まずは朝9:40JA糸島加布里支店前に集合。来年1月で50周年を迎えるほど糸島植物友の会さんは伝統があることを知りました。
点呼と挨拶と今日の大まかな日程の説明があり、軽いストレッチ体操があって、いよいよ出発です。
最初に行ったのは植物観察ではなく、釜塚古墳に立ち寄り見事な円墳を観ました。
平たい円柱が4段か5段重なって出来ていて、周濠があったそうです。円墳に周濠があるタイプがあるのを初めて知りました。また、この刀の形を模したような飾りも発見されたようです。珍しいです。
いよいよ伊都国宮地嶽へ登ります。天気がいいのですが、僕は花粉でややブルーでした。しかし、山に入ると梅が満開だったり、気分がどんどん良くなっていきました。
上の花はクロキの花です。僕にとっては初めて知る木の名前や花ですが、こういう新しい知識が今日一日でどれくらい入ってくるのでしょう。
これはアリドオシ。これも初めて見る植物です。
伊都国宮地嶽神社の下の社務所みたいなところがありました。梅が見事で、めじろが複数で鳴いていました。
右がネコノメソウです。丸い葉っぱの中心に花が咲いて実ができると猫の目みたいにみえるだそうです。
山道には、植物好きの先輩の人が珍しい植物の近くに棒を建て、写真のような説明書が展示してありました。なんとも親切なことです。
一人でこの山道を登っても、少しは植物観察ができるようになっているみたいです。この山道の横の山側の斜面にはシダ類が多いようです。
イノデは葉っぱの形がイノシシの手(足先)に似ているからだそうです。
ウバユリとはユリにしてはちょっとかわいそうな名前で。左側が枯れた葉がついた枝で、右がまだ伸びていない幼い葉だ。同じ種でも同じ時期に姿が異なる奴がいて、不思議です。
ここでこの会の中心人物平野照美さんのことをちょこっと話しておこうと思います。
平野さんは高校時代から生物に興味があり、とくに、自分で光と水と養分で有機物と酸素を作り出す植物に関心が深まったそうです。そういう高校時代に糸島の生物部会ができて参加していたそうです。
それから福岡植物友の会が福岡の植物を調査しようということになりそれに、糸島の生物部会も賛同して糸島の植物を観察し調べる活動になって行ったそうです。
そして、それに一般の植物好きの人たちが参加されるようになり、49年前の1月に糸島植物友の会としての活動になっていったそうです。その第一回目の観察会は高祖山だったそうです。
さて、平野さんは自分は教師でも先生でもないので、ただの平野さんと呼んで欲しいとのことでした。
そして、周りの会員の方に聞くと、平野さんは植物にめちゃ詳しいそうですが、特にシダ類に詳しいそうです。
これは「イノデ」「サイゴクイノデ」というよく似たシダ類の説明を受けているところです。葉のつやとか胞子の付き方、根っこの色など色々違うようです。
上級と言われる蘭などは雄しべから花粉がめしべに受粉して種子ができます。しかし下等というか、原始的というか、シダ類は胞子が内の精子が雨が降ったとき泳いで卵子に到達し受精するそうです。
そのため、雑種ができる可能性が高いのだそうです。だから、シダ類は似たようなものがいくつも種類が多いのだそうです。
僕は写真を撮りながら説明を聞きながら、ときどきメモをしているのですが、メモを取り忘れることもありますし、説明を受けたことを忘れてしまうこともあります。話が面白いとつい聞きほれてしまうことも。
頭に残ったと思っても、上の写真が何の説明を受けていたのかがわかりません。ウソを伝えると申し訳ないのでこのままにしておきます。すいませんねえ。こんなもんです。
ちょこっと行っては説明を受けて、またちょこっと行っては説明を受けて、疲れないペースで登っていきます。
解説のシートには植物のことだけでなく歴史的な遺物の説明もありました。
この伊都国の宮地嶽がかって幕府、福岡藩、中津藩の領地の境界があり、23個の境界石があるのだそうです。
こういうものを観ながらさらに上っていくと校歌碑広場がありました。こんな広場があることを初めて知りました。ここで校歌を歌ったりする式典があるのでしょうか。
糸島の小中高校の校歌の碑が並んでいました。もうツクシが出ていました。
上からの眺めも良かったです。
左がキランソウといって薬草になる植物で、上の道の真ん中に生えていました。右はスミレです。
下はツチグリです。
いよいよ伊都国宮地嶽神社境内に。やっと昼御飯がいただけました。平野さんはお湯を沸かして参加者の皆さんにコーヒーをふるまわれていらっしゃいました。本当に親切な方です。
食後、吉備真備が遣唐使として赴く前に航海の安全祈願にこの伊都国宮地嶽神社に参拝した説の説明とその証拠の石塔を見学。
やがて、山道の下りるための道へ。途中海側が見える展望台がありました。展望台ではしばし休憩し、遠方の風景を眺めました。展望台の中心に円形の御影石のテーブルがあり、遠方の山や川や湾が線画で彫り込まれ、山の高さや目印になる山や川の方向が分かるようになっていました。どうやって、ここにこの直径2mくらいの石のテーブルをどうやって運んだかが話題・論議になり、牛車で運んだらしいということがわかりました。
下りはもうあまり、植物に目がいかず、花粉に鼻水が止まらないため、すぐ降りようとしている自分に苦笑していました。
里が近くなり梅が本当に見事でした。
山の下に降りてきても、まだ、会員の方たちの植物への目が止まりません。
解散場所のJA糸島加布里支店がJR加布里駅の向こう側にあるので、駅を通っていきました。
途中加布里駅のポスターで、3月26日より加布里駅が無人駅になることが分かりました。
JA糸島加布里支店の広場で軽い体操をして平野会長から次回が野草食が楽しめる会でぜひ参加してくださいと告げられました。
疲れることもなくゆるく自由な感じで参加できました。会員の方たちも知的で親切なかたが多かったです。
皆さんマナーがいい人ばっかりでした。このなんとなく、自由だけどマナーがいいことが約50年続いてきた秘密かもしれません。
宮地岳の展望台からだと、加布里湾や可也山が木に隠れながら見えました。こちらからの可也山は平たく見えました。
参加費用は400円でした。たぶん保険とかそういうお金だと思います。植物が好き出ない人でも、ちょっと気分を変えたい人にも、無理せず、良い風景が楽しめて、お勧めの会だと思いました。
現在70名くらい会員さんがいらっしゃるそうですが、最大120人の会員がいたそうです。多すぎると大変ですが、今回の参加者は20名くらいでした。
ちょうどいい人数で、皆さん親切で、植物や地元の事柄をいろいろ教えていただきましたよ。
とても楽しかったです。また参加させていただこうと思いました。ここには書けませんが、帰りに平野さんにさらにちょこっと良い体験をさせていただきました。ありがとうございました。