環境省環境カウンセラー・日本野鳥の会福岡代表 小野仁氏を講師に迎え里山の環境や生態系について話してくださった。撮影禁止の講義でした。
最初にイギリスの森を守るボランティア団体BTCBのことから話された。BTCBには、「講師に学び、仲間に学び、己に学ぶ」という言葉があり、聴いて学んで理解できるのは10%くらいの内容で、自分で体験して学ぶことを実践させているとのこと。BTCBではまず講習があり、受講後2年間中級の人たちの補佐を実施して、その後10日間の講習があり、BTCBの行う自動車運転講習で合格して初級になれるとのこと。そこには「ボランティアとはいえどもボランティアのプロである」という自負があるとのこと。やはり、一般人の方が参加するイベントを行って成功したといえるときでも、成功の中に危険な因子が含まれていなかったか健闘するそうです。なにより安全が第一という哲学の表れとおもいます。
次に日本という国が南北に長く、主として温帯に位置し、背稜山脈があり、河川の急流が多く、分布している地質が複雑、四季がはっきりしている、水辺がいたるところにあるなどという環境にある。
日本には高等植物は5,600種あり、そのうち日本固有種は36%あるとのこと
日本には61種の両生類がいるが(イギリスは7種、ニュージーランドは3種)、そのうち45種が日本の固有種であるとのこと
日本にはトンボが200種もいる(ヨーロッパ全部でも160種)。
世界にはホタルの仲間が2,000種いるが、そのうち水中で成長の一時期で過ごす種は10種、そのうち2種が日本にいること
など日本が豊かで特殊な生態系といっていいほど固有種が多く、生物の種が豊かな国である。
福岡 平均気温が過去100年で3.2℃上昇し、日最低気温は5.2度上昇(これは日本一)、猛暑日も今年が24日、熱帯夜が51日と観測史上最多となっている。
宮崎の椎葉村で昔から伝わる言葉で「のさらん福は願い申さん」という言葉があります。余分な福は願いませんという意味で、昔から森を守った人に伝わる言葉として、継続可能な環境を守る精神を伝えている。このように、里山を守ってきた人に、欲のない、自然が豊かにそこに存在することそのものが幸せだったのでは。
僕たちがそこにあるのが当たり前と思っている表土が、植物やどうぶつが分解して1cm積もるのに100~400年かかるとのこと。
ハイタカという鷹の一種がいる。ハイタカは1日にシジュウカラを11羽獲って食べている。シジュウカラはマツシャクトリガの幼虫を1日に330匹食べている。マツシャクトリガはキハダの森で生息していて。ハイタカが生きていくためには193.4haのキハダの森が必要なんだそうです。
人間がお金のために今ある種を1つ滅ぼすと連鎖して多くの種が滅びることになるのだということがよくわかった。