しまちゃんの愛し糸島ブログ

糸島を個人的に愛している人達の紹介と、ネットワーク作りを目的とした、愛し糸島プロジェクトの情報発信ブログ。

3/30第12回「デンマークの教育について」という講演会に行く

2013年03月31日 15時51分06秒 | 学習・教育関係

昨日福岡市婦人会館(アイレフ)で開催された、「デンマークの教育について」という銭本隆行さんの講演会を聴いてきました。銭本さんの講演会を聴くのはこれで3回目です。銭本さんは2006年にデンマークに留学のために渡り、いろいろあって、デンマーク人の奥さんと結婚されお子さんが生まれ、デンマークの居住権を取得され(国籍は日本のままみたいですが)、風力発電のプロジェクトの実現化を教える「風の学校」を作って、教えたり(日本の富山での最初の風力発電機の輸入設置をサポートされたとのこと)、現在デンマークの国民高等学校「日欧文化交流学院」の学院長をされていて、学院の仕事のほかにもデンマークの教育、福祉、医療のことを学びたい日本人の受入をサポートしたり、日本で今のデンマークのことを伝える講演活動や執筆活動をされています。

講演の内容はデンマークの国のこと(緯度や面積や高度産業、人口、経済、政治、)そして、教育、福祉、医療の概要を日本と比較しながら説明されます。

例えば平均寿命。日本が女性86歳(2010)、男性79歳(2010)。デンマークが女性81歳(2009)、男性77歳(2009)で日本が男女とも長生きです。デンマークは農業国で食糧自給率が300%くらいで肉もよく食べるし、乳製品もよく食べるなど食文化が異なっていることやデンマークでは死期を決めるのは医者や家族ではなく病人本人であり、胃ろうや延命治療をしたがらない傾向があるとのこと。日本人は一番が好きなので、長寿世界一がとてもいいことのように思っていますが、ただ長生きすることが幸福の目安ではないということでしょうか。国民の感じる幸福度はデンマークが世界一ですから。

僕がデンマークのことを高評価するのは、デンマークは日本よりこういう人生を生きたいと願う国民の夢が実現する可能性が日本よりずっと高いことです。学びたい人が学びやすいシステムが整っているのです。それは、国民一人平均6回転職をするという数字からも、よりよい人生の実現、やり直しが行なわれていて、それが実現されやすい環境があることが伺えます。

今回の講演での僕が気に留めたことを列記しておきます。

1、デンマークでは子どもをゆっくり成長させたいという考えが主流である。まあ28歳くらいまでに、自分で独立したりっぱな納税者に育てばいいという感じです(18歳からは独立し、それができない人は国が生活を保証してくれます)。

デンマークでは教育は「知識」と「社会性」2つの足といわれていて、知識も大切であるが遊んで社会性を学ばせることも学力と同じくらい大切であると国民が思っていて、「自立した人間」を育てようとしています。小国が世界に伍するには、教育に知識教育だけでは不十分で世界とビジネスできる社会性という能力が必要と考えています。

日本では学年というのがびっちり決められていて、その年度に6歳になる子どもは小学1年生に一律になっていきますが、デンマークではその子の習熟度に応じて、7歳で小学校1年生になっても全然おかしくない、ふつうのことです。幼稚園に小学校でやっていけるように学べる学級もあります。

デンマークには「子どもは退屈しなければならない。」という言葉があり、子どもは退屈すると、自分で遊びを創り出すので、子どもが自分で遊びを生み出そうとするまで大人はジャマをしてはいけないということらしいです。日本は親が子どもにああしろ、こうしろ言い過ぎで、子どもの自分からの想像力と創造力を摘み取っているのでは、とのことです。

デンマークに学習塾は無く、習い事で人気なのは男子がサッカーで女子がダンスだそうです。

17~19歳で高校に行くのが50%、職業別専門学校に行くのが約50%で、職業別専門学校を卒業してちゃんと就職できれば一般的に月給が50万円くらいもらえるとのこと。

大学入学試験はないが、高校時代に10科目の学力試験があり、その点数で大学に入学資格が与えられる。だから、教師や医者になりたい人は高校で勉強しなければならない。高校と大学に進級する前に1年くらい社会に出て、旅やバイトや、試験的に務めたりして社会に触れ、大学の進路の専門科目を決めてから大学に入学することも一般的です。つまり、大学には学びたいことや就職へ目的を持って入学します。日本のように、大学卒業前に企業に入ることを就職とは言わないということです。

 

以下は以前に聴いた講義にでてきたことですが、デンマークがいかに、国民の学習や成長に力を貸す存在かということを(僕の記憶から)伝えたいと思います。

デンマークでは大学とは勉強するところで、当然学生はめちゃくちゃ勉強しないといないのでバイトをしたりしている暇ありません。月10万くらいの返さなくていい奨学金がもらえ、自分で実家を出てアパートを借り学生生活を送ります。もっとお金が必要な人は、ローンを組んで利子を国が出してくれる制度もあり、これが日本の奨学金みたいになります。

大学2年になると、勉強のし過ぎで疲れる人が多く、半年バイトして半年から1年くらい世界に旅に出たり、別の機関や文化にふれたり、人に会いに出かけます。そこで新しい文化や知恵に触れ、残りの大学時代に何を学ぶかを軌道を調整するのです。そして、やりたい専門性のある勉強をして、なんらかの資格を取り、大体28歳くらいまでに卒業と就職をするそうです。

卒業後も違う仕事をしたくなったら休職して、学校に行って資格を取ろうとするのが普通で、一生の間にデンマーク人は平均6回転職するそうです。休職中も国と組合から休職前の給与の8割くらいの保証をしてくれるし、女性の8割が仕事をしているし、子どもの教育費も家族の医療費も国が全部出してくれるので、勉強に専念できるのだそうです。

 

 

2.デンマークの民主主義は政治史システムではなく文化である。

国民誰もが自分の意見が言えることや、自分の決定で行動することを幼稚園から教育されてきている。だから徹底的に話し合うことが文化であり、ぎりぎりまで話し合い、お互いに歩み寄らなくてはならないことを認識している。だから組織のリーダーは責任を持って他者の意見を汲み取ることができる人であることを求められる。

「平等」の考え方の違い。1枚の円形のピザを平等に分けるといことは、日本ではおそらく中心から120度ずつ三等分することと考えられがちだが、デンマークでは誰が一番腹が減っているかが話し合われ、一番腹が減っている奴が他の二人のことを考え食べたい量のピザをまず切り取り、残りを他の二人で話し合って分け合うというのが、平等という考え方のようです。必要に応じて必要な分配がなされることが平等ということらしいです。

18歳になると成人となり、選挙権も被選挙権も持つデンマークでは高校在籍中に市議会議員になる生徒もいるそうだ。社会性を持つということは政治にも関心を持ち積極的に政治的活動に関わるのが当たり前で、デンマークでは選挙が平日に行なわれることが多いにもかかわらず、投票率も80%を下ることはまずないとのこと。国民の監視が厳しいので、議員はいいかげんなことをすればマスコミに発表され仕事を失います。

 

4.特別支援教育と特別準備教育のこと

デンマークでは「障害児」のことを「特別なニーズを持つ子ども」として扱っています。障害を持つ幼児、児童の教育負担はゼロです。

国の教育方針も障害者と健常者をいっしょに教育する方向から、障害児を分けて専門家に教育してもらう方針になり(生徒一人に対して3人の専門家が教育に当たることもあったりしてコストがかかりすぎるようになった)、2010年以降はまた障害を持つ児童とそうでない児童を一緒に教育しようという方針に変わったそうです。

一般の学校の中に発達障害が主な生徒の特別支援クラスを設けた学校があり、1クラスの生徒数が4~8人程度に1人の先生とペダゴーと呼ばれる障害者をサポートする専門家が付いています。クラス分けが年齢ではなく「できること」によって分けられているとのことも特徴的です。科目によっては特別支援クラスの生徒さんが一般クラスで学ぶことも有るそうです。

このペダゴーの存在が日本とデンマークの大きな違いです。

一般学校の他に特別支援学校もありますが、18歳ころまで在籍でき、16歳~18歳の高学年クラスは卒業後の進路や生活について、数年かけて探るそうです。こういう学校が福岡県とおなじくらいの人口のデンマークには184校もあるそうです。(ちなみに日本のおなじ高等部の障害者支援校は福岡県には10校あるそうです。)

特別準備教育は2007年8月に国の仕事としてスタートしました。1994年に発表された「万人に教育を受ける権利」があるというサラマンカ声明に基づいた教育制度です。障害を持つ若者の未来の可能性を焦点を絞って、時間をかけて広げるという人道的視点と、若い障害者が自分の力で経済的に独立できれば国からの早期年金や生活保護受給が減らせるという経済的視点で実施されています。

中学や高校卒業から25歳までの間の3年間が特別準備教育の期間となり、計算、読み書き、英会話などの教育から、働けるようになるための弾力性のある実習という就労支援だけでなく、一人でも暮らせるようになるための料理や洗濯などの生活活動の訓練、男女の出逢いや彼女彼氏の作り方なども含めた一生の余暇の過ごし方までが教育の内容になっているとのことです。

 

5.いじめ対策

デンマークでもいじめの問題が起きていて、2008年の調査によると、6年生の約三分の一がいじめの被害経験があり、調査時の最近の2ヶ月以内にいじめを受けたのは四分の一いたとのこと。2009年に12歳の発達障害児が一部グループからいじめを受け自殺したことが大きな事件としてデンマークでマスコミをにぎわしたこと、最近はネットによるいじめが増えているとのこと。

日本では学校内での携帯やスマホの使用を禁止する傾向にありますが、デンマークでは学校内にWifiが使え、携帯やスマホの使用も禁止していません。将来ITは必ず必要なものであり、ITの使用技術を高めることがデンマークの将来に必要だという国の考え方なんだそうです。あくまで悪いのはITを使う人間の問題であり、その人間の問題を解決することでいじめを無くそうという考え方のようです。

デンマークには児童教育省というのがあって、2009年8月からすべての国民学校に学校ごとに「対いじめ戦略」を作ることを義務づけ、各校ごとにいじめへの考え方、撲滅への方向性、発生後の対応の仕方を具体的に細かく決めさせているということです。

日本の市町村にあたるKommune(コミューン)の教育部署にはいじめ担当がいて、カウンセラーのような専門家の人がいるところもあるそうで、必要があれば学校をサポートするそうです。

学校においては、まず担当が対応しペダゴーが出てきて学校で対策に当たる、校内のいじめに対する知識や経験を持つ他の先生やスクールカウンセラーがサポートしてくれる場合もあり、校内で解決できない場合はKommuneのいじめ対策担当者が対策に参加する場合もあるそうです。そして学校ごとで作られた「対いじめ対策」が実施されるそうです。

いじめ対策の考え方として日本と違うのは、日本だといじめる側への対策がいじめ対策と考えられがちだが、デンマークのいじめ対策は、いじめる側と、いじめられる側の両サイドがあって、いじめられる側のサポートをするだけでなく、どうしていじめをしたのかの原因(性格、家庭、友人関係など)を探ってそれを解決していきます。デンマークではそうしないといじめの根幹がなくならないという考え方で対策が立てられます。

サポートは家族を巻き込むこともあります。

Kommuneにはファミリーハウス(ファミリーカウンセラー)と呼ばれる人がいて、この両サイドの人を会わせることもあれば会わせないこともあるそうだ。

デンマークではいじめ対策の講習や対いじめコンサルタント講習が(公的機関がやっているのではなく、民間団体が行なっていて、資格を発行しているところも)あります。デンマークの国民学校ではこういう講習を受けた人が2、3人いるそうです。

デンマークのいじめ対策の特徴の一つがマニュアル化しないということがあります。つまり、いじめのケースは一つ一つが異なり、マニュアルにならないというのがデンマーク流の考え方です。

日本のいじめ対策ができたというニュースも聞いたことがないので、まだ何をどうするかを検討中で、ずっと検討中にされそうな予感がします。

 

 

大体これが銭本さんの講演の内容でした。

講演後、銭本さんへの質問タイムがあり、僕も質問させていただきました。

僕の質問は「日本がデンマークのような人を大切にする教育や政治ができない原因はなんですか?日本は何をすべきですか?」

銭本さんのお答えは、「日本は小学校までの教育はまあまあいいところいっていて、悪くないと思うが中学校教育から以降が失敗しているように思うとのこと。日本の中学校以降の教育が受験勉強の知識一辺倒の教育で、社会に目を向け社会性を延ばす教育が出来ていないことと、部活の年齢ごとの先輩後輩の上下関係の強制が能力のある人間の能力を伸ばす道を塞いでいる。そして能力のある人を褒めないで埋もれさせてしまい、社会に必要とされる人材の未来をつぶしている。とのことでした。」「もう一つは女性がもっと社会にでていくべき。日本の女性は高学歴で能力が高いのにそれを生かすリーダーがいない。他人の才能を見出す先人が少ないのでは。」とのことでした。

そうですか中学高校で先輩後輩のけじめをつけられることがしつけだと思っていましたが、それが本当に才能がある人が評価されず出てこれない原因のひとつになっていたとは・・・

 

 

そういう教育に対するデンマークの姿勢や「成りたい自分になれる可能性を与えてくれる」システムを観ると、国民の自分の才能を発見させ 、国や他の人が、国民が才能を伸ばし能力を高めることに寄与し、その能力を高めた国民の個人の集合体が、いっぱい海外から富を国にもたらしているという構図が見えます。

ドイツに占領され屈辱的な時代を経て、デンマークの先人たちの苦い経験が、デンマークの明るい未来を作るために、人を育てるビジョンをつくり、能力が高くて他人を愛する国民を作る教育に務めてきたことが分かります。

これは講演の資料で銭本さんが活動している「日欧文化交流学院」についての情報です。

そして銭本さんのために著書も紹介します。今まで書かれた本の3冊分の内容のポイントをまとめられた感じです。これ1冊でデンマークの国の考え方や日本との違いがよく分かります。一度はデンマークのことを学ぶと、いろんなことが見えてくると思います。

銭本隆行著「デンマーク流『幸せの国』のつくりかた」 明石書店 ¥1,600 です。

半分くらいのところまで読みましたが、最終章の第8章が「日本にいま必要なもの」となっていて、いい示唆となるのでは。

 

今後の資料としてこのブログを残します。

長文ご容赦ください。

 


今宿「焼き鳥 しもい」シーズン開幕です!!

2013年03月29日 00時06分49秒 | 今宿関係

糸島商業ニュース3/28より

焼き鳥しもいさんの大将下井茂樹さんはダイエーホークスを福岡に誘致するよう数万人の署名を集めたり、ダイエーホークスの初代公認応援団団長を務めるなど、生粋のホークスファンです。いよいよ開幕戦が始まります。みんな「焼き鳥しもい」でホークス戦をテレビで観戦しながら盛り上がりましょう!!

ホークスが勝つといいことがあります。


藤原建設の「がらくた市」のこと

2013年03月28日 23時56分25秒 | 糸島関係

28日西日本新聞より

藤原建設さんの「からくた市」の広告はよく見ていたのですが、骨董にあまり興味がないというか、経済的にそういうことを趣味に出来ない状態なので、行かずじまいで来ていますが、50回も頑張っているという事で、尊敬の念を込めてブログにアップしておきます。

興味のある人は下記まで(糸島商業ニュース3/28)


いいかげんなTPP

2013年03月27日 23時20分28秒 | ニュース・テレビ関係

本日の西日本新聞より

糸島の農家を守るために俺たちは何をしたらいいんだ?

未来の子どもたちに安全な食糧を安定して供給してあげることができなくなるのでは、国や行政が何もしないことは予測がつきますが、未来に死ぬ子の親や祖父母となる一般の国民が何もしようとしてないことが、不安です。TPPの調印は7月です。かなりやばいと思うのですが。こういう大事なことを国民同士で話し合う場がないということが、日本人の民主主義があれは民主主義ではないと外国から揶揄される原因でしょう。


木を植えるということ、森を削ること

2013年03月27日 23時08分56秒 | ニュース・テレビ関係

今日の西日本新聞より

同じ背振に佐藤さんたちはせっせと木を植え、同じ背振に建設費260億円の国際リニアコライダーを作りたい糸島市役所の人たちや土建屋系規制権益議員やゼネコンや機械屋は、せっせと背振の森を削る計画を進めている。共存の道はあるのか?


糸島市二丈の松国一本桜のこと

2013年03月27日 11時01分17秒 | ニュース・テレビ関係

KBCサワダデースという番組より 新聞記事のを紹介するコーナーで糸島市二丈松国のせいようかん(字がわかりません)というカフェの一本桜を紹介していました。この桜は昔から有名だった訳でなく、カフェを作るとき敷地の中にたまたまあった木らしいです。カフェは土日の営業のみらしいですが、予約をすると店を開けてくれるそうです。

 

西日本新聞ラテ欄によるとRKBの本日夕方6時15分からの今日感ニュースで糸島のヤマザクラ(どこのヤマザクラか不明ですが)を紹介してくれるみたいです。

残念ながらこの番組では糸島の桜を紹介するニュースは放送されませんでした。

糸島市の広報誌「いとしま」の3-1号に二丈の「相思の桜」を見るウォーキングツアーのことが載っていたので、追記しておきます。


4/26「糸島クラフトカーニバル」です。

2013年03月26日 23時28分24秒 | 今日の天気・夕日・散歩等

筑前前原駅に置いてあったチラシです。

クラフト好きの皆様へ

糸島クラフトフェスティバルとはまた違った志摩-初にある「糸島応援プラザ」で作品を販売している糸島の工房さん主体のイベントのようです。おそらく出店している工房さん全てが糸島にある工房さんだと思いますので、イベント会場で気に入った工房を確認して、帰りに現地の工房めぐりをされても面白いのでは。

いとひとねっとの桑野さんが頑張っています。

みなさん糸島へ来てください!!


白糸酒造の梅酒が日本一に

2013年03月26日 23時16分16秒 | ニュース・テレビ関係

3/26西日本新聞より

新聞によると4/13・14ハネ木しぼりの白糸酒造の蔵開きで梅酒「しらうめの庭」は50本限定販売するとのことです。人気のイベントですので、梅酒購入希望の方は13日午前中にご来場された方がいいと思います。

HPでの梅酒「しらうめの庭」の販売は完売しているようです。

http://www.shiraito.com/info/ume2013.html


「へうげもん」終わる

2013年03月25日 15時09分02秒 | ニュース・テレビ関係

僕が唯一観ていたアニメが今日で終わった。

千利休が切腹をし、弟子である古田織部が介錯をするというシーン。

利休がなんとマッチョなこと。「利か数寄かそれが問題だ」命を懸けて遊ぶ利休が凄い。

利休の死に敬意をこめて頭を下げる弟子たち。

それを睥睨する織部の顔

こんなシーンもこんな引き締まった織部の顔も今まで見たことがない。

 

ロールエンドで百舌が空に舞い、やがて、織部のロゴに消えていった。これで完である。

デザイナーとしては最後まで楽しませてもらいました。

番組の初期は絵が下手でCGとの合成も雑で、お金も時間も人も足りない感が全面にでていたが、音楽や音や声優陣だけは才能もセンスも充実していた。侘び寂や風流、数寄というかなり難しい材料をどう表現するかが勝負だったと思う。人間の機微や心の動き、戦国時代の武士の心をかなり深く洞察した上で、かなり乱暴な現代的な解釈というか、ごり押しのエンターテインメントに料理された脚本家の方たちに敬意を表します。

久しぶりに面白かった。本当に毎週日曜深夜を楽しみにしていました。終わって残念です。

「へうげもん」スタッフの皆様ありがとうございました。


[いとおかし]のこと

2013年03月25日 13時53分49秒 | 糸島関係

サイエンスキャラバンの後、前原でお茶が飲みたくなって歩いていたら偶然・・・・

3/24は前原の軽トラ市の日でした。毎月第四日曜に開催される軽トラ市の日に前原のイリスロードにみんなの家の「みちくさ」というスペースで九大生が「いとおかし」という世界各国のスイーツを食べさせる店を開いています。

「いとおかしは」糸島市が大学生を対象にまちおこしのアイデアを公募して、昨年グランプリを取った九大の二重丸というグループのプロジェクトです。九大に来ている留学生たちに自国のスイーツを作ってもらって、それを食べてもらったり、文化を紹介することで、糸島や街の人に国際的な文化交流をする場を作ろうという目的で活動されています。

今日のお菓子はエジプトのお菓子で、それを作ったのはアレクサンドリア市出身のモハメッド・モハセン・アブデル・アジス・ゾマラ君です。長い名前でしょう。

モハメッドが名前でモハセンがミドルネームでアブデルがお父さんの名前、アジスがおじいさんの名前、ゾマラがファミリーネーム、つまり苗字、になります。これがエジプト式かと名前の形にも文化を感じます。

モハメド君は日本生まれで8歳まで日本で育ったそうです。それからお父さんの仕事の関係でアレクサンドリアに戻り、大きくなってまた日本の大学で勉強したくて九大に来られたそうです。現在工学部の航空機械科(?)の学生で航空機やロケットを作ることが夢で、エジプトにはそういうことを学べる所がないので、知り合いもいる日本にやってきたそうです。先週13年前に教えてもらった日本人の小学校の先生と再会できたそうで、日本が好きだそうです。

アレクサンドリアは1年に1回すごい砂嵐が来ること、イスラム教の人が95%くらいすんでいること、イスラム圏だけどアレクサンドリアは意外と自由で、女性もベールをしていなかったり、肌が露出する服(日本だと普通なんだけど)を着ていたり、地中海にはビキニの人も多いこと、サハラ砂漠にはイギリス軍が設置した地雷が今でも残っていて、ときどき、人を傷つけるので砂漠には安易に入っていけないこと、流砂のこと、も聞けました。日本の女性の方がエジプトの女性より強く見えるそうです。

ほんの15分くらいの会話でこれくらいの話が聴けました。

モハメド君は明るくていい感じの学生さんでした。とても楽しかったです。アラビア語で自分の苗字を書いてもらいました。記念に取っておこうと思います。

モハメッド君、いとおかしさんありがとう。


いとしまサイエンスキャラバン「宇宙図2013」&「国際リニアコライダー計画」のこと

2013年03月25日 01時40分49秒 | 学習・教育関係

久しぶりにいとしまサイエンスキャラバンに参加。宇宙図というポスターの話と国際リニアコライダーという素粒子を研究する巨大施設を糸島と佐賀にまたがる背振山中に作る計画の話の2題の講演が行なわれました。

 

会場は糸島市役所新館5F会議室で、市の職員の方々の挨拶があって

まずは「宇宙図2013」のお話が。

九大理学研究院物理学部門 国際宇宙天気科学・教育センター 助教の山岡均先生のお話です。先生が作られた「宇宙図」とは宇宙研究とはどういうことで、それらが何をして何を求め、どこまでわかったかという総合的な宇宙学の情報をポスター1枚に表したものです。いわば、宇宙学総体のインデックスのようなものです。

137億年前に宇宙ができた宇宙の歴史が中心に表現されていて、星の一生や生命の誕生や進化、人間の材料がどこから来たのか?など宇宙が関係していることの主な研究が総体的に簡潔にまとめられている。しかしサイズはかなりでかい。裏は英語バージョンだ。

山岡先生はかなりユニークでその体型や大きな声と明るい性格がなかなかのキャラをしていらっしゃった。

地球で現在宇宙を観察しても何百万年前の過去の光を観察できるだけで、現在見えているところにはその星が光を移動していたり変化していたりすることや、星は丸くないガス状のものが多いこと、星が光るのは水素がヘリュウムに変化するときに光と熱を出すことなどが興味深かった。

この宇宙図は4/15以降「宇宙図」「ダウンロード」で検索するとダウンロードできるそうです。

糸島ではペガサスプロジェクトという九大内や近くで天体観望会などを開催したときに配布してくれるそうです。

 

次の講演は九大理学研究院物理学部門助教の吉岡瑞樹(たまき)先生の「国際リニアコライダー」のこと

 

素粒子を研究すれば宇宙のことが分かり、宇宙を研究すれば素粒子のことが分かるという。素粒子とはこれ以上小さく分けることが出来ない物質を構成するもののことで、分子や原子、核、電子、陽子、中性子のとこらへんまでは習っていたが、クォーク、レプトン、そして去年発見されたヒッグス粒子ともなるとさっぱりだが、さらに細かいものがあることを、このリニアコライダーは研究できるとのこと。

素粒子研究施設は円環状のものが多いがこの直線状(リニア)の施設はもっと凄いものらしいです。

この施設は何百億の建設費と人口20万都市規模の電力が必要だそうです。今この施設の建設候補地が東北とこの糸島市と佐賀県の間の背振山中の2箇所で7月には決まるそうです。糸島市はこの大きなお金が動くプロジェクトをぜひ誘致したいのだろう。

素粒子研究がお金になることも強調されていた。

糸島市の職員の方たちも、ぜひ国際リニアコライダーが糸島市にできれば、国際学研都市になるようなことを述べられていた。

この国際リニアコライダーは地下にビル7階建分の直径のチューブが31kmも連なったとても大きな凄い施設だ。なんか、使用済み核燃料の保管施設オンカロに似ていると思いませんか?20年くらい素粒子研究したら、古くなったら、そうだ別の使い方で有効利用ができるぞなんて、日本の核廃棄物の保管や捨て場所になっちゃったりして・・・

天邪鬼な発言ですいません。できれば、糸島が自然の楽園として次世代に残っていて欲しいので。背振は糸島の水源で、水源のが減ったり、汚れたりすると、せっかく有機農業の里として努力されてきた農家の農作物に影響がありそうで、賢く対応しないと権力者にやられちゃいます。安全なら、市役所からも、もっと環境に与える影響についての情報がもっと全面に出てくるはずですから。

僕の発言が邪推に終わることを祈ってます。水をダメにすると人が住めなくなります。だから、国際リニアコライダー招致を推進したい派の人たちは、顔と名前を出して、環境に対する安全性を保証する情報をまず出しましょう。

糸島市としてもかなり美味しそうなプロジェクトであり、ぜひ誘致したいので、オリンピックと同じように、住民がウェルカムの気分を喚起したいのだろうという気分が感じられた。

 

おそらく背振山中は糸島や唐津その他の地域の水源(雨を貯める所)だ。環境への影響については、放射能は出ないことしか述べられなかったし、糸島市より多い消費予定電力をどう都合するのか(玄海原発との関連)も述べられなかったことが気になる。

本当の学研都市に糸島市がなって欲しいと思います。

糸島市は、環境は守れることをまず住民に発信すべきだろうと思います。特に水のことは。

農業や漁業、そして住民の安全な飲料水は絶対的に確保できることを発表して欲しい。

そして、野生動物や植物に影響がないことも調査して発表欲しい。

東北(北上)がもうひとつの候補地にあがっているが、東北の復興の経済的な起爆剤になることも考えられる。東北のためにも選ぶ人たちが公平に建設地を選んで欲しいと思う。

5/2追加情報「福岡県だより2013・5」より