の成果を生み出す人材を少しでも多く輩出して、日本や世界を良くしようとポジティブに努力されていました。
 
おそらく、こういうデザイン思考があらゆる分野に浸透していった未来には(おそらく大学教育からトップダウンでデザイン思考を浸透させていくより、幼児教育の段階から取り入れてボトムアップする方が早いし、とりこぼれが無く、望ましいと感じました。)、政治や経済や大学以下の教育にも失敗もいくつかあるかも知らないですが、多くの先送りされていた問題がたくさん解決されていくかもしれません。なによりも、貧困や差別されたり阻害されて孤独になる人が減って、犯罪も減っていくと思われました。
 
幼稚園から小学校、中学校、高校の先生と呼ばれている人たち全員が、このデザイン思考のワークショップ(現実にはもっとセミナー内容を分けて段階を踏んで学べるといいと思いました。)を学ぶといいと思いました。
 
先生方、超お勧めです。
 
そして、そうなることを心から僕も望んでいます。
 
「デザイン思考」は一人の困ったを皆の喜びに変える問題解決方法です。
 
ああ今日僕は知恵熱を久しぶりに発するかもしれませんが・・・

江戸時代の災害のこと

2018年03月09日 12時08分06秒 | 学習・教育関係

先週、コーヒー豆を買いに姪浜の駅のところにある喫茶店「セブン・ロースト・コーヒー」に行きました(だいたいそこで僕は豆を週一買っています。深入りがお好みの方に合うと思いますし、100g450円と安いです。)。その店に置いてあった「リベラルタイム」(いい雑誌です。ここで初めて見ました)3月号という雑誌を観ていたら、江戸時代の災害というか防災のことが書いてありました。わずか2ページの文章なんですが、なんか久しぶりに集中して読まされてしまいました。後日、本屋でその雑誌を探したのですが、月が替わって売っていませんでした。もう一度読みたくて、昨日お店に行くとこのお店でも月替わりで、あの雑誌は見あたりませんでした。ねばって、あの雑誌のことをお店の人に聞くと、これから処分するとのことで、店の奥から出してきて、僕にタダでくれました。なんかうれしかったので、ブログに書くことにしました。

東北の大震災が起きて、明後日の11日で7年目になります。しばらくパラリンピックと東北大地震のその後ネタ中心でしばらくテレビは動くと思われます。

新燃岳が噴火しています。平成のこの時代でも災害は防げないのですが、それでも災害後にどうしたらいいかを研究している人たちに予算がついて、ロボットや災害予知など新しい技術が生まれつつある感じです。

下に僕が読んだページを(申し訳ありませんがこうしたほうが世のためになると思ったので、かってに)スキャンさせていただきました。その中で江戸火消のシステムを創ったのが、江戸時代の南町奉行であった大岡忠相(越前)であることを知りました。講談や落語で「大岡裁き」が人気の原因と思っていましたが、それだけではないのではないかと思いました。江戸時代の江戸町民にとって火事が一番の恐怖であって、その火事の拡大を防いだのが江戸火消であり、江戸町民にぴったりの命を懸けて民を守るという心意気がカッコよかったのだと思います。そして明日をも知れず宵越しの金は持たねえといったきっぷのいい男像に憧れの職業を観たのだと思います。大岡越前の人気が現代まで続いてドラマや映画になっています。江戸火消のシステムを作ったことが、江戸庶民にとって「侍にしてはやるじゃねえか」という人気の原因のひとつになったのだと思いました。

またこの文の後半に江戸城の改修のことが書いてありました。熊本の地震でまだ新築の熊本城が壊れたのを修理していますが、今の改修工事を観たら、江戸時代の人はびっくりしたことでしょう。

日本は災害大国です。人間が作ったものはいずれ壊れます。せいぜい100年くらいで大体の建物は壊れます(原発も。しかも廃炉ができるかどうかさえまだ分からないのに、再稼働しそうです)。日本はずっと災害に苦労してきたのであり、途中途中で知恵を出してきたのだと思います。残念ながらその知恵は歴史に埋もれ、江戸時代ほど次世代に引き継がれていないのだと思います。だって、日本史で災害の歴史を学んだ記憶がありません。おそらく、学校で学ぶべきは「先人たちが災害や戦争などにどう感じ、どういう知恵を出し、どう対処したか」なのだと思いました。それに、なにより現代人も傍観者にならず、東北や熊本や篠栗の被災者から話を聴いて、どうすべきかを考え、具体的対策を自分の町で(もっと小さなコミュニティでも)話し合って実行することが必要なのだと感じました。明日は我が身です。

この文章を書いた野中和夫さんの著書「江戸・東京の大地震」https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784886216250

は高いので今の僕では買えませんが、図書館とかで探してみます。


26日バードウォッチングです。

2017年11月22日 00時12分34秒 | 学習・教育関係

26日の講師の方が伊関文隆です。以前からお会いしたい方で、共著で猛禽類の本を3冊出版されています。中のページの写真が凄いです。前原の「ここのき」さんで、伊関さんが糸島在住であることは以前から知っていました。こういうちゃんとした写真やイラストできっちり説明された図鑑的な本です。こういうちゃんとした本を創る方が、どういうバードウォッチングの仕方をされているか、興味津々です。僕もこのイベントに参加予定です。

参考:http://blog.goo.ne.jp/itoitoisland/e/e15e51ddf7c03bec10c93038a7b5d2f6

 

同じ日に糸島植物友の会の平野さんたちのイベントがあります。21日の西日本新聞より。

 

人生の中に自然の情報を取り込んでいきましょう。脳は新しい情報を求めますが、自然からの多くの情報は自分が自然の一部であることを自覚させてくれて癒されます。

この感覚が分からなくなっていると人間でなくなっている可能性が高いですよ。


糸農講座だそうです

2017年10月18日 14時26分37秒 | 学習・教育関係

糸島市のHPを見ていたら偶然発見した情報です。

11月25日(土)

糸農講座第5弾!ライスミルクと甘酒を使った料理とスイーツづくりの参加者募集中!

詳しくは

http://www.city.itoshima.lg.jp/s024/040/040/20171016161918.html

 

糸島農業高校は糸島の次世代の産業を担う人材づくりにちゃんと貢献されていると思います。

ブラボー!!


森の講座『森を支える人々』のこと

2017年09月18日 22時31分01秒 | 学習・教育関係

ふくおか森づくりネットワークさんよりチラシが送られてきたのでご紹介しておきます。

山を守らないと、平野が汚れ、さらに海が守れなくなります。

おそらく、これから、環境問題で、これが手遅れ、あれが手遅れという大人たちが解決しようとしなかったことが問題になってくると思います。

人間社会と自然世界を別物と考えるキリスト教徒的な考えでは人類も滅んでいきます。自然は人間が支配できるものではないということです。

今、北朝鮮の問題など人間同士殺しあう戦争で人間が間引きされようとしています。

これが宇宙の法則であり、地球も含めた大自然の意思だととらえられる人種は先住民と呼ばれる人たちかもしれません。

野蛮人とか遅れている人みたいに扱われている彼らの言い伝えや声に、もう一度耳を傾けてもいいと思う僕なんかが完全な少数派なのですが、

森や自然を守ってきた人たちは、少なくとも人間が最高で自然を支配できるなんて思っていないと思います。

自然という現場の中で、密接に生きているからです。

森に近い人たちのお話や体験をシェアしてもらう体験をしてみてはいかがでしょう?


THE書「かずら筆で書を書こう」というイベントに行ってきました。

2017年07月29日 18時03分38秒 | 学習・教育関係

THE書「かずら筆で書を書こう」というイベントが今宿公民館で、開催されました。

昨年も開催されたかずら筆づくりと作品作り。昨年参加してくれた生徒さんが半分くらいいました。きった、昨年が楽しかったのだと思います。

http://blog.goo.ne.jp/itoitoisland/e/bbe135e49429bd5ceaabebeed44932cf

かずら筆の歴史から、モノがない時は自分で作ることの大切さや、象形文字のなりたち、自分の好きな文字の作品作り、とにかく自由な中にのびのびと子供たちが楽しんでいる様子がうかがえました。平嶋先生はユーモアを交えながら子供たちをいっぱい褒めていました。

「書は自由なのだ」と子供たちに伝わったかもしれません。ああしたいとかこうしたいとか、自分が思ったことを表現することにチャレンジできた、いい時間だったのではないかと思います。


ミッフィーで有名な絵本作家ブルーナさんの展覧会だそうです。

2017年05月14日 20時42分30秒 | 学習・教育関係

13日の西日本新聞より

ブルーナさんのイラストはキャラクターをデザインする世界中のデザイナーやイラストレーターさんたちに多大な影響を与たえていると思います。

僕もあの真似できないシンプルな線に憧れ、限定された決まった色だけで紙面や画面が構成をずいぶん参考にさせていただきました。

近いうちに観に行こうと思います。

会場の三菱地所アルティアムは一回入場券(大人400円、高校生以下塗漁)を買うと、その券で会期中は何度も入場できます。子どもは入場無料です。すごく良心的な会場さんです。

親子で何度か訪れてみてはいかがでしょう。


カブトガニの絵募集のこと

2017年04月07日 22時43分29秒 | 学習・教育関係

4月2日にあった「カブトガニを守る会」の福岡支部総会の時、九大の岩崎由美子先生より、子どもたち・学生(保育園児から高校生まで)のカブトガニアート募集のレジュメをいただいていたので、ここにアップさせていただきます。今津小学校とかには学校に広告済みらしいのですが、福岡市西区・そして糸島市の保育園や幼稚園や小学校中学校、高校生も関心をもって絵を描いてもらえたらうれしいなあと思ってアップさせていただきます。岩崎先生はアメリカの大学でカブトガニ研究をされたのち、今九大で研究をされている関係で、海外の研究者との交流もあって、カブトガニの絵を描くことで海外の子どもたちと交流してほしいとの想いで、日本サイドの取りまとめ役をなさっているようです。レジュメのとおり日本の締め切りが5月15日です。高校生とかはCGでチャレンジしてみるのも面白いのでは。

お手数ですが上記申込書をプリントして必要事項を記入の上作品に添付してください。

カブトガニは世界のあちこちにいます。

カブトガニを通じて、地球の環境のこと、自分たちの住む地域の環境のことなどそれぞれの世界の子どもたちが考え、想いを表現することで何かが始まるかもしれません。


昨日、第6回糸島学公開講座「我が国の文字文化のはじまりと伊都国」という講演を聴いてきました。

2017年02月12日 21時32分00秒 | 学習・教育関係

講師は伊都国歴史博物館の岡部裕俊(ひろとし)館長さんでした。今回の講演のタイトルにはサブタイトル「三雲番上(みくもばんじょう)遺跡出土の硯から見えるもの」が付いていました。

昨年2月に三雲番上遺跡で楽浪系の硯が発見されたことから、その他の楽浪系の出土品から、楽浪郡の支所みたいな役所が糸島の三雲・井原遺跡付近にあって、大陸との交流があって、文字が伊都国に確実に伝わってきた時期が推察され、糸島が日本で最も早く文字文化が伝わった地域だった可能性が高いということから、講演が始まりました。

硯の参考:http://blog.goo.ne.jp/itoitoisland/e/a61cad51de81caf51ef0d8c1de90d03d

三雲番上遺跡の発掘現場は30年前に一度発掘されていて、そのときも田んぼを少し掘ると、韓国系の土器がたくさん出土したそうです。今回はさらに深く掘って、土器だまり(ゴミ捨て場のようなところ)が見つかり、数千点もの土器が見つかった(楽浪系も含む)とのこと。今回の発掘でその中に今回注目を集めた、楽浪系の硯が発見されたとのこと。それで、土器だまりから以前発掘した遺物を再度確認したところ、その中にも楽浪系の硯の一部がもう一つ見つかり、2個の硯が発見されたことになり、日本最多になるそうです(島根県出雲地域でも発見されているそうです)。

楽浪郡は朝鮮半島の大陸側の付け根付近にあり、あの硯は木の台に載せて使っていたそうです。楽浪郡の役人が糸島に駐留していたか、糸島人で文字を書く人がこの硯を使って文字を書いていたことが推察されます。さらに、今宿小学校の下に眠っている、五郎江遺跡から拓郎軍でよく使われていたのとよく似た机が発掘されているとのことでした。

さて文字が糸島になぜ伝わってきているかといえる可能性が高いのは、伊都国が出土した遺物から、大陸貿易の拠点だったことが分かり、貿易をするのに文字が絶対的に必要だったと思われるからであるとのことでした。

糸島の遺跡から、多くの鏡や大陸の貨幣が発見されていること。漢の王から卑弥呼に贈り物をするときはパッケージに「封でい」という、パッケージ内に何が入っているか表書きで分かる目録が付いていたとのこと。また、日本側から漢にネックレス等の贈り物を送るとき玉造の玉の数や量をチェックしていたとのこと。そういうことから、何がどのくらいの数や量が送られたかを確認するために文字を理解し使いこなす伊都国人が必ずいたはずであるとのことでした。

伊都国が代々の王によって統治されていること、井原鑓溝(やりみぞ)遺跡から、鏡以外に長剣やガラス玉のような他の国では王の墓からしか発見されないような遺物が王に使える人のクラスの墓からも発見されていることから伊都国の権力がほかの周りの国より強かったことや、豊富な海外の交易の品が流入していたこと。大陸化の貨幣の量が多く発見されていること、平原遺跡で見つかった装身具(ネックレス等)は中国の王も持っていないインド産のモノであること、また、潤から、船の遺物が見つかっていたことから、伊都国が大陸との国際貿易をしていた可能性が高い事。伊都国に帯方郡の支所があったこと。中国の記録に伊都国に一大率(いちだいそつ)(防衛や警察の拠点)があったとの記載がある。当時、糸島には25くらいの集落があったが、環濠集落であったのは五郎江遺跡だけで、海からの外敵に対する防衛の拠点(水軍があったかも)であったと思われる。五郎江遺跡からは矢じりや甲冑や武器の石器がたくさん出土していることから、ここが一大卒跡ではないかと思われる。

簡略化しすぎたきらいはありますが岡部さんの講演から僕に残った内容です。とにかく弥生時代は伊都国は日本で最先端の国であったことや、今後の発掘でもっとすごい発見が期待されるとのこと。筆や文字が書かれた竹柵のようなもの(弥生時代に紙は日本では作られていないので中国製の神は貴重で伊都国に来ていたか不明です)や硯を載せていた木の机などが発見されるといよいよ弥生時代に伊都国で文字が使われてきた可能性が高まるとのことでした。

とにかく伊都国はすごい所だとまた再認識させられた次第です。岡部さんの糸島愛も強く感じられました。

しかし、この話を若い大人や学生や子供たちがほとんど聞きに来ていないことが残念です。おそらく、試験とか受験とかいろいろあると思いますが、糸島の歴史を老人世代ばかりが聴いても、次世代が関心を持っていなければ文化は次につながりません。子供向け歴史講座を創ることが大事だと感じました。

 

レジュメをもらっていました。これを読むと講演内容がよくわかりますので、スキャンしてアップしておきます。上のコピーがまちがっているかもしれませんが、間違っていたらごめんなさい。でも、岡部さんの講演はパワーポイントに出てきた写真類の解説が多くて発掘の話に重点を置いていたような印象でした。しかし、もじこのレジュメの方がよくわかります。


いとしまサイエンスキャラバン 「既成概念を超えるデザイン~まちや社会もデザインできる~」という講演会に行く。

2017年01月29日 03時54分14秒 | 学習・教育関係

いとしまサイエンスキャラバン既成概念を超えるデザイン~まちや社会もデザインできる~」という講演会に行ってきました。会場は糸島市役所で、講師は九州大学芸術工学院准教授の鵜飼哲矢さんでした。サイエンスキャラバンへ久しぶりに参加しました。いとしまサイエンスキャラバンがまだ続いていることを知りませんでした。


鵜飼さんは東大建築学科のご出身であの超有名な丹下健三都市建築設計研究所での修業時代、多数の番頭クラスの先輩たちを差し置いて丹下先生にお台場のフジテレビ本社社屋を設計で認められるなど、僕でも知っている建築の設計をされた方です。
鵜飼さんの講演ではまず「デザインとは何?」ということから、始まりました。

鵜飼先生はまずデザインとは考える方法の一つです。と発言しておいて、高杉晋作の「面白きこともなき世を面白く」という言葉を引用して、

デザイン=「世の中を面白くする」表現行為

と定義されていました。
世の中を面白くするためには常識や固定観念にとらわれず、発想を広げることが大事と星の王子様の物語を引用して言葉を続けられました。

今回の東京オリンピックの新国立競技場のデザインの変更についても、鵜飼さんは最初のザハ・ハディット案を選んだ安藤忠雄氏と仕事をしたことがあり、その案を変更させた槇文彦氏の下でも仕事をしたことがあるそうで、未来に残す建築として、安藤さんの心境もわかるし、建築予算があの建築を建てるのに最初よりどんどん引きあがることが現実的でなかったこともわかるとのことでした。

建築は形が見えるために誤解されやすく、批判のシンボルになりやすい事や、レトリック(詭弁)に使われやすいとおっしゃっていました。

国家の価値や役割がお金に換算できないように、建築の価値もお金では換算できないものもあることを、丹下健三さんの広島の中の島の原爆平和記念公園の設計と原爆ドームとの関係で表現されていました。

丹下さんからは時代に合わせて、過去、現在、未来を見据えて発想を変えなければいけないということを教わったとのことです。
昨年オバマさんが献花をした平和公園のモニュメントから一直線に原爆ドームが見えるように設計されているそうです。この公園の設計コンペが行われているころ、この原爆ドームを壊して見えなくしてしまおうという運動が起きていたそうです。
しかもチェコ人ヤン・レツル設計の広島産業奨励館の残骸である原爆ドームはこの公園の敷地内にあらず、川の対岸に建っていたのです。それを丹下さんが平和公園と原爆ドームと一体化するような設計にして、原爆ドームは原爆投下の象徴として。過去・現在・未来の象徴となるよう設計されたとのことです。
これこそが、人々の心に届くお金に変えられない建築やデザインの価値ということだそうです。

丹下さんてすごい人ですよね。


この後、丹下流の教え方と安藤忠雄さんの教え方の違いを語っていただきました。

丹下さんの教えは抽象的で巫女的なんだそうです。
丹下さんの研究所に鵜飼さんが新人として勤めているころ、若手の研究員が建築の模型を作ることが日課だったそうです。
ある日、丹下先生が研究員の先輩に建築模型の変更を指示せられて、その先輩は丹下先生の指示通りに作り直して、翌日丹下先生に見せたら、とても怒られたそうです。
先生がおっしゃるには「昨日の私は今日の私ではありません。自分は昨日から今日にかけて1日分進歩したのに、あなたはなぜ進歩していないのですか?」と日々進歩することを促されたそうです。

また、鵜飼さんがあの有名な球体があるフジテレビ本社の設計をすることになった経緯を教えてくれました。
丹下健三都市建築設計研究所には多くの研究員がいて、新人や若手はベテランや先輩の研究員の建築模型を作らされるのだそうです。
このフジテレビ本社の設計案の研究所内での丹下先生の審査のコンペ用に先輩の建築模型を鵜飼さんもいくつも作っていたそうです。
鵜飼さんがあまりにも熱心に先輩の建築模型を作っているので、一案だけ鵜飼さんも提案できることになったそうです。
それからいろいろ考えて、先輩たちの建築模型の2倍の大きさの模型を作って目立つようにしたそうです。
研究所内のコンペ当日では、当然研究所の番頭クラスの先輩の作品が中央に置かれ、一番新米の鵜飼さんの模型は一番隅に並べられたそうです。
丹下先生がやって来て番頭クラスの研究員がプレゼンの司会をしてプレゼンは始まったそうです。
最後に鵜飼さんの模型を見て、丹下先生が何かおっしゃったそうですが、司会の先輩はあまりそれを重要視しないで、プレゼンの審査をそのまま勧めようとしたとき、再度丹下先生が鵜飼さんの作品を注視して、鵜飼さんのの案に決まったそうです。
鵜飼さんの案は他の先輩たちの案に比べて一番ぶっ飛んだデザインだったそうです。
その後は先輩が鵜飼さんの設計にいろいろちゃちを入れてきたそうですが、設計の精度を上げていく作業をしていく中、より大きな模型を作ってその良さを見せられるようにしていったそうです。
鵜飼さん設計の現在はもう建ってしまっていますが、当時フジテレビ本社ビルの建築予定地がお台場という埋立地というところで、背景が海と空しかないことに着目し、建物に近づけば近づくほど空や海の中にあるように感じる建物にしたかったそうです。そこで建物の隙間から空や海が見えるようにしたそうです。
今聞けばなるほどと思えますし、今では一目でフジテレビと分かるデザインになっています。


さてもう一人の建築の巨匠、安藤忠雄さんの教え方は具体的でおばちゃん的なんだそうです。鵜飼さんが学生に向けての授業を安藤さんに依頼した時、安藤さんがある建物の設計を学生たちに宿題に出したとき、提出された宿題を前にして安藤さんはある学生に、「君は鉛筆は何を使うとるん?」と質問をすると、学生が「2Hです。」と答えたそうです。すると安藤さんは「鉛筆はBやで。」と一言言って帰って行かれたそうです。
安藤先生の教えの真意は「自信をもってズバッと描くことから建築は始まる。」ということを伝えたかったのだと思います。
またある時は「建築家は親を大切にせなあかん。」と学生に安藤さんは切り出したそうです。親を大切にすることが人間を大切にすることの基本であり、建築は人間を大切にするものであるから、建築家は親を大切にせなあかん。ということになるわけです。

このように、丹下健三先生は社会や世界の高い所から人間を観る視点で建築を考えられているが、安藤忠雄先生は人間が中心となる視点から社会や世界を観る視点で建築を考えられていると鵜飼さんは思っているそうです。

講演後の質問コーナーで「鵜飼さんはどの視点なんですか?」という質問に鵜飼さんは「私は下からの視点から社会や全体を観たい。」とおっしゃっていました。

 

さて、鵜飼さんは巨匠二人の教えを酌んで建築家は日々の努力が大切なことを「1%の法則」「数学的帰納法」で説明されました。

「1%の法則とは「y=1.01n乗」という数式で表される通り、1%ずつ毎日成長することを表しています。

1日目   1.01
10日目   1.1
30日目   1.3
100日目  2.7  100日(3か月)で2.7倍ですよ!
1年後    37        1年で37倍です

1日(前の日より)1%頑張ればいい。そしてこれを続けることが肝心だ。
逆に1日1%サボるとうまくいかなくなる。ということです。

 

次に「数学的帰納法」の説明は

「まずはやらない」→「翌日もやらない」→「永遠にやらない」となる。

「まず、今日少しやること(今変わること)が大事だ。」ということでした。

 

 

建築で鵜飼さんはご自分が手がけた「もっくる新城」のことや、障がい者のかたのアート作品を段ボール製品に入れ込み日本中で運ばれる「だんだんボックス」というプロジェクト、九大生が行っている熊本地震で観光客が訪れなくなった地域のお土産などの物産を仕入れて、他所で販売するという「やるばい九州」というプロジェクトにも関わっておられます。

さらに、学生たちには、何度も失敗して、失敗を恐れず前に進む「吉田松陰の教え」と負けない戦い方を記した「孫氏の兵法」を読むことを勧めていることや、「なみだは世界で一番小さな海です。」というような寺山修司の詩を読むことなど、建築以外に心を作ることの大切さを教えていらっしゃるそうです。
そういう中で、学生の中から起業して、まちをかえようという若者が出現し始めていることが何より嬉しいとのことでした。

 


以上が大体の講演のながれでしたが、この後鵜飼先生への質問コーナーがありました。
その中で質問内容が聞き取れなかったのですが、鵜飼先生のモノの考え方で「こうでなければいけないという固定観念を持たない。ものごとに優先順位や序列や優劣をつけないようにしている。」とおっしゃっていたことがとても印象に残りました。
おそらく、先生の建築に対する姿勢とか、学生さんたちに接する時の姿勢についての質問なんだと思いますが、心の柔らかく優しい方だなあと感じました。

 

やっぱ一流の人は違うなあと改めて感じました。難しい言葉を使われることなく、聴く人を楽しませながら、伝えたいことをちゃんと伝えていただいたと思います。それに、だれに対しても偉そうにせず、同じように真摯で丁寧な態度で応対をされる姿勢に感動しました。

 

いつものことですが、今回のサイエンスキャラバンも小学生が2人、中学か高校生が一人と、若い人の参加が少ないのがとても残念でした。おそらく、中高生で、自分も建築家になりたいとか、九大に行って、鵜飼先生のいらっしゃる大学院まで行ってみたいと思う子が出てくるように思います。本当にもったいないことだと、つくずく思います。若い時にこそ、本物を見せて感動させてあげてほしいものです。

それが夢の始まりになることもあるのですから。