2/26さいとぴあにて
カブトガニを守る会に入会して2回目の福岡支部総会に参加してきました。福岡支部にはカブトガニを観察と保護をしているグループ(地区)として、北九州地区、福岡地区(今津干潟付近)、加布里地区の3地区があります。僕はその福岡地区というところに属しています。
この会の活動の主な活動は、カブトガニの産卵地や生息地の干潟や砂浜の清掃や保全、産卵に来たつがいや個体の数を計測することです。
カブトガニは3億年前から生きてきて、生きものとしては人類の大先輩です。そのカブトガニがレッドブックの絶滅危惧種に指定されています。3億年生きてきた、カブトガニが生きられない環境は人間にも生き難い環境でしょう。カブトガニの環境を調べることで人間の営みが環境に与えた影響を観ることができます。
福岡支部には顧問に九大院の比較社会文化研究院自然保全研究室の小池先生と西田先生がいらっしゃいます。お二人は学術的にカブトガニのDNA研究による、アジア地区のカブトガニの生態を研究されています。
カブトガニは世界中に生息していて、アジア各地の干潟にも生息していて、残念ながら食用や漢方薬の原料として採取されてきたという歴史があります。今津でもハチガメといってカブトガニを味噌汁に入れてつい最近まで食べていたようです。タイでは現在でもカブトガニは食用に用いられ、中国や台湾では、カブトガニの生息地にエビの養殖地を作って、カブトガニの産卵時期だけ、エビの養殖を中断する約束でエビを養殖しているとのことで、カブトガニの生息地が減ってきているようです。
福岡地区で観察しているカブトガニは主に能古島の南西部の海から今津湾付近の干潟を中心に生息していて、6~8月の大潮の日に、今津の四固神社付近の浜に産卵に来ます。10年で成体になるらしいのですが、幼生の時期はアジサシやカラスなどが餌として狙っているのだそうです。成体くらいになると普通水深30mくらいのところにいるそうです。
しかし漁師さんにとって、底引き網漁をするとき、カブトガニは網を傷める厄介者で、漁師さんにとっては敵の存在らしいです。だから、世界の絶滅危惧種なのに、日本ではカブトガニは漁業者が反対するので天然記念物などの保護対象種にならないのだそうです。今津港もヨットハーバーの岸壁ができて、カブトガニそのものや砂や海水や海草、魚類も含めての移動がしにくくなっていて、今津湾内に産卵に来る個体数が減ってしまっています。
九大の小池先生と西田先生のお二人は今津干潟と加布里干潟にやってくるもう一つの絶滅危惧種の鳥、クロツラヘラサギの研究者でもあります。
世界の絶滅危惧種の保護を訴えるレッドブックの3Aの最希少種のカブトガニとクロツラヘラサギがこの糸島の干潟に居るという奇跡的なことの意味を糸島の教育関係者で理解している人は少ないです。
今津小学校の生徒さんの一部には当支部のもう一人の顧問の九大の清野先生が観察等の指導に当たられています。残念ながら親世代の自然保護に関心がある人がもっと参加してくれるとありがたいです。できれば、当会に入会して、糸島の自然を守ることに関心を深めて欲しいと思っています。僕が会員で居られるくらいけっこうゆるい会です。
カブトガニやクロツラヘラサギにご興味のある方は
事務局:西田先生までご連絡のe-maileアドレスは
次のイベントは4月のラブアースクリーンアップと6月の産卵地の海岸清掃、調整がつけば7月、8月の大潮の日の午前中の観察会などがあると思います。その時期になったらまた、お知らせします。
そのときは、糸島に来てください!!
長文でご容赦。