やはりカブトガニを中心とした発表だった。
「カブトガニを守る会」の九大の小池先生の挨拶があり、清野准教授の講演。
今津干潟が人間の居住地区に隣接しているのにカブトガニが産卵にやってきるという、他では見られないごく珍しい場所であることを強調されていた。
「カブトガニを守る会」のメンバーであり、小池先生の片腕として、カブトガニやその他の生物のDNA 研究をされている九大の西田さんの今津干潟の保全活動の概要のを講演聴く。
去年はタイに研究に行かれてたし、クロツラヘラサギの国際シンポジウムの開催の主メンバーとして活躍されていた。
そして、今回のイベントで玄洋小学校のカブトガニ教室や、伊万里市や伊万里高校生物部の研究の指導もされていた。
地元のカブトガニ保護・研究活動の後継者づくりに励んでいらした。すごく偉いと思う。
たぶん、糸島半島で自然保護のイベントで小学校のグループが発表をするのを見るのは初めてだった。
糸島の自然に親しむ教育は皆無だと思っていたのに、この玄洋小学校生たちは、卵から幼生の飼育、放流まで体験しているのだ。感動した。
次に伊万里湾カブトガニの館の地元の活動と、48年カブトガニ研究をしている伊万里高等学校生物部の顧問の先生の発表があった。
カブトガニ保護の取り組みは伊万里のほうが全然すすんでいた。地元の人の大人たちの意識の高さが全然違うと感じた。伊万里は町おこしの材料に使えるまでに、地元のひとがカブトガニ保護に盛り上がっていた。
伊万里高校生物部のほうはもう大学の研究の仕方も習って、カブトガニ飼育用の餌の作り方から九大の西田先生たちの指導を受け、観察や研究が本格的で素晴らしかった。特に25年続いた個体数計測のために、1日2回干潟に観測に行くことを続けていることが素晴らしいと思った。
しかしこのイベントがただ発表で終わっている。発表することで満足している感が否めない。
観客に会員を募る活動をするべきだったのに、しなかった。
今日来た玄洋小の子供たちが中学生になってもカブトガニ保護活動をする保証はない。
こういうイベントをすると、いつも60代以上の老人ばかりが目立つ。(別に老人の参加に文句をいっているのではなく、子供から中年の大人までの世代が、公的な問題に関心が無く実質何も活動しないことは社会的なエネルギーの損失と、次世代の教育をする際に圧倒的経験不足と視野の狭さを露呈することが予想される。
つまり「なんだ、親父たちは自分たちがやるべきことを何にもせんかったくせに、俺たちに責任転嫁するのか?」と反論されるだろう。ただでさえ、900兆円の借金を次世代にだらだらと増やし続けているのだから。)
今回は玄洋小の子供たちが発表者として参加していたから、その兄弟や、友だち数人の小学生の参加者がいた。
でも、糸島地区の中学生や高校生は一人も来ていなかった。糸島の本当の環境教育はまだまだなのだと思う。
糸島は伊万里みたいな保護団体になるにはまだまだ10年以上かかるかもしれないし、もしかしたら、なれないかもしれないとも思った。とにかく一部の人でかたまっていて、全体的に仲良くない。
伊万里から来てくれた人に対しても、好意的ではなかったと思う。なぜなら、閉会後、その場で談笑することも無く、会場を一目散に出られたように見えた。伊万里の牧島の人には感謝している。できればもっと親しいつきあいが出来たらと思います。
せっかくいいイベントをしているのに、否定的で、希望が持てない自分が情けない。