ライブドアの堀江貴文社長は、武田信玄の「軍勝五分」を以て「和睦」による真の「戦略的勝利」をめざせ

2005年04月14日 19時42分29秒 | 経済
和解か、瓦解か ライブドア・フジ和解案、決着は不透明 (朝日新聞) - goo ニュース

 読売新聞が「ライブドアとフジテレビ 月内にも和解へ」と報じた「特ダネ」記事(13日付朝刊)が、本当になりそうである。報道各社は、疑心暗鬼のようだったが、14日になって後追いし始めている。「和解」の条件をめぐって詰めの交鈔を進めていると見られる。
 ライブドアの堀江貴文社長は、記者団にこのことを聞かれ「魑魅魍魎」と肯定も否定もしない、文字通り「魑魅魍魎的」な答え方を煙に巻いているが、ライブドアとフジテレビの双方が納得できる条件で折り合い、「和解」が成立するなら、ライブドアにとって、「大勝利」である。1000億円でニッポン株を引き取ってもらい、なおかつ、フジテレビから第三者割当増資分を引き受けてもらい、実質的に出資を得て、さらにそのうえに、業務提携してもらえるなら、これほど「有利の条件」を獲得することはめったにないこととなる。
 相争う二つの勢力がぶつかるとき、絶対に譲れないところで勝つことを「戦略的勝利」といい、多少の譲歩をして勝つことを「戦術的勝利」という。ライブドアが目標としていたのは、「メディアとインターネットの融合ビジネス」であるから、この戦略目標が、達成不可能となるなら、堀江社長の「完敗」である。だが、「業務提携」にしろ、目標達成に一歩踏み出すことができるなら、「大勝利」と言わなくてはならない。資金調達が行き詰まったり、6月の株主総会が近づいたりして、「時間」との勝負を迫られていたために、ニッポン放送株の買い取り、第三者割当増資分の引き受けという条件で折り合いをつけなくてはならなくなったための「戦術的な敗北」と見えても、実質的には、「勝利」である。リーマンブラザーズからの融資を原資として勝負を挑んだ堀江社長にとって、手にする物は、大きい。和解が正式に決まった後は、徐々に実績を積み、メディアを縦横無尽に活用すればよいのである。
 徳川家康が最も恐れ、最も尊敬をした武田信玄の有名な言葉に「およそ軍勝五分を以って上となし、七分を以って中となし、十分を以って下となす」(「甲陽軍鑑」)というのがある。相手をとことん叩きのめすというのでは、本当の「戦略的勝利」ではない。
 堀江社長が、見事に「和解」できれば、真の「大人」と認められるに違いない。


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